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映画マッチング(原作も含めて)のネタバレ感想・考察・続編予想


・注意喚起と事前説明


映画マッチング…
先日、9回目の鑑賞を終えました。

今までの劇場での映画鑑賞最高記録が7回か8回だったので、個人的に記録更新となります。

思い返せばこの映画の存在を知ったのは去年7月。
Snow Manにハマって情報を漁っていた頃に、佐久間大介 ストーカーの文字を見て心臓を鷲掴みにされた感覚に陥りました。

今までヤンデレを演じる人が推しになることはあっても、推しがヤンデレを演じたことがなかったので、
「え、もしかして私もう死んじゃうの?」と思ってしまったのを覚えています。

そこから長い時間が経ち、今年2月に公開。
あれよあれよという間に1ヶ月が経ち、とうとう最寄りの映画館でも上映終了…。
9回目の鑑賞も行ける場所を手当たり次第探したところ、初日を観た劇場だけ奇跡的に行ける時間で上映していたのでラッキーでした。
他は全滅で、あっても夜中の上映…
気軽に観れる状況でなくなり悲しい気持ちもありますが、ほぼ悔いなく通えたので満足です。
あとはもうグッズが届くのと、円盤発売を待つのみですね。

通っている時はいろいろ気持ちがいっぱいで文字に書き起こせなかったことも、ラスト鑑賞を終えた今なら書けるかもと思い書いています。

いや本当に、この映画には感謝しかありません。
去年個人的に辛い出来事が重なって、暗い未来しか見えていませんでした。
その中で「2月になればストーカーの佐久間大介が見れるんだから頑張れ」と、
自分を鼓舞するキッカケになったのです。

元々は、佐久間大介目当てでしかなかったこの作品も、実際鑑賞すると作品としての魅力が想像を絶するものでした。
もちろん佐久間大介が吐夢を演じているからこその威力はあれど、それを排除したとしてもストーリー、登場人物の魅力は消されるものではないなという感じがします。

まぁ、作品に対する私の思いはこのくらいにして、
まずは作中で気になったところや好きなところを述べていきたいと思います。
完全ネタバレになっておりますので、まだ映画をご覧になっていない方々はUターンをお願いいたします。


輪花の本名を事前に調べてる吐夢


これは原作にはなく映画だけのミニ設定ですが…
Xでつぶやいている方がいて確認したところ本当にそうで、思わずちびりそうになりました。
原作の吐夢…輪花のスマホにスパイアプリを入れて監視
映画の吐夢…出会う前に輪花の情報を調べ上げて本名を知っている
さてさて、どっちがやばいのやら…


節子が吐夢を刺すシーン


返り血を浴びた節子がその血を見て、その後聖母子像が映る。
これはもう言わずもがな、節子と吐夢の関係を匂わせているシーンですね。
原作では節子はチャットルームの名前がマリアですし、アプリ婚した夫婦に罰を与える吐夢を神のような存在として見ることもできるので。


病室のシーン


2回目鑑賞時、吐夢のスマホのスクロールの仕方が、最初のアプリ婚した夫婦の投稿をスクロールしている手の動きと同じに思えました。
でも3回目以降は「考えすぎかな…?」と思ってしまい、これがヒントになっていると断言はできにくい…
でも軽めのヒントとしてあえて映している可能性もあると思っておきたいです。


撮影時はLaboのライブツアー中

これは映画からは離れますが、撮影時に佐久間大介はSnow Manのライブツアーに参加しています。

これはファンなら既に気づいていることだと思われますが…
その中で彼はユニット曲、Color me live…を披露するわけですが、それが何と深海をテーマにした曲。
これは確かBehindを見た時の記憶だと、深海の生物が外の世界を夢見て旅たつ…ようなストーリーをイメージしている…という話だったと思うのですが、
それがどうしても、吐夢に重なるんですね。

吐夢と輪花が初めて会ったのが水族館。
吐夢の家は海の底のようなアパートの一室、飼っているのは海底の生物、ダルマオコゼ。
真っ暗な世界の中で、スマホを通じて出会った輪花。
「僕の光は、輪花さんの中にしかありませんから。」

光のないストーリー、でもone day…
I found…Color me live Color me bright
胸躍る光へと
思うがまま泳ごう
僕だけのColorで…

あれ、これ吐夢のイメージソングですか!?!!!??!!!!!!!怖い


〜考察〜

吐夢には殺さないという選択肢があるか?


