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賞味期限。

学部時代の友人と飲み会をした。

楽しかった。
一年以上ぶりだったけど、一瞬であの頃に戻ったようで、嬉しかった。
また近いうちに会おうね、旅行も行こうって言って別れた。

私は本当に、この友達のことがだいすきだ。
これからも、ずっと仲良くしたいと思っている。ほんとうに。


でも。

昔から、仲の良い四人組だったけど、だいぶ前からいつもわたしだけが独りぼっちだと思っていた。

私だけシングル、という意味ではない。

私だけが、毛色の違うアヒルの子みたいな感覚なのだ。


長いこと恋人がいない。
でもそんなに欲してもない。
合コンや知人に紹介をせがむほど、そこに向かって頑張れない。

「やばいよね〜〜!」と一緒に盛り上がっているフリしてるけど、ぶっちゃけ別にやばいとも思っていない。
なんならそんなたった1人への感情に振り回される自分の方がめんどくさくて好きになれない。
向いてなさすぎるって、自分でわかっている。


譲れない趣味があって、スポットライトを追いかけて全国どこへでも行く自分が好きだ。

みんなと違って、仕事は仕事と割り切って退勤後を充実させることを生きがいには生きられない。
ワークライフバランスがどんなに狂っていようとも、夢を追いかけている自分じゃなきゃ、わたしは立っていられない。
少なくとも、今のところは。


そんな感じなので、仲の良い先輩からは「なんでお前あの子と仲良いの??笑(悪口じゃなくて純粋疑問的な意味で)」と会うたび言われていたくらいだった。

でも、私は、自分と考え方の違う三人と話すのが、私にとっては未知との遭遇と言ったら大袈裟だけど、ある意味「社会」を知る瞬間のような感じで、
私はその「違い」を、痛みに耐えながら目の当たりにするのが意外と嫌いじゃなかった。
(冷静になってみると深層心理的にはリスカに近いのかもしれない。
あとで痛くなるのはわかってるけど外を覗きたい好奇心が勝ってしまう。)

そんな友達がきのう言っていた。
「そろそろほんとに将来を考えないとやばい!ぼーっとしてたらすぐに30歳になっちゃいそう!
女子って『30歳が賞味期限』じゃん??次くらいで決めたいんだよね…!」

あ、そうなん??『 賞 味 期 限 』??
噂には聞いてたけど、それ、本当に言うんだ、、、
ということは私、あと6年でロス廃棄になるの?笑(飲食バイトのしすぎ)
てことは数年後にはもうお買い得シールでも貼られるんでしょうか。あらまあたいへんだわ〜。(他人事)

幸いなことに、人より長めに学生をやっている私は彼女たちとはライフステージを考えるタイミングがズレたため、彼女の強迫観念が私自身に対する言葉に変換されて差し向けられることはなかった。
それは正直よかった、かもしれない。

でも、今まで私に「恋愛至上主義」を説いてきた(押し付けてきた?)彼女が、その価値観に逆に自ら喰われそうになっているのが、私には驚きだった。

正直ざまあみろ的な気持ちがまったくないわけではない、
けど、
彼女が、私はもう追いかける気を無くしてしまった"薔薇の花"の棘に刺さりまくりながら、まだそれを掴もうとしているのを見ると、
そして『賞味期限』談義に普通に乗っかって同調している他のみんなを見ていると。(内心他2人がどう思ってるかはしらんけど)

この世界の作り上げてきた「プリンセス」神話、「お嫁さん」神話の根深さを感じずにはいられなかった。


毛色が違うアヒルは、みんなと違う色の幸せが欲しい。
けど気が向いたら、私もみんなと同じ幸せも欲しいときがくる、かもしれない。

だからこそ思う。
賞味期限なんてなくなればいいのに。

てか美味しければなんだっていいだろ。

そして美味しいかどうかはそんな杓子定規な規範じゃなくて、「相手」が決めること。

だとわたしは思うよ

、って絶対ここを読むことはない大好きでちょっと嫌いな友達に向けて心の中で思ったりしました。


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