世界タレントランキングから見た日本

 タレント(talent)とは優秀な能力を持つ人を意味する言葉で、日本でいうタレントは外国人から見たら歌手やTV starなどに分類されている。私は和製英語大嫌いな人なので、タレントとは優秀な能力を持っているという意味で使う。それもビジネスフィールドで。

 日本がランク35位なのは極めて恥ずかしいことなのである。なぜなら日本は名目上、世界第三位の経済大国、従って最低でも10位以内に入っていないと、国民全体としてはわずかにしかいない優秀な人が事業を引っ張っていってるかのような印象になる。

 では、このIMDとは何なのか? https://www.imd.org/

 the International Institute for Management Development (IMD) という、組織になる。この組織は英語では次のように説明されている。

At IMD, we develop leaders who transform organizations and contribute to society. We are an independent academic institution with Swiss roots and global reach, established by business leaders for business leaders.

Led by an expert and diverse faculty, we deliver Real Learning Real Impact through a unique combination of teaching, research, coaching and organizational development activities. Challenging what is and inspiring what could be, we are the trusted learning partner of choice for ambitious individuals and organizations.

Based in Lausanne (Switzerland) and Singapore, IMD has been ranked in the top five for executive education worldwide for 15 years and in the top three for the last eight years (Financial Times). IMD is the only Swiss business school and one of less than a hundred globally to hold the coveted “triple crown” of accreditations from AACSB, EFMD EQUIS and AMBA, the gold standard for global best practice.

IMD has also stepped up its action and measurement efforts in the area of sustainability in recent years. EcoVadis announced the business school’s silver rating for 2019, showing a clear year-on-year progression.

 簡単に言うと、リーダーシップ開発を行う研究所ということだ。研究所自体はエキスパート(学位を持つ研究者)が運営を行い、トップマネジメントの養成学校としても15年間世界のトップ5を維持してきた、極めてレベルの高い研究施設だということができる。

 そういった研究所が日本のタレントランクは35位だと言っているわけで、それについては反論の余地はないと思った方が良い。逆に反論があるなら聴きたい。なぜ異なる意見があるのか知りたい。それが日本をダメにしている原因だから知りたいのだ。

 さて、このタレントランキングだが、次のURLで公開されている。https://www.imd.org/wcc/world-competitiveness-center-rankings/world-talent-ranking-2019/
 そして、評価方法等は次のURLにあるメソドロジーで紹介されている。https://www.imd.org/globalassets/wcc/docs/release-2019/talent/imd_world_talent_ranking_methodology_2019.pdf

 実際に日本がどのように評価されているかは、次のPDFの61ページにまとめられている。https://www.imd.org/globalassets/wcc/docs/release-2019/talent/imd_world_talent_ranking.pdf

コメント 2020-01-19 132104

 見れば分かるが10位以内に入っている項目は2つしかない。20位以内であっても、10項目程度である。特に見るべきはReadinessで、これは自分が属している社会環境を含めた評価であり、個人というレベルではこの項が最も重要となってくる。

 大卒が社会で競争力にならないとか、理系の人材が少ないとか、スキルに応じた給与体系になっていないとか、もう読んでるだけで若手がゲンナリするような評価しかないのが現状なのだ。

 次世代を担う人たちに今必要なのは、英語を身に着け、海外で仕事を見つけるだと思う。それも大学で学んだことを役立てられるところ。だから大学ではきちんと学習をするべきで、自分の専門分野について一通り人と話ができるくらいまで学ぶということをして欲しい。
 大学の四年間で遊んだ人と学習した人の差が出るのが本物の社会であり、それが世界では当然の姿である。日本の社会は縁故主義がいまだ存在し、優秀な人が会社員として満足いく形でやっていけるところが少ない。
 そのことを電通の元社員で自殺した高橋まつりさんの件で多くの人が認識しているはずだ。

 将来日本のタレントランキングをひっくり返せるのは、海外に出ることを躊躇しない人たちが増えた世代以降だろう。何年後かは分からないが日本人が正しく世の中を読める時代になって欲しい。


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