映画マニアを名乗りた〜い!(10)飛び出るアイデア

まえがき─誘因

何だかんだ10回目です。ほぼ誰も読んでないのに続くものです。
今回はワクワクする、唆られる設定の映画を見ることにしました。
コントも映画も設定の妙みたいなものが大好きなので……
ちなみに作風の都合でネタバレが多めになっていると思います。
どうぞ。

Mr.タスク

過激派ポッドキャスターが取材した老人は人間をセイウチに改造したいガイキチでした

最高っすねもう。馬鹿馬鹿しいけど実際こんな目に遭ったらクソ怖いだろうなってホラー、好きだ。
ネタバレ気味かもしれないですが、セイウチへの改造が思ったよりガッツリでめちゃくちゃ笑いました。ムカデ人間程度のを想像してたらだいぶセイウチだった。
あとネタバレついでに言うと、それまで散々な人生送ってて漂流した島で出会ったセイウチだけが自分を見てくれた存在でしたみたいなバックボーン、よく考えると人間を監禁してセイウチにする理由には全くなっていなくて面白いな。いや〜最高。
ただバカさの割に説明台詞で進める所がわりと多いのは気になったけども、まあB級ってそんなもんですかね。
終盤に掛けてどんどんバカになっていくのも良かったね。こういうのって息切れしがちだったりするしね。好きでした。あと全然気付かなかったけどジョニーデップが出てた。何してんの?

コンプライアンス -服従の心理-

ファストフード店に掛かってきた警察を名乗る男からの電話

めちゃくちゃ怖い映画。あらすじ纏めるの難しかったから画像見てくれ
あと設定がどうこうっていうか実際の事件を元にしているらしい。いっそう怖いな。
鑑賞者として俯瞰で見るとこんなもんに騙されるなよと思ってしまうけど、忙しさやトラブルで大わらわの中、いきなり警察ですなんて言われて指示されたらきっと従ってしまうんだろうな。
店長を始め、周りの人間のカスっぷりが本当にこんな感じだったんだろうというリアルな嫌さで苦しくなりました。
僕らはみんな誰かのせいにしたくて、巻き込まれたくなくて仕方ない愚かな生き物です。
レビューとか見たら登場人物アホすぎてイライラする!みたいなこと書かれまくってたけど、お前も同じ状況だったらこうなるかもよって感じだ。愚か愚か。

エグザム

大企業の最終入社試験に挑む8人、試験用紙は白紙でどうしよう

入社試験を題材にした推理系サバイバルサスペンスといったところですかね。死なないデスゲームというか。めちゃくちゃ良い設定でワクワクしながら見ました。
でも何か…設定の割にフワッとした感じで終わったというか…微妙だったかも。
序盤の色々試していく所とかまでは凄く良かったけど、結局SAWをめっちゃショボくしたみたいな所に収まっちゃった感じで残念。
せっかくの「負けても死ぬ訳ではない」というフックをもっと生かしてほしかった気持ちがあります。それでも本気で賭けたいモチベーションが各々にある所をもっと見たかった。
そしてこれはネタバレになりますが、種明かしも何か微妙に納得行かなかったな…。実は何気ない序盤の台詞が重要でした!ってよくあるけど、今回に関してはそれ最初に返事してたらどうするつもりやってん、と思っちゃった。
どうにも勿体ない映画でした。


パージ

1年に1度、すべての犯罪が合法化される夜

有名どころ。とてもワクワクしちゃう設定ですね。
だけど流石にこんな法律絶対有り得ないよね〜とも思うよね。だってデメリットがデカすぎるもんね。まあそこは野暮ってもんよね。
あとすべての犯罪が合法化って言いながら殺人以外のことしようとする人が出て来なかったのは残念かも。多分だけど性犯罪と窃盗の方が件数多いと思うんだよな。言うてそんなにみんな殺したい人っているのか?
籠城戦に終始したのは不評らしいけど一般人を主人公にしたならそれが正解だとは思います。話の流れとしては綺麗で良かったです。
でも姉ちゃんの彼氏のくだりは丸ごと要らなかったと思うんだけど何だったんだろう。
何かこう…モヤッとする部分は多かったです。面白かったけど。

フローズン

スキー場のリフトに運転終了ギリギリで無理矢理乗ったら上空で停止されて帰られちゃったし次の営業は1週間後

絶望的すぎて良いですね〜これも。「詰んだ」って目に見えてわかる感じ素晴らしい。
シチュエーションに入るまでの流れも主要キャラがどんな性格かとかをちゃんと伝えつつ綺麗に作ってあって良かったです。
でも終盤が…微妙…。絶望してさあどうする、の後が全然ピンと来ませんでした。
あまりにも無策で動きすぎだし、いやまあ極限状態だし最初冷静じゃないのは仕方ないとしてもその次の改善策がちゃんと講じられないし、でもそのままで結局何か行けちゃうし。何やってん。
ちゃんと仕掛けのありそうなボス戦をゴリ押しでクリアしてるゲーム実況を見た時のようなモヤッと感がありました。
ほんと中盤までは凄い良かったです。惜しい。

ブラインドネス

激ヤバ感染症で主人公以外全員失明

これもめちゃくちゃ楽しい設定で、映像と音楽もとても良くて、間違いなく良作の部類ではあるんだと思うけど、何だか凄いモヤッとしています。
設定に惹かれて見たので、失明症状のある病気で世界的なパンデミックが起きたら社会はどうなるか、その情勢で唯一目が見えている主人公はどう扱われるか、とかをもっと見たかった気持ちがどうしても強い。
実際は隔離病棟にすぐ送られるので社会というより閉鎖空間におけるコミュニティ形成と軋轢ってミストみたいな展開が主だし、主人公は目見えること基本ずっと隠しててヌルっと打ち明けて受け入れられちゃうし、しかも何故主人公だけ目が見えるのかの説明も無かったので、すんごくモヤモヤ。
その割に展開詰め込みすぎな感じの構成でもあるので、何か見たかったものがどんどん遠のいていくような心地がして残念すぎた。
でも決して全く駄目な映画ではないです。良いものではあったと思います。

ラースと、その彼女

シャイな弟が初めて彼女連れてきたと思ったらラブドールだった

ホラーが続いたので笑えるのを。なかなかパンチの効いた設定ですが、意外にもハートウォーミングでした。
コメディ要素も勿論ありながらも、真摯に彼(と彼女)に向き合う周りの人々の暖かみと、他者とどう向き合うかを少しずつ考えていく彼の成長を凄く優しく描いていて、ホッコリする映画。
ただまあ流石に周りが優しすぎというか。ちゃんと向き合ってくれるのはいいけど救急車で搬送するとかまで行くのは違わない?その間に本当に救急車が必要な人がいたらどうするんだ。田舎とはいえさ。
とかそういう部分は気になっちゃったな。正論を振りかざす悪いインターネットの人間なので。
真っ当な人間が真っ当に楽しめば凄く良い映画だと思います。


そんな感じでした。
何か大体微妙とか言ってる気がするけどこれは俺の精神状態もありそうだな。
でもワクワクしながら見られたので楽しかったです。
それではさよなら(^^)/~~~ ←予測変換で出て来た「さよなら」の絵文字。肘あたりから陰毛を3本発射している


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?