東大寺学園中と洛星中の国語の解き方の違いと直前の対策法①

いよいよ関西の中学入試は試験までひと月ちょっととなってきました。
僕は過去問添削と記述添削のピークを迎え、忙しさに忙殺されています(笑)
さて、このくらいの時期になると、生徒さんの課題も明確化されてきて、それに伴う保護者の皆さんからの質問や疑問もかなり具体的なものになってきます。
そんな中で毎年多い質問(というか不安)のひとつに、「東大寺の記述はできるようになってきたのだけど洛星の記述ができない」あるいは「洛星の記述はできてきたけれど東大寺になると全く書けない」といったものがあります。
(「(模試では点数が入るのに)東大寺や洛星の記述になると解けない」という悩みも多く聞く気がします)
僕は毎年東大寺学園対策の講座と洛星対策の講座をどちらも担当するのですが、かなり両者の講座でアプローチを変えた解説を行います。

もちろん国語という科目であることに変わりはないので、基本的にはやることは同じ。
で、国語が苦手な子と国語が得意な子はいいんです。
記述問題で完答の答えを仕上げられる国語力のある子に関してはアプローチの仕方なんて関係ありません。(むしろ本人の方法論にこの時期にテコ入れする方がリスクです)
反対にそもそも記述で手が動かない、書いても点数にならない子に関してもこのアプローチは効果がありません。
その場合はたとえ直前期であっても①一文を理解しながら読む、②文同士の繋がりから文脈を考える③塊単位で内容を理解しながら読む④濃淡のある読みで時間内に間に合うようにする⑤難度の高い文章が理解できる語彙と理解力を身につけるといった、本文理解が合格するに必要なラインに到達することが最優先と考えるためです。

今回のアプローチの違いが有効なのは、そのどちらでもない、部分点を積み上げなければならない層の子たちです。
国語が大ゴケしなければ合格ラインを突破できる。
今回はこうした層の子たちに僕が毎年行う課題点の洗い出しと指導、そして成長へのアプローチを紹介したいと思います。

東大寺学園中の国語と洛星中の国語の違い

両者の学校の違いと言ったとき、出題形式や問題数、文章量等々、色々な観点があると思いますが、今回はそうした定量的な観点ではなく、僕がこれまでの全ての問題を解いてきた中で体感値として捉えている記述答案を作成する上でのアプローチの差異について注目していきたいと思います。
東大寺学園さんと洛星さんの問題を生徒さんに指導する際に体系化しようとすると、個人的には次のようなアプローチの違いがあると考えています。

東大寺学園
①傍線から設問要求を把握
②解答の大枠を想定してピンポイントの根拠拾い
③記述制約の範囲に収まるように答案に落とし込む

洛星
①文章中から該当範囲を特定し
②範囲内の該当要素をひとつでも多く書き出す
③文字数や枠に応じて編集をして解答に仕上げる

両者の学校において白紙or0点答案を避けるために有効なアプローチを考えたとき、僕は上記のやり方が有効であると考えています。
両者とも文章の内容理解に関しては深いものが必要である事は共通しているのですが、その情報を解答という形で具体的にアウトプットする段階において部分点を確実に押さえるために効果的なアプローチは対照的であるという印象。
洛星さんの国語は完答は(すごーく)難しいけれど、やり方さえ間違わなければ部分点を積み上げられるのに対して、東大寺学園さんは出題者の思考に寄り添う視点がなければ、そもそも解答への糸口が見つからないという印象です。

僕がこれらに対応するために有効だと考え作ったのが上のアプローチの違いです。
泥臭く点数を積み上げる洛星さん、スマートに得点を想定して取りにいく東大寺学園さんという感じ。
もちろんこれはそれぞれの学校さんをネガティブに捉えるものではありません(むしろそれぞれの学校が各々のアプローチで潜在力を有した生徒さんに訴求しているなという印象です)
僕の中ではこうした印象の違いがあるのですが、これだけでは記事としてなんの価値も生み出せていないので、次回の記事では、①それぞれの学校の国語の問題を苦手とする子の特徴、②その理由、③改善するための具体的アプローチについてまとめていこうと思います。


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