アプリ婚をする夫婦を殺していく吐夢ですが、その理由は簡単で「真実の愛ではないから」。
相手の代わりに自分の命を差し出す、その行為が互いにできれば、それは吐夢にとって真実の愛になります。
吐夢が今まで殺してきた夫婦はどれも自分を犠牲にして相手を助けることはありませんでした。
そのため吐夢は殺害を繰り返すわけですが、果たしてその夫婦が真実の愛を証明できた時、吐夢はどうするのでしょう。

影山が殺害した片岡夫婦、少なくとも片岡先生の方は、相手を救おうと自分の命を差し出していました。
もしこの夫婦を影山ではなく吐夢が狙っていた場合、吐夢は片岡先生の行動にどう反応するのでしょう。
相手のために命を差し出して真実の愛であることを証明できたら、二人とも解放するのでしょうか。
その場合、吐夢にとっては目撃者を逃すことになるわけですが…果たしてそれが可能なのかどうか。
輪花を手に入れた後でも犯行を止める気がない吐夢ですが。捕まれば輪花を失うことになるので、自分が逮捕される可能性を排除しようとするはずです。
いくら考えても答えが出てきません…。
続編があるとすれば吐夢の犯行についてもっと詳しく、より具体的に描かれていくといいなぁと思っております。


節子が吐夢を捨てた理由

 
芳樹との子どもである吐夢を身籠った節子。
しかしなぜか駅のコインロッカーに置き去りにして捨ててしまう。
その結果吐夢は愛を知らないまま育ち、歪んだ認識をもって殺害を繰り返すわけですが…

なぜ節子は愛する男性との間に生まれた我が子を捨てたのか?
これに関しては作中では説明がありません。

芳樹を刺した後に逮捕されていること。
そのあと芳樹の妻である美知子を誘拐していること…
これらのことから考えて、おそらく普通に「赤ん坊を育てる余裕がない」から捨てた、と考えられます。

また例え余裕があったとしても、「芳樹に愛されない存在なのであれば、自分も愛する必要がない」と認識したのかもしれません。

実際節子は、最後は刺そうとしますが、輪花には優しく接しています。
それは芳樹の血を引く、芳樹が愛する存在だからこそなのだと思います。
吐夢が芳樹の血を引いていても、芳樹に愛されないのであれば、大事にする価値はなかったのでしょう。

でも一方で、中絶したり、産んだ後に殺すのではなく…
駅のコインロッカーに捨てるという、救われる可能性が少なからずある選択をとったことには、何かしら母親としての愛情が感じられます。

それがキリスト教徒ゆえのものなのか、彼女自身のものかはわかりません。
でも留置所で吐夢を見つめる彼女の目に涙が溜まっていることからも、「救われてほしい」という気持ちはあったのではないかと思うのです。

実際に節子の手で育てられていたら、今以上のモンスターになったと思うので、捨てられて良かったのかもしれないなんて思いつつ…

余談ですが、斉藤由貴(母)、佐久間大介(息子)がという関係をつくりだしたキャスティング…
神がかりすぎていますね…。
血が繋がっていることに納得できすぎます。
…占いの番組で斎藤さんの娘さんと、さっくんの愛称が良いって言われてたのを思い出しザワザワ…。


吐夢が輪花との血縁関係に気づいた時

これ、原作に書かれていることを読み落としていたら私のミスなんですが…
吐夢がいつ気づいたかって、謎のままですよね?
「輪花さんの後を辿っていくうちに」というのが、果たしていつまでのことを指しているのか…

少し早すぎる気もしますが、水族館で初めて会う時点でもう気づいていた可能性もあるよなぁと思ってしまいます。
クリオネが雌雄同体という話をした後、「僕とあなたも前世では同じ身体を共有していたのかも…」と吐夢が話すシーンがあります。
これは暗に自分と輪花が姉弟であるということを仄めかしていると考えられます。

