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30代半ばで歯列矯正始める話 3

精密検査から1か月後。検査結果と治療の方向性を聞きに行った。

第一声で言われたのは「結構難しい」。
そして、大前提として理解してほしいと言われたのが、「業界全体としての問題だが、そもそも日本の歯医者では100点の結果は目指せない。目指すならアメリカに行くしかない」。
というのも、先生に言わせると、日本では歯の治療で訴訟沙汰になることがほとんどなく、保険診療の範囲内でできる治療で「まあ、こんなもんでいいかな」という治療で済まされてしまい(各歯科医がそれなりに一生懸命やっているとしても)、業界全体として、歯科医側の意識や知識があまり高くないからとのことである。
代わりにアメリカでは、少しでも何かあればすぐに訴訟に発展するため、治療費は高額になるけどかなりきっちりやるとのことである。

そんな冒頭から始まったものの、大まかな方向性としては、「全部の歯全体を奥にずらすことで、口を閉じた時に、上の前歯と下の前歯の重なる部分を多くする」という内容になるようである。
そうすれば、全体として、下の歯に対する上の歯の重なり具合がいい感じになって、歯ぎしりした場合でも下の犬歯がうまく力をいなしてくれる、今までよりも奥歯への負担が少ない歯並びになるらしい。
ただ、「このシミュレーション画像を見てもらうとわかると思うんですが、歯全体をこれだけ後ろにずらすと、一番奥の歯の行き場所がもうないですよね。なので、一番奥の歯はもう抜きます。あごちっちゃい人はよくあるんです、僕自身もそうでしたけど」。
……費用的には抜歯は1本3,000円で、保険適用とあまり変わらないお値段でやってもらえるものの、「おいおい、確かによくある話かもしれないし、検査前でわからんかったかもしれんけど、前回までは抜歯の可能性の話は全然なかったじゃん」と思った。けど仕方がない。

10年以上前の親知らず以来の抜歯になるので、この時点で少しドキドキしてきてしまったけれど、ただ、気になることはもう1つあった。
「あの……ワイヤーとマウスピースはどっちを使うことになりそうなんでしょうか」「それもね、ちょっとわからなくて…もしかしたらワイヤーかもしれない」な、なんだってーーーーー
※検査前の説明時点では、たぶんマウスピースでいけると思うと言われていたし、痛みが少ないので自分もマウスピースの方がいいと思っていたので、マウスピースで1年半過ごせるイメージで想定していた。
 ちなみに、マウスピース治療についても歯科医界隈では意識の差があるらしく、熟練してない歯医者さんが、この病院よりもよくない設備で画像撮って外注先にそのまま投げて、外注先の出してきた内容をよく見ずに(見たとしてもよく理解しないままに)マウスピースの発注OK出しちゃって、治療が進んだあとになってからやり直さなきゃいけなくなることもよくある、と先生は話していた。なお、今回の私への説明にあたっては、先生と歯科技工士さんでzoom会議を3回ぐらいやった末に業者さんから画像を出してもらったらしい。

最後は同意事項に関する説明。
おおよそ1か月ごとに来院すること、指示通りにちゃんと器具を使うこと、ワイヤー治療の場合は特殊な歯磨きになるので頑張ること、抜歯が必要なことがあること、痛みが出たり歯肉が下がったり顎関節に症状が出たり様々な偶発症が出ることがあること、矯正装置を約1年半使った後に同じぐらいの期間で後戻り防止装置を使うこと、1年以上治療が空く場合はまた検査からやり直しになってしまうこと、等……
同意書に書いてある内容を一つ一つ聞いて、次回サインして持ってくることに。

というわけで、じゃあ次回はまず抜歯からということで、来月に予約。
「4本一度に抜いちゃうとごはん食べられないですよね?」と尋ねたところ、「人によりますけど、精神力次第ですね」と言われました。要するに気合。そんなすごい気合はないので、親知らずの時にならって2本ずつでお願いすることにしました。

なお、途中で妊娠しても治療は続けられるか、という質問に対しても、「基本的に全然問題なく続けられますけど、すごく吐いちゃうような時期でも続けられるかは精神力次第です」。これも気合…

心の準備と違うところが出てきてしまったけれど、もう勢いでやってしまうしかない。
しっかり時間と手間をかけてくれて信頼できる先生だと思うので、委ねよう。
ニュータイプへの第一歩が、来月始まる……!?

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