【小4〜5年生向け】徐々に模試の点数が下がってきた子への1日3分論理ドリル
国語の授業をしていると、3年生までは国語の点数がよく、4年生になっても初めはよかったのに徐々に悪くなってきたなんて相談をよく受けます。
国語講師としてはよくある話なのですが、いざ自分の子が現在進行形でそれに陥っていたら不安に思うのも十二分にわかります。
今回は3年生までは得意だった国語がなぜ4年生のタイミングで苦手になってしまうのかと、それに対する解決策として僕が実際に使用しいている教材例を紹介していきたいと思います。
4年生になって急に国語の点数が下がる理由
「4年生になって急に国語が苦手になった」という相談に関して、僕は絶対に「点数が下がった」という言い方にして、「苦手になった」や「読解力が低くなった」とは言わないようにしています。
なぜなら、このパターンに陥る子の多くが、「国語が苦手になった」でも「読解力が落ちた」でもないからです。
4年生になって国語の点数が落ちたという生徒さんの中の一定割合が、文章と設問をしっかりと読んで理解し設問要求に答えていたわけではなく、もともと「答えさがし」が得意だっただけという印象です。
この辺、読解中の視線を追いかけていたら明らかです。(きちんと読んでいる子は視線が①上から下にまっすぐ、②基本的には一定速度で、③難しい部分では繰り返しというように視線が動き、一番下にいったら次の行へと移るのに対し、きちんと読んでいない子の視線は右へ左へと行き来しています)
もちろん、しっかり読んでいるのに4年生で成績が低減する子もいます(その理由もしっかりある)が、今回は文字が増えすぎてしまうので、今回は前者に絞った話題にします。
さて、上の条件に該当する子の成績が下がるのは問題の難易度が変わってきたからなのですが、ざっくりと理由を書き出すと次の4点辺りが挙げられます。
①本文の語彙レベルが本人の持つものを超えた
②議論が本人の体験空間を超えた抽象的なものになった
③間接描写で描かれた心情が増えてそれが取れない
④選択肢が小説・物語なら[心情+きっかけ]、説明文・論説文なら論理で構成されるようになった
こういった原因で点数が下がる理由をひと言でまとめれば、「答えさがしが通用しなくなった」です。
にもかかわらず問題の難化で通用しなくなっているタイミングなのに、本人にとってはこれまでの成功体験から答えさがしから脱却できないために問題の難化の分だけ点数が下がるというイメージ。
解決策としては「これまでの成功体験を押さえて答えさがしをやめる」なのですが、なかなか精神年齢的にも心情的にも捨てられないのが実際のところでしょう。
本文と向き合うための3分ドリル
さて、理由も解決法が分かっても、実際にそれを子供たちの行動まで落とし込めないのが(まだ年齢の低い)小学生の教育の難しいところです。
僕たちがこうだと確信して伝えても、実際の成功体験がある幼い子にとって、そのアドバイスは聞き入れられるものではありません。(聞き入れられるだけ素直or大人な子はそこでつまずかない)
対面で自分が担当している生徒さんであれば、自分のキャラクターや声掛け、普段構築した関係性でその気にさせることは簡単なのですが、直接担当していない子に関してはそうはいきません。(そしてこの記事を読んでいただいている方はまさにそこに該当するでしょう。)
そんな課題感から作ったのが下記の並べ替えの教材です。
これは意味を意識と文法の面から正しい日本語に並べ替えるトレーニングなのですが、これを行う事で文を読むときに意味を意識するという感覚と、論理的に正しく読む(特に付属語を意識する)習慣をつけることを目的として作りました。
実際に使う際には各問題に日付をふって、1日3分を目安に毎日少しずつ取り組んでもらいます。
この形にする事で本人にとっては不可なく取り組めるように(国語嫌いの子にはこれが一番大事なので...)、こちらとしては毎日言語に触れる習慣づけとして、そして家庭での学習のウォーミングアップ的に使用してもらえたらと言う意図でこのスタイルにして取り入れています。
実際に運用した感覚としてはこれがスムーズに並べ替えられるようになるのが数ヶ月から半年で、これに音読(飛ばし読みを矯正する目的)を入れるとそのくらいの期間で冒頭に挙げた問題は解消される印象です。
もちろん様々な要因があるので一概には言えませんが、お子さんが「文章を読まない」という風に思われる保護者の方がいらっしゃいましたら、試しに上の問題を解かせて見てください。
意味or論理が破綻した文章を作る、もしくはむちゃくちゃ時間がかかるorあきらめる場合はまさにドンピシャな課題かもしれません。
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