「僕と貴方は運命で繋がっている」
その言葉も、意味があるのでは…と思ってしまいます。
吐夢は運命という言葉が口癖なので、考えすぎかもしれませんが。

恐らくではありますが、湖畔のシーンでは既に気づいていると思います。
節子が美知子の元から離れる時、吐夢が節子を目で追っているんです。
異常な行動をしないか注視しているようにも見えますが、自分の母親を興味深く見つめているようにも見えるので。


輪花が真犯人説


公開当初から、吐夢ではなく輪花が犯人なのでは?との予想が考察勢から出てきていました。
その考察を読んでいくと、確かにそれでも納得できるなぁというものもあり…

でも一方で、輪花にはやはり動機がない。
好きだった片岡先生に振られてショックで、とか、父親がパソコンチャットで不倫してた事実を知った後ならあり得ると思いますが。

原作・パンフレットの詳細を確かめると確実に吐夢が犯人として描かれている、というのもあります。
しかしパンフレットには最後の犯人がなぜか吐夢と書かれておらず謎のままになっているので、この犯人は吐夢じゃない可能性が残されています。

原作にはこれから吐夢が5番目の殺害を行う…とされるところで止まっており、実際にやったかどうかまでは描かれていませんが、その線で考えていいと思います。
であればなぜ、パンフレットには謎として描かれているのか…?

内田英治監督は考察に驚いており、おそらく彼が意図して描いたのではないかもしれないのですが…

個人的に、最後の犯人は、輪花(実行犯)、吐夢(後処理)説もあり得るかなぁと思います。
最初鑑賞した時は、ストレートに吐夢が犯人だったのだと受け入れたのですが…
確かに多目的トイレのシーンは疑問に残るのです。

殺人をしたことはないのでわからないですが、ああやって殺人現場以外の場所で後処理することはあるんでしょうか?
血塗れのナイフを所持したまま動くのはリスキーであるとも思うし、特殊清掃のプロである吐夢なら他の手段があるのかなという気もします。
吐夢が犯人であると分かりやすく描写するためのシーンだと思うので、あまり深くは突っ込まない方が良いのかもしれませんが…。
佐久間くんが実際に殺害をしているシーンだと流石にイメージ的に危険だと思い、それとなく表現できるのがあの場面だったのかもしれません。
そのせいで、いや、おかげで?ストーリーをひっくり返す考察が生まれたので良しとしましょう…。


続編予想


マッチング続編の可能性は高いと睨んでおります…
内田監督曰くもう構想はあり、クルーズが舞台という話もありますが、それに関しては正直どうなるのか予想もつかないので、ひとまず置いておきます…

そのためここに書いていくのは、あくまで輪花、吐夢の関係性がどうなっているか、だけに留めておきたいと思います。
続編の主人公が輪花、吐夢ではない可能性もあるので、難しいところではありますが。

輪花と吐夢は友人になる
→物語の最後に輪花が吐夢の手を握り、二人が見つめ合うシーンがあります。
 二人が異母姉弟であることを知っている観客にとっては、この二人が恋人になる未来は見えないでしょう。
 吐夢もその事実を知っているため、例え輪花がそれを望んでも恋人関係にはならないのではないか…とも考えられます。
 また、吐夢は輪花との関係を崩さないために、自分が血のつながった弟であることを明かさない可能性もあります。
 吐夢に性的欲求があるのか分からないところでもあるので、恋愛関係にすぐに発展するとは限りません。内田監督が歪んだ性格の持ち主でなければこの①、もしくは次に紹介する②の関係に発展していると思います。

輪花と吐夢は姉弟になる
→これは①とは異なり、吐夢が輪花に自分達の血縁関係を明かした場合に考えられる設定です。
 輪花の反応がどうなるのかは興味があるところです。
 父親と不倫相手との子どもが吐夢であることを、簡単には受け入れられないでしょう。
 でも吐夢に罪がないことは分かっているので、輪花も(ほぼ)唯一残された家族を突き放すことはないでしょう。
 吐夢が連続殺人の犯人であると知った時に輪花がどう動くのかが見どころになりそうでもありますが、姉として吐夢の闇を受け入れ、包み込みそうな気もします。

