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IT経験を持たない中小企業診断修得者と、彼のITストラテジスト試験の年⑤午後Ⅰ

この記事は、ITストラテジスト受験生のうち、非ITガチ勢かつ中小企業診断士の勉強をしたことがある人に向け、同じ境遇だった私個人の体験談を語るシリーズのうちの第5弾、午後Ⅰ編です。
なお、前回からちょびっとだけ全体の目次変えてます。開示請求した午後Ⅰの私の本番答案はこの記事の有料部分に掲載し、公式の模範解答との比較をすることにしました。


午後Ⅰの対策

いよいよ午後Ⅰ編です。
午前の2科目はマークシート式でしたが、午後からの2科目は記述式です。

以前も書いた通り、私は午後Ⅰは国語の問題だと認識しています(国語っつってもいろいろあるのは承知の上で)。IT関係の知識はまったく必要ありません。

問題文、前から読むか? 後から読むか?

診断士2次試験のようにB5で3ページ半ほどある与件文を読んで、設問に答えるというやつです。企業経営理論やマーケティングや生産管理に関する知見は要りません。ほぼ抜き出してくるだけです。
……と書くとめっちゃ簡単に思えますが、いざやってみるとどこから抜き出すのかが意外と迷うし難しいです。
そのために各種テキストや予備校が独自の解法を公開していますが、私が用いたのはTACのオールインワンで紹介された「三段跳び法」でした。

詳しくはオールインワン読んでもらえればと思いますが、要は設問文の中で重要なキーワードを見つけて、そのキーワードが書いてある与件文を特定し、そこから因果関係を辿っていく、という感じです。
設問文のうち、制約条件っぽい言葉、キーワードっぽい言葉をシャーペンでぐるっと囲み、与件文に戻ってその言葉をぐるっと囲み、その言葉を説明している箇所をまた探してぐるっと囲んでいく、みたいな感じです。
ST午後Ⅰでも診断士2次みたいに「設問から読む派」と「与件から読む派」が分かれていて、「三段跳び法」の場合は前者でした。

診断士2次試験も設問から読んでいたので、私には三段跳び法がしっくりきました。
なお、本記事のヘッダ画像は画像生成AIによる「三段跳びをするITストラテジスト」。

与件文の整理のためにマーカーとか使いたいところですが、ST試験では鉛筆・シャーペン以外使用できません。ただただ与件文は真っ黒になっていきます。あの日見渡した与件文を今も思い出すんだ。

なお、「与件から読む派」のやり方の一例は、みよちゃん先生のこちらの動画で解説されています。

勉強の仕方

過去問解いて解き方を試す→模範解答と比べて検証する→解き方の修正が必要なら修正する

ってやってました。めっちゃ普通ですね。
6割とればいい試験なので、普通にやればいいと思います。
たとえばこんな感じで、振り返ったときに考えたことを残してました(中身は参考程度)。

なぜか字を褒められたやつ

これ以降、見直しの際に、
(答案)だから、(設問)だった。
と通読して、意味が通るか確認するようになりました。
これ、自分の中では結構しっくりきていて、見直しの際に有用でした。

こんな感じで何年分か過去問やってみればコツがつかめると思います。

午後ⅠのTIPS

勉強を通じて得た気づきや戒めを列挙します。

課題と問題はSTの世界線では同じ

診断士試験の世界線で両者の違いに関する私服警官が多数いるこの件、STの世界線では同じです。

私の理解では、
・問題→今起こってるダメな状態(例:部屋が汚い)
・課題→理想の状態のためにやらなきゃいけないこと(例:部屋の美化)
です。

が、たとえばこれ。令和5年午後Ⅰ問1の設問2。
「[新しいポイント付与システム]について、A社は、新しいポイントシステムでどのような仕組み上の課題に対処しようとしたか。40字以内で答えよ。」
という設問に対し、公式の模範解答は、
「新サービスを獲得しても会員が期待するUXをタイムリーに提供できていない。」
です。これって問題やないかーい。

ってことでSTに関しては、課題と問題はほぼ同じ意味、「悪い状態」と捉えるのがよいと思います。

とどのつまりはタイムマネジメント

4つの設問のうち2問を選んで、その2問で90分です。
見直しの時間も加味して、練習のときは1問35分〜40分くらいで終わるようにしてました。

どの問題を選んでも基本的に難度の差はないはずですが、どうしても難しい問題にたまに出くわします。
「難しい!」と思ってから別の問題に乗り換え、ちゃんと乗り換えた先の問題に対処できる時間も考慮して、私は「設問1をやろうとして難しかったらまだ他の問題に乗り換える。それより後は諦めてその問で粘る」という方針にしました。

ちなみに、4問のうちどの2問を選ぶかですが、正直ぱっと見で難度はわからなかったので、時間節約のためにも深く考えないようにしていました。
過去問を通じてなんとなく問2がムズい印象があったので、本番は問1と問3を選びました。

題意は大事。制約条件は大事

診断士二次試験でいうところの「設問解釈」の簡易版をやってました。

たとえば令和5年午後Ⅰ問1の設問2で、
「[新しいポイント付与システム]について、A社は、新しいポイントシステムでどのような仕組み上の課題に対処しようとしたか。40字以内で答えよ。」
という問題。

「課題は何か?」ではなく「仕組み上の課題は何か?」なので、仕組みのことをちゃんと答えなきゃいけないよね、ということですね。
簡単だけどやってみると意外と見落としがち。

解答に句読点は(たぶん)要らん

これ、地味に迷いました。公式の解答例もあったりなかったりするし。。。で、受験仲間やら予備校やらの情報を集めて得た答えが、「どっちでもいい」でした。
私は「句読点はつけない」で統一しましたが、84点だったので減点されてないと思います。逆に、つけてて減点ってこともないと思います。

気の利いた編集も要らん

「多面的に書け!」「要素はたくさん詰め込め!」と診断士試験のときは散々言われますが、ST午後Ⅰはほぼ抜き出しです。
編集しなきゃいけない問題もたまにあったように思いますが、編集に時間かけてから模範解答見ても報われないことの方が多かったです。

字数はめっちゃ余るから心配するな

たとえば「40字以内で答えよ」という問題なら、9割にあたり36字くらい使うんかなと思うじゃないですか。ST午後Ⅰの場合、字数は不安になるほど余ります。

たとえば、令和5年問1の設問1は「40字以内で答えよ」で、公式模範解答は32字。8マスも空いてるとめっちゃ不安になりますが、過去問でもそういうことがままあります。慣れてください。

公式でも「なんでやねん」と言いたくなる模範解答はある(小声)

私は過去問解説の載った参考書は持ってなかったので、、、

一言一句同じじゃなくていいっぽい

試験対策中は公式の模範解答で自己採点されると思いますが、その際気になったのが「これ一言一句同じじゃないとダメなのかな?」でした。
答案の開示請求をしたところ、一言一句同じじゃなくてもある程度点数はくれてそうな感じでした。
詳細は有料部分にて。

謎にマーキングがない段落は要注意

見直しの際に気をつけることとして。
結果的に三段跳びのマークがつかないことはあるでしょうが、一応読み返すようにしてました。

本番答案(84点)と公式解答との比較

私が令和5年の試験本番で書いた答案(問1と問3)と、公式発表の解答を比較していきます。私は本番84点でした。設問ごとの配点・得点は黒塗りされてわかりませんが、おおまかな採点傾向はわかると思います。
なお、答案の開示請求についてはこちらの記事がわかりやすいです。実際にやったら1ヶ月弱かかりました。

一応実費がかかっているので、以降は有料記事とさせていただきます。すんまへん。

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