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30代半ばで歯列矯正始める話 1

今お世話になっている歯医者には、引っ越しをきっかけにおよそ5年前から通い始めた。
もともと、たくさん虫歯があるとか継続して治療が必要な部分があるというわけではなかったけれど、基本的に歯は大事にしたいと思っていたので、引っ越し前から、別の歯医者へ数か月ごとに定期検診に通っていた。
そのため、引っ越した後も別の歯医者を見つけて定期検診をしてもらおうと考えるのは、私にとって自然だった。現在かかっている歯医者は、内装も新しく明るい印象だし、衛生士さんでなく先生も専門ごとに複数人いらっしゃってそれぞれ人当たりもいいし、初回にきちんと写真撮影をしてよく観察した上で指導を始めてくれたので、きちんとした印象だった。
歯医者さん業界では今はこれぐらい当たり前なのかもしれないけど、正直、以前の歯医者ではそんな丁寧さは感じられなかったからである。

そんな経緯はさておき、現在の歯医者での初診時に指摘されたのが、「いわゆる開咬(オープンバイト)で、奥歯にだけ負担がかかり続け、将来的にだんだん歯が削れたりしていくので、無理にとは言わないけれど、できることなら矯正をお勧めする」ということだった。
オープンバイト。何だか新店舗のオープニングスタッフのバイトさんみたいな絵が一瞬よぎる単語だが、私にとっては実は幼少期からずっと自覚がある症状だ。
ちなみに、こちらが私の歯の写真である。

いわゆる「いー!」の口をちょっとしゃくれ気味にやっているのがこの写真である。そう、これ以上ない全力の「いー!」なのに、正面から見える部分の歯は上下がくっついていない。これがオープンバイトである。
実はというか、まあ当然といえば当然なのかもしれないが、小児歯科に通っているころからそうで、その時すでに歯列矯正をする一歩手前だったのだが、その時は頑張って口呼吸をやめるように努めていたせいなのか、結果として前歯の上下がくっつくほど改善して、矯正を免れるまでになったのである。もし矯正するとなると相当の費用がかかるので、母は非常に安堵していた。私も、痛い目に遭わずに済んで安堵していた。
とはいえ、前歯がくっついていた時期もほとんど一瞬で、結局しばらくずっとこのままきていた。大体の食べ物は奥歯で処理するしかないので、麺類とかハンバーガー(特にレタス)とかが非常に食べにくい。どうしてもの場合は、上の歯と舌を使って「押し」切っていた(「噛み」切ることができないので)。
ただ、指摘を受けたのがあくまで初診であったし、自覚はしているもののまだ困ってはいなかったし、何より矯正にはまとまった費用が必要になるので、当時まだ(結婚願望のある)独身だった私は「結婚資金を取っとかなければいけないし…」などと思ってそのまま一旦この問題は置いておくことにした。

それから5年ほど経過し、2か月前の定期検診でのこと。
歯科衛生士さんが過去に詰め物をしてある奥歯に小さな穴が開いているのを見つけたのをきっかけに、もしかしたら内部で虫歯が進行している可能性もあるとのことので、先生の診察へ。
診察を終えて曰く、「虫歯が進行しているわけので安心してほしい。けれど、改めて噛み合わせを確認してみたところ、それぞれ奥の2本ずつ(つまり上下左右計8本)しか上下が当たってない。噛めてない。何ならすでに奥歯ちょっと削れてる。詰め物部分込みで。今回の小さな虫歯はその削れた部分に酸や菌が入ったもの。このまま放っておくと、さらに削れて、今回と似たような小さな虫歯が発生するとその都度その都度治さないといけないが、だんだん左右のバランスが崩れていく。初診の時にもお話ししたけれど、まだ30代で治せる余地はあるし、できれば矯正をお勧めしたい。
私は「そうか…私の口の中を職場に例えると、奥歯さんたちは仕事をしない他の人の仕事まで引き受けちゃって最初に倒れちゃう人達なんだな…」とか微妙に笑えない例えをイメージしながら、帰路についた。

そして今日、無料の矯正相談を受けてきた。
主に治療の流れや費用面の説明を受け、内容は以下の通りだった。

  1. まず、精密検査を行い、どのような治療方針にしていくか検討する。この精密検査料として5万円。さらに、大人の場合、すでに削れてしまっている歯の形の調整等の必要があるためさらに約10~15万円
    検査結果が1か月ほど後にわかって、いよいよ矯正を始めることに決めたら、大きく分けて、65万円~のワイヤー矯正50万円又は80万円のマウスピース矯正がある。

  2. ワイヤー矯正は、「THE 矯正」のイメージで、歯の1本1本に金属のブラケットをつけて力を加えることで歯を動かすもの。相当な力を加えるので、歯がジンジンするような痛みを伴う上、器具の間に食べ物が挟まってしまうことはあるあるらしい。約1か月半ごとの通院で器具の位置の修正をする。さらに、歯の状況によっては歯茎にネジ状の物を着けることもあり、その分は追加料金が必要。
    ちなみに、最近出てきている、歯の裏側につけるタイプのものは、付けていると舌に当たるので違和感が大きい上、歯医者で付けるのも時間と手間がかかるし、費用も通常の倍必要で、120万円ほど。しかも、一番のメリットが「目立たないこと」なのに、最近は皆マスクを着けているため、そのメリットも無効化されてしまっているらしい。

  3. マウスピースは、歯全体に透明なカバー型の器具を被せることで歯を動かすもの。ワイヤー矯正ほど歯を動かす必要がない時に使われるため、痛みはワイヤーより軽い。睡眠時も含め1日20時間は着けている必要があるが、食事や歯磨き時に自分で取り外せる。あらかじめ微妙に型が違うものを1枚ずつ数種類もらっておき、2週間ごとに順に違う型のものに付け替えてずらしていく。通院は2か月ぐらいごとでよかった…気がする(うろ覚え)。マウスピースについては、「一定の枚数まで使えるコース」と「一定の枚数を超えても使えるコース」があり、価格の違いはそれによるものだそうだ(私の中ではSpotifyのノーマルとプレミアムの違いみたいなイメージをしている)。

  4. さらに、私の場合はすでに削れてしまった奥歯8本にかぶせる物の用意も必要になるので、1本15万を8本するとして、さらに120万

  5. まだ検査前ではあるが、おそらく私の場合はワイヤーでもマウスピースでも進められそうとのこと。

  6. 通院時の処置料は4,000円、観察料は2,000円。

  7. 終わるまでおおよそ1年から1年半程度

以上の価格はここの歯医者での価格だが、他の医院と比べても平均的な価格設計になっているとのことである。もちろん全て税別価格で、保険は適用外である。
また、クレジット払いも分割払いもできるとのことだった。

治療を始めることにした理由は、以前と違い、結婚して式、旅行、新生活スタートなど、想定された大きな行事が一通り終わったタイミングであったことが大きい。
とは言え、費用がかかることには変わりないので、配偶者には相談してあらかじめ同意は得た。なお、配偶者は小児で矯正済みである(めっちゃ痛かったらしい)。

ともあれ、どんな生活になるのか、麺類やレタスを普通に前歯で噛み切れる自分に出会えるのか、何だか楽しみになってきた。
次回以降の様子もレポしていきたいと思う。

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