同人誌レビュー『緋色と雪色の彩典』

ここには各作品ごとの感想を上げていくよ
ほとんど備忘録かつ感情ぶちまけるだけだから言うことなし
作者さんの名前は敬称略で

~さいりん~
『睦月:外堀埋めもお任せあれ』
 司の胆力を以てしても壇上スピーチは戸惑うものだった。遠子もパパも悪気がないから、よけいに退けない状況なのがかわいそう。スピーチまではさすがに描写されなかったけど、名家のお嬢様と添い遂げる決意表明みたいな感じで良い話でした。

『如月:着重ねる思い出』
 荷物整理途中で楽しくなって時間かかる定番のやつ。サクヤは作るのも着るのも好きだとわかる一作だった。

『弥生:ゴールは花束と共に』
 お屋敷の花壇ネタ。それに伴う花言葉ネタ。とてもよかった。メイド長として仕事をこなすメリッサの有能さと、司が抱いた花言葉由来の決意も心に響いたお話だった。

『卯月:前線なんて待てないから』
 コトハの髪飾りに対するエピソード。本編でもリンカと会う以前は髪を下ろしていたので、リンカが要因なのは納得だなぁと思った。コトハ自身、自分に対して印象が変わる描写もグッド。

『皐月:早いことはいいこと?』
 絶対孕むウーマン再来。新しい世界にやってきた琥珀が、これから先いろいろな知識を吸収して大人になっていくのを感じられる作品。知らなかったのか? 子作りからは逃げられない。

『水無月:清涼と清流』
 水無月に対する解説が大変タメになった。それと同時に、東雲みさきへと誘導してくる強めなみさきも可愛らしかった。やっぱりみさきはこうでなくちゃね! それにしても東雲みさきって語感めっちゃいいな。

『文月:未来を綴る』
 蓮といえば手紙! これは印象的だからすごく共感できる話だった。拙者文字を書くときに手を添えるシチュ好き侍。もらった手紙への返事を書こうと、蓮には秘密にする司の描写もとてもよかった。

『葉月:川面の送りびと』
 作者さんの中で一番好き。すっと読めたしそう来たかって感じのネタ。悔しい(対抗心)。一夜限りの邂逅がとてもロマンチックで灯篭流しにぴったりだなぁと思った。

『長月:かけると満ちる』
 キリエの可愛さが詰まった作品。自由なところもたまに弱さを見せるのも、キリエという少女の形だなって。お約束の月が綺麗ですね、はなかったけどキリエには伝わらんだろうなぁなどと。

『神無月:差し伸べられた奇跡の日常』
 京楓メインと思わせてからのクナド匂わせ。この時だけ暁が月の和名に対して特に解説しないのほんと好き。

『霜月:永遠に咲かせよ歌の花』
 本編で声を失ったユネが再び歌えるようになったのほんとよかったねって。無理だと否定しながらも、歌うことが本当に好きな彼女に、生意気な後輩は綺麗な作品を作ってあげてほしいですね。

『師走:覚める夢と醒めぬ夢』
 所長ルートifはやっぱり考えちゃうよね、わかるマン。肝心なところで目が覚めちゃう司の描写も男の子らしくて好き。これからの司とマリィの関係がいろいろ考えられる、素敵なお話だった。


~なっく~
『これまでと、これからと』
 過去と現在を双六で見てきた二人が、未来へと同時に踏み出す最後が好き。体が弱かったみさきと、心が弱っていた暁。そのどちらとも互いに支え合って、未来に進むというのがとても感慨深くて良かった。

~あくあ~
『夢から目覚めて』
 看病ネタ、チョーイイネ! 鉄板ではあるけど、シュウとサクヤにとって『二人一つの部屋で世話をする』というのは特別な感情が生まれることだろうと読みながら思った。最後のオチもしっかりつけてきて、するすると読めた良い作品でした。

『その手で手繰り寄せて』
 蓮ルートで司の秘密が発覚するお話。いつまでも隠し通せるものではないので、どこかで必ず言わなきゃならないお話。それを綺麗に書いてくれたのがとても好み。司の苦悩と蓮の優しさが読み取れるとても良い作品でした。それはそれとして司は搾られる運命なんだなって。

~七篠ていく~
『ちっちゃな呪い師が生まれたワケ』
 暁と縁はバチバチにやりあってほしい。そんな感情を最後まで貫いてくれてよかった。お前が俺を殺すまで死ぬな、は実質プロポーズなんよ(錯乱)
 特にお着換えタイム中の女子陣が好き。こういうこともあるかと思って肌のお手入れしてたんでしゅか~~縁ちゃぁ~んケヒヒッ! これからもっとコミュニケーションして縁は立派に成長してほしいなぁって思った一作。