輪花と吐夢は恋人になる
これは個人的に一番可能性が高いのではないかと思っている展開です。
もちろんこの展開には分岐があります。

❶輪花は吐夢が異母弟であることを知っている
❷ 輪花は吐夢が異母弟であることを知らない

知った上で関係を結ぶのか、それとも吐夢に騙された状態で関係を結ぶか。
どちらにしても姉と弟という関係の上での近親相姦なのでアウトではありますが…
輪花は最後、自分から吐夢の手を握りにいきます。
吐夢を見つめる目も、芽生え始めた恋心を思わせるあたたかさがあります。
原作には、いつか母親に最後の恋バナとして吐夢の話をするだろうと…輪花の吐夢への感情はしっかり恋である、と表現されています。

輪花→吐夢の恋愛感情は明白ですし、吐夢も…近親相姦くらいヘッチャラなのでは…と思います。
もちろん近親相姦は、キリスト教(じゃなくてもですが)においてご法度です。
しかし吐夢はキリスト教の教えに触れてはいつつも信者ではないと思われますし…

聖書の中にも近親相姦を想像できるところはあります。
アダムとイヴの子孫たちや、ノアの方舟以降の人類や…
家族愛を知らない吐夢にとって、輪花が自分の姉であっても構わないのではないかと思います。

「何が問題なんですか?」と、あの虚な目で見てきそうな気がします。
実際原作には、輪花が自分と一緒にいることで壊れ、天使から悪魔へと変わり、自分と同じになることを吐夢が望んでいるという記述があるのです。
やりかねないです、吐夢ならば。

これ、❶だった場合、輪花は知ってて吐夢と関係を結ぶのでそこに関してはまぁ好きにすればいいか…と思ったりもしますが、

❷だった場合、地獄ですよね。

最初の印象は最悪だったけど、
命をかけて2度も自分を助けてくれたヒーローが、
実は父親と不倫相手との子どもで、異母弟。

しかもそれを吐夢は知っているのに黙っていて、自分と関係を結んだ…。

私は結構歪んだ性格なので、
輪花が吐夢との子供を妊娠して、
その際に吐夢もしくは節子が秘密を話し、
輪花がそれを知り発狂する…という展開もあるかな?と想像します。

本編で輪花は吐夢だけでなく影山に対しても、母のような存在として描かれていると思うのですが…
それを本編のような擬似的にではなく、続編ではリアルな母として登場させるのではないかと思ってしまうのです。

吐夢との子どもを産むか、産まないか…
でも結局産みそうな気がします。

「いや流石にそんな展開にしなくない?」という声が聞こえてきそうですが、個人的にはこの展開が見たいです。
前作を凌ぐ泥沼にするのであれば、③の展開しかあり得ません…

しかし、この③の展開になった場合、ひとつ疑問が生じます。

原作では吐夢はアプリ婚を「軽薄」と認識し、アプリ婚した夫婦を殺していることが描かれています。
アプリ婚…つまりマッチングアプリを通じて出会い結婚した夫婦の愛は、軽薄であると思っているということです。
その愛は偽物である、と。

もし吐夢と輪花が結婚した場合、その結婚は軽薄であり罪深い行為となるのではないか、という疑問です。
その場合、吐夢の行動は矛盾していることになります。

しかし、吐夢は2回輪花を、輪花もあのアパートの場面で吐夢を救っています。
この時点で「自分の命をかけて守ることが愛」という吐夢のゴールは達成しているので、例え結婚しても軽薄な愛にはならない…ということなのか。

吐夢の行動は矛盾しているようでいて、案外一貫しているのかもしれません。


…とまぁ、結構な量になってしまったわけですが…
一応ずっと溜まっていた事は全部吐き出せたのでこれでよしとします。
時間が経って分かったことや、妄想など…新たに書くか修正していくなどしていこうと思います。🍀


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