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【日記】チェーンソーマンに会ってきました

こんにちは。
自立に向けてログハウスづくりを始めたとっとです。

ログハウスを加工手法の観点で分別すると、

機械で加工するマシンカット
手作業で加工するハンドカット

の二つに分かれます。

昨日は、後者のハンドカットをするログビルダーさんにお会いしてきましたので、その様子をシェアさせてください。

※5,300字あります


きっかけは同じ

先日、わたしの初めて受注したログハウス建築現場でのとあるご縁がきっかけで、熊本にあるマシンカットのログ材加工工場を見学してきました。

この加工工場をご紹介してくださったログハウス施工業者の社長さんからは、実はもうお一人、ハンドカットログの加工・建築をされるビルダーさんもご紹介いただいていました。

昨日はそのビルダーさん(=チェーンソーマン)にお会いしてきたのでした。


初めての九州山岳地帯

そのチェーンソーマンは九州のど真ん中あたり、阿蘇山のすぐ南あたりに位置する山岳地帯の町にいらっしゃいます。

その名もEL CAMPOエル カンポというログ工房のオーナーさんです。

わたしの住む宮崎南部からのルートはいくつかありますが、いちばん早い熊本まわりのルートで行ってきました。

それでも2時間半ほどかかります


長女といっしょに出発

出発するのは日曜ということもあり、その前日に長男(小3)と長女(5歳)を誘ってみたところ、今回は長女とわたしの二人でいくことになりました。

いつもお寝坊の長女ですから、本当についてくるかどうかは当日の判断だったのですが、ちゃんと朝5時ごろには起きてきました。

待ち合わせは11時でしたが、時間に余裕をもって朝6時過ぎには二人で出発です。

宮崎と熊本の県境を過ぎたあたりの道の駅で、朝ごはんに車中そば(あたためるだけのやつ)を食います。

長女作、車中そばマン


おなかいっぱいになって車の中で寝はじめる長女です。


無事到着

道中、彼女が起きてからもしばらく走ると、360度山に囲まれたログ工房に無事辿りつきました。

かわいい手作りミニログハウスに建築中のミニログ、大きな丸太が皮を剥かれて加工されるのを待っているところなど見ると、なんだかもうわくわくします。

作業場の近くを二人でうろうろしていると、お忙しいなか時間をつくってくださったご主人に無事にお会いすることができました。

作業ズボンの膝がやぶれ、ハンチング帽をかぶったご主人は、めちゃくちゃ渋くてかっこいい本物のチェーンソーマンで、奥様も呼んでくださっていました。

工房の隣にあるカフェ&BARに案内されます。

この建物、いわゆるハンドカットログと言われる手加工の丸太を組み上げてつくったログハウスで、ご主人が最初にこの地で建てたログハウスだそうです。

元々はお店を開くつもりで建てたものではないそうですが、今は娘婿さんがオーナーとなりカフェ&BARとしてつかっておられるとのこと。

中におじゃますると、ハンドカットの良い雰囲気がぎっしり詰まった室内。

右手奥にカウンターバーが設置され、

左手奥には薪ストーブがこんこんと薪を燃やし、

入り口の隣には南米チリから輸入されたという薪で火を炊く調理器具もあり、

この建物に入った瞬間、なんだかまるでここが自分の居場所であったかのような錯覚に陥いりそうでした。

長女とふたりストーブの前のソファに座らせていただき、

・わたしがログハウス事業を引き継いだ経緯
・ご主人のログハウスづくりの内容
・先日見学した熊本のマシンカットログ工場の話
・わが家の子どもたちの話
・ご夫婦のお子さんとお孫さんの話
・・・