『グランツアーを終えて』
 完全解釈一致ギドリン。本編のアフターではギドウの扱いがヒロインによってまちまちだったので、こうやってギドウメインの話を読めてとてもよかった。破壊の美学を求めてた男が修復師として生きる。これ一本でなにか作れそうじゃんってレベル。それがこれ。This is it.完璧なイメージのあったギドウが、ちょいちょい人間っぽい表情を見せてくれたのがほんとよかった。好き。

『帰郷・旅は道連れ、世は情け』
 これこれこういうサブキャラのアフターが欲しかったっていうお話。。加藤大尉に対する気持ちに整理をつけることができた雪葉さんと、どこまでも真っすぐなマイがとても印象的だった。これは名探偵にも解決できない、二人だけの話だと思う。とても好き。

~Planador~
『どうか、胸の温もりが欲しくて』
 琥珀が猫に戻っちゃった!! うーんド定番。だがそれがいい! そうなってもみんなが変わらず、琥珀として接してくれるというのは本当に良い縁だなって思った。京楓ルートらしいので京楓との絡みが見受けられるけど、それを間近で見ていた琥珀もなかなか思うところがあったろうなーと。好きだったのは猫琥珀と縁の絡み。あのシーンを見て、あぁ救われたなぁって感じた。

『パスタは閂のように』
 あぁサクヤ サクヤサクヤよ サクヤを曇らせないで(字余り)
 みんなでわいわいきゃいきゃい料理作って終わり! ロールキャベツ美味しいね! ハッピーエンド! にはならなかったんだよ……だから、この話はここで終わりなんだ。
 タイトルをこうやって回収してくるのはずるいよなぁ、と思った。つけるセンスがないので悔しい。どっちかのエンドを選べばもう片方が曇るのはわかってたけど、サクヤが曇る姿を見るのは悲しいよ俺。
 ルート的にはキリエ彼女? でもサクヤがいるってことはキリエアフターではないのかな? って疑問。サクヤの幽閉記憶は戻ってるみたいだから、やっぱりユネorサクヤエンドのキリエ彼女っぽい。ユネとあーんしてるからユネルートかとも思ったけど、ただのパートナーとしての感情だから違うだろうなぁと思って。ifみたいな感じなのかな。俺の読解力の問題?

『東風吹かば』
 なんだこの所長!?(驚愕) まさか匂いフェチとは思わなかったけど、遺伝子的に相性がいいと匂いに惹かれちゃうししょうがないよね。所長は悪くない。でもみんなに聞いて回るのはちょっと面白かった。
 最後はシリアス気味に落としてくれてすんなり読めた一作。作中の和歌もきちんと回収していてとっても綺麗にオチた良い話でした。関係ないけど老婆所長もきっとかっこいいんだろうな。

以下はイラストに対する感想です。小説と同じく敬称略で。

~ちょこだいす~
(彩頃)
 上に乗っかる琥珀はかわいい。聖書にも書かれている。もはや琥珀の私服を見るだけで泣けるくらいには性癖になりつつある。かわいらしい笑顔もとても素敵でした。
(さくレット)
 洋服姿のメリッサは本編でも胸を穿たれるレベルの衝撃だった。故に好きです。普段メイド服しか着ていない子がいきなり可愛い服を着たら、それはもうとんでもない破壊力なのよ。
(あめぐれ)
 ドレス姿のユネ! とっても美しい! 吹っ切れたような笑顔でマイクを握りしめる姿、非常に可愛らしくてユネらしいなと思いました。

~飴乃あめ~
(あめぐれ)
 天使の羽が舞い散ってる中でリンゴを持ってるユネ。とても神秘的で素敵な一枚でした。次のkonoquroさんの絵と対になっているのも相まって、本紙の中でも特に印象に残りました。

~konoquro~
(あめぐれ)
 先述の飴乃あめさんと逆向きになったサクヤ。ユネのほうはほぼ裸だったけど、こちらは布に覆われてほとんど見えない状態に。それでもなおボリュームのある胸がサクヤらしくて素晴らしいです。ふわふわとした髪の毛も表現されてて好きです。

~ねずも~
(さくレット)
 飴玉咥えて机に肘をつく所長のイラスト。仕草は子供っぽいのに所長の色っぽさが出ていて、ぐっときた一枚でした。手から流れる髪の毛もまたグッド。やはり所長の顔は良すぎる……。
(彩頃)
 吾輩ポニテを作る一連の動作大好き人間。なのでこのイラストも大好きである。京楓の胸と少し照れくさそうな表情がツボでとても心に来ました。女の子らしい一面が見れて嬉しい。

~うせつ~
(彩頃)
 彩頃ヒロイン勢ぞろいの贅沢な一枚。双六時の衣装なのが本編を思い返せてとても良きでした。やっぱり肩だし和服のみさきは良い……手前で覗き込んできてる琥珀の幼い表情も好きです。