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満足度の高いオンライン配信イベントの作り方

こんにちは、ヤマザキ(@yamazaki_takuya)です。デザイナーとして働きつつ、イベントのライブ配信をしています。

最近はイベントのオンライン化が進んでおり、現地にみんなが集まってやることが当たり前だったものも、オンライン化していることが多いと思います。

一方、イベント担当者の方は「オンラインイベントを自前で頑張ってるけど、もうちょっと良くしたい」と、クォリティの壁に悩まされていることもあるのではないでしょうか。

実際、そのようなご相談を受けることも少なくはありませんので、今回は「オンラインイベントの満足度」にフォーカスしたオンラインイベント配信の作り方についてご紹介します。

どうすればクォリティが上がるのか

まず大前提として注力したいのが「画質」「音質」「品質」の向上です。ここがイマイチだと、どんなに中身が良くても参加者へ伝えきることができません。

「画質」・「音質」について

例えばオンライン会議でおなじみのZoomでは次のような画質・音質になっています。

■Zoom
画質:640x360px 25fps程度 700Kbps程度
音質:24KHz程度 100Kbps程度 モノラル
※グループ通話(3人以上の通話)の場合。通信状況等により変動する場合があります。

これに対して、私がお手伝いさせていただくイベントでは次のような画質・音質で配信することが多いです。

■改善例
画質:1920x1080px 59.94fps 6,000Kbps程度
音質:44.1KHz 128Kbps ステレオ
※視聴者の通信状況等により変動する場合があります。

この改善はYouTubeやVimeo、Jストリームなどの配信プラットフォームを利用することにより実現可能です。

Zoom比較で解像度でいうと約3倍、1秒あたりのコマ数(≒動画の滑らかさ)は約2.4倍、1秒あたりの映像データ量は約8.6倍となっています。

人間の脳は情報量が少なくてもなんとか補おうとしてくれます。しかし、この補完の処理に脳のリソースが使われると内容の理解に使う分のリソースが少し減ってしまうのでは、という見方もできると思います。

画質や音質が良くなると内容を理解しやすくなるほか、補完処理に伴うストレスが軽減され、結果として満足度が高まると思います。

Zoomなどオンライン登壇は便利ではあるものの、カメラの画質や音質は登壇者の機材やネット環境に左右されてしまうので、品質の担保が難しいです。

そこで、登壇者の方には配信会場に集っていただき、運営側が整えた環境で発表を行っていただくことをおすすめします。(もちろん、会場は感染症予防対策を行った上で、最終的な登壇場所は登壇者の方にお任せしています)

これにより逆光で顔が見えなかったり声が途切れるということはまず無くなります。さらにクリッカーを使えば「次のスライドお願いします」という必要もないので、全体のテンポもかなり良くなります。

こちらはあくまで画質・音質面での比較ですので、例えば参加者同士の顔が見たいだったり、よりリアルタイムなインタラクティブさを重視するのであればZoomなどを活用するのが良いと思います。

最近では登壇者は会場、一部登壇者はZoom、参加者はVimeoかZoomというハイブリットなイベントも増えてきています。

「品質」について

ここからは「画質」「音質」「品質」のうち、「品質」についてのお話です。

PCがなかなかプロジェクターに繋がらず全体の段取りも悪くダラダラと長時間続いた上に何も結論が出ない、そんなつらい会議をみなさんも一度は経験したことがあると思います。これがテンポの悪い状態です。

一方、事前に資料と議題が配布され、質問に対し補足資料を交え的確な回答が返ってきてスムーズに意思決定がされる会議は気持ちがいいですよね。これがイベントでも目指したいテンポのいい状態です。

イベントは事前準備が8割と言ったりしますが、本番でテンポを良くするためには準備が本当に大事だと思います。これはオフラインのイベントでも言えることなので気をつけていきたいです。

その他、本番中にテンポを出す要素の一例は次のとおりです。

事前にいつどこで誰がしゃべるのかをまとめて無音の時間を作らない
開始前にBGMを流して退屈な時間にワクワク感を作る
オープニングで始まった感を出す
長時間同じ画面を見飽きないように適宜画面を切り替える(カメラ・資料・テロップなど)
万が一の登壇者ミスは運営が全力でフォロー。運営はミスをしないようにリハと役割分担を磨き続ける
エンディングで終わった感を出す

これらを心がけるだけでもテンポが良くなり、イベント感が出ると思います。

また、登壇者の方がテンポよく発表できるよう登壇環境も整えます

例えば、モニターにスライドの「NOW」「NEXT」「スクリプト」、「放送中の映像」、「持ち時間」を表示したり、手元のクリッカーで自分のタイミングでスライドを操作できるようにするなどです。

最後に、この状況下でいちばん大事なことですが、感染症予防対策もしっかり検討しましょう。

マイクやクリッカーは飛沫などが付着しやすいので、複数セット用意し都度消毒を行います。また、カメラマンをはじめとするスタッフと登壇者の距離も確保しましょう。

みんなが安心して最大限のパフォーマンスを発揮することに集中できる環境を作ることも、「品質」作りの1つです。

小さな改善を重ねる

機材や登壇場所をガラリと変えると、基本的に目新しいので満足度は一時的に上がる傾向にあるのですが、飛び道具的な側面もあります。

つまり、改善したあと数回は満足度が高くても、それに安心しているとすぐに下がってしまいます。 本質的な改善でなかった場合は特に下がり方が顕著です。

特に毎月行うような定例イベントでは「現状に満足せず改善を積み重ねる」という点を意識したいです。

さいごに

このブログではどのイベントでも大体当てはまる、押さえておきたいポイントを紹介してきました。実際には、ここから各イベントに合ったチューニングを行っていくことになります。

機材構成はほぼ同じですが、最終的なアウトプットは異なる事例を2つ挙げさせていただきます。

どちらのイベントでも満足度は過去最高となりました!(技術支援はさせていただきましたが、コンテンツを企画した方々の貢献も大きいと思います)

もし「相談してみたい」「協力してほしい」と感じていただけた方はTwitter(@yamazaki_takuya)のDMなどでお気軽にご連絡ください!

所属しているDesignshipでもご相談を受け付けております。また、一緒にカンファレンスの運営や配信をしてくれるスタッフも募集中です!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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