などなど、1時間ちょっと話をしました。

なんと、わが家の2女&3女と同じく、お孫さんも今1歳になる双子(こちらは男&女)だそうです。


工房のある敷地内を見学

お話をしたあと、すぐとなりの作業場にあるいくつかの建物たちを見せていただきました。

まずは手前にある青い建てものから。

お邪魔します。

入ってすぐ、こちらにもストーブ兼調理器具(なんという名前かわからない)があり、やっぱりかっこいいです。

この建物は旅行者が宿泊できるように開放されているそうで、キッチンや、

洗面所にお風呂にトイレも完備されています。

大人数泊まれるように2段ベッドも複数あり、長女は早速のぼっていました。


もう一つの建物にもお邪魔します。

こちらも通常の在来工法と同じく、柱を立てて壁を造作するポスト&ビームというタイプのログハウスです。

玄関のステンドグラスも手作り

もちろん薪ストーブもありました。

この建物の屋根は、矩勾配かねこうばいという45度の傾斜がついたログハウス特有の屋根で、2階にあがるとこんな感じです。

小さいお子さん連れも泊まりに来られるためか、2階の手すりにはベビーゲートも設置されていました。

わが家も同じものを神奈川でつかっていました


他にも、かわいらしい家がたくさん建っています。

かわいい家たちの庭にお邪魔しているわが家のセレナ

左奥に見える黄緑の縦板壁の家は共同トイレです。

テント泊を楽しむ方のために、トイレや炊事場もつくられたとのこと。

なにやら左側に建築中と思しき家が2軒も・・・

こちらは、数年前お客さんの注文がキャンセルとなったことがあり、すでに加工済みだったログ材がもったいないということで、仕事の合間に追加のログハウスを建てている最中だそうです。

ログハウスづくりの合間にログハウスをつくるって・・本物すぎです。


他にも、奥に見えるのは古〜〜いクレーン車で、いまでもログハウス建築において現役だそうです。


いちばん印象に残った家

わたしの中でいちばん印象にのこったのがこちら。

こちらはなんと、余った床材で建てている最中の超ミニログハウス。

塗装をしていない状態で雨ざらしなので汚れていますが、これをみて

要はこういうこと

なんだと思いました。


汚れてていいということではなく、

「ログハウスってこうじゃないといけない」っていうことはない

ということです。


ご主人はハンドカットのプロでありチェーンソーワークの達人ですが、いろいろお話を伺うと、家づくりに対して工法による執着のようなものは全く感じられませんでした。

例えば近くの製材所で丸太を縦にカットしてもらったあと、チェーンソーではなく丸ノコでノッチをつくってマシンカットログのように加工されたりもするそうです。

ノッチ:ログ材とログ材が直角に積み交わる部分


家づくりに関して拘らない感覚

わたしの親父と非常に似ていると感じました。

親父も「家は住めればいいやん」って言う感じです。

でもこの拘らない感覚をもてるというのは、自らの経験により安心して住める家を建てるだけの知恵と技術を持ち合わせているからこそ、だと思います。

それがなければ、家づくりにおいて抑えておかなければならないところや、逆に変えてもいいところ(どうでもいいところ)がわからないですから。


ログハウスの伝統工法に拘らず、自分の知恵と技術を思いおもいに形にされているご主人と強力にそれをサポートをされる奥様とお話させていただき、わたしのなかにある自分の思ったようにログハウスを作りたいという気持ちを、現場感覚でグッと前に押し出されたような気がしました。


お昼をいっしょにいただきました

ログ工房の見学を終えると、奥様から

「お昼食べに行こう」

と誘ってくださり、近くのパン工房に連れて行ってくださりました。

ご主人と奥様、わたしと長女の4人でお昼ご飯です。

わざわざきてくれたから

と、窯焼きのオリジナルピザブルーベリーラッシーをご馳走になりました。

めちゃくちゃ美味しかったのですが、話に夢中で写真を撮り忘れてしまいました。。

ちなみにこのパン工房の店舗もハンドカットのログハウスで、ご主人がこの地で2軒目に建てられた古いものだそうです。

トイレ待ちのあいだに一部撮影


ピザをいただきながら、奥様からもログハウス建築の事業を進める上でのいろいろなアドバイスをいただきました。

めちゃくちゃ勉強になった一日でした。

最後に一枚撮らせていただきました



ログ工房見学+子ども+帰り=車中泊

パン工房でご夫婦にお礼を言ってわかれたのはお昼過ぎでした。

さて、どの道で帰ろうかと少し考えていると、

今日も車でお泊まりしたい

と長女。

え?

いや・・明日月曜だし、今日はとっとパンツ持ってきてないよ・・

と言うより先に近くのしまむらを検索するとっと。

長女は万一に備え、リュックに着替えをもってきていました。


そうと決まれば(?)、午後の予定をこんな感じで立てます。

・まずは熊本の街のほうに向かう
・しまむらを探してとっとのパンツを買う
・スーパーを探して夕飯の材料を買う
・温泉に入る
・トイレのある公園を探して泊まる
・翌日のこと(保育園どうするの!?)はその後考える


結果、まずは熊本市と八代市の間にある宇土市に向かいます。

写真少なめ(撮っててもそれはそれでおかしい)ですが、まずはしまむらで2枚入りのトランクスを買いました。

すぐ向かいに地元のスーパーがあったので、そこで焼肉用の肉を買い、長女が好きなポカリスウェットも購入し、温泉をさがします。


・・・

この日の往路、山の中ばかりを走りながら長女に聞いてみたことがありました。

神奈川では海の近くに住んでいたけど、山と海だったらどっちが好き?

うーん、どっちかなら、海かな。

・・・


ということでなんとなくですが、車中泊場所は有明海に面する天草方面で探そうと思いたちます。

天草方面にむかう途中でちいさな温泉を発見し、立ち寄ります。


温泉であったまると、車中泊場所を求め、有明海沿いを天草方面に向かいます。

結果、車中泊したのはここ


いちばん海に近い駐車場に停め、干潟越しに海を眺めながら夕飯の準備をします。


車のうしろを片付け、長女にもずくを食べさせはじめます。

紙皿をだして焼き肉のタレを注ぐと長女が

これ何に見える?

と聞いてきたので、

きのこ

と答えると、正解でした。

もずくときのこ

ちょっと味気ないですが、急なことだったので常備しているフライパンで焼き肉です。

画面右にすこし映っている「うまみ」をかけ、宮崎県民ご用達の「とむらのタレ」もかけ、美味しくいただきました。

本物のきのこも焼きます。

長女は疲れたようで、先に横になりました。

わたしはひきつづき鳥軟骨を焼いて「うまみ」でいただきます。

腹一杯アルコールいっぱいになったので、本気寝する前に長女を起こして歯磨きし、就寝です。


・・・


帰路

夜中の2時ごろでしょうか、尿意で目が覚めました。

夜中にトイレで起きること自体は家でも同じなのですが、違ったのはその後眠れなかったことです。


翌日(本日)は天草市を南下して、牛深うしぶか町からフェリーで鹿児島入りし、ぐるっと帰ろうかと画策していましたが、計画を変更して早めに帰路につくことにしました。

そこで来た道をもどって熊本本体(?)に入り、八代から人吉まで高速をつかってみることにしました。

初めて知ったのですが、令和2年の豪雨災害以降、八代〜人吉の間を走る下道したみち球磨川くまがわ沿いの崩落復旧が完了しておらず、この区間に相当する高速道が無料であることを親父から聞いていました。
ただし、通過するだけでは該当区間分割引されることはなく(実証済み)、きちんと八代(または人吉)から乗って人吉(または八代)で降りなければ無料適用されないようです。

八代ICから乗って人吉ICで降りた結果・・・

人吉ICのETCゲート通過時の電光掲示板に「¥0」と出ました!

本当に無料でした。

それにしても、そのような情報は高速道路を普通に走っているだけでは気付きませんでした。

しかし調べてみると、NEXCO西日本が令和2年から現在も継続して取り組んでいる復興支援策であることがわかりました。すばらしいことです。


帰路中ずっと寝ていた長女は、家についたらすっきり目覚められたようです。

朝6時ごろには無事に家に着いたので、保育園の準備をして、いつもどおりの月曜日となりました。


まとめ

今回お邪魔したチェーンソーマンのご主人のログ工房、EL CAMPOエル カンポはスペイン語で、英訳するとTHE COUNTRYだそうです。

田舎ということですか?

と聞くと、それだけではなく、

その場所

という意味も込められているそうです。


チェーンソーマンをされているご夫婦の生活ぶりに触れたのは数時間だけでしたが、自ら居場所をつくってそこで自立されている様子を拝見し、まさにわたしの理想とする姿だと感じました。


今は少しずつですが、子どもたちとの時間を車中泊という形で楽しむようにしています。

これはこれでわたしにとって理想に近づく一つのやり方ですし、わたし自身楽しんでいます。


ご夫婦から学んだ囚われない精神をわたしも見習い、わたしはわたしなりに理想を思い描きながら、試行錯誤のなかで少しずつでも形作っていきたいと思います。


長文にもかかわらず最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



ログハウス・ビルド23年の軌跡をYouTubeでも配信しています。もしよろしければ、こちらもぜひ覗いてやってください!



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