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IT経験を持たない中小企業診断修得者と、彼のITストラテジスト試験の年②

どうせ読んでも数人やろと思ってた前回の記事、思いのほかいろんな反応を頂けてありがたい限りです。はよ続き書けとの圧を感じたので早めに書かせていただきます。

この記事は、ITストラテジスト受験生のうち、非ITガチ勢かつ中小企業診断士の勉強をしたことがある人に向け、同じ境遇だった私個人の体験談を語るシリーズのうちの第2弾です。

  • イントロダクション①

  • イントロダクション②(今あなたが見てる記事です)

  • 午前Ⅰの対策

  • 午前Ⅱの対策

  • 午後Ⅰの対策

  • 午後Ⅱの対策

  • 開示請求した本番の午後Ⅰ&Ⅱの答案と振り返り

イントロダクション②ということで、前回書かなかった全般的な話を書いていきます。


独学か? 予備校行くか? 通信教育とるか?

私は独学でした。
なんで独学以外の選択肢を排除したのかはっきりと覚えてませんが、「あんまり選択肢がなかったから」というのと「いろいろご相談していた診断士兼ストラテジストの先輩も独学だったから」というの(と「根本的に吝嗇な男だから」)が理由だったように思います。
過去問に触れてみて「独学で何とかなりそう」という感想を持ったので、当初の方針のまま進んだ感じです。

試験を終えた現時点から振り返っても、午後Ⅰまでは正直独学で充分な気がしますが、ただ午後Ⅱの添削をプロに頼むのは全然アリだと思います。iTECとかみよちゃん先生とか。

午後Ⅱは論文式のため模範解答も発表されず、人によって題材はまちまちで、ふぞろいみたいな教材もない、何が正解なのかわからない……という中で、いろんな答案を見てきているであろうプロのアドバイスの価値は、診断士試験以上に高いと思います。
実際、私も今回受かってなかったらどっちかの添削サービスに申し込むつもりでした。

勉強期間・時間

勉強スケジュール

実質的な勉強期間は約3か月でした。
最初の方は簿記1級と並行してゆるゆるやってたので、本当にスイッチ入れてやったのは2月になってからの2か月半くらいでしょうか。

勉強の期間としては、まあ長すぎず短すぎず、こんなもんちゃうかなと思います。午前Ⅰ免除だったらもう少し短くてもよかったかも。
結局一番時間を要したのが午後Ⅱのネタ探しでした。じゃあ一般的にどれくらい時間を費やせば運命のネタに出会えるかは、何とも言えないところがあります。
「どれくらい勉強すれば合格できますか?」的なご質問の答えとしては、「診断士勉強したことある人やったら3か月でいけるんちゃいます?」ってところです。個人的見解。

なお、私の時系列としてはこんな感じ。

  • 2023/1/12 中小企業診断士2次筆記試験に落ちて厭世的な気分になる

  • 2023/1/14 AmazonでポチったTACのテキストが家に届く

  • 2023/1/22 診断士兼ITストラテジストの先輩にDMでご相談する

  • 2023/1/24 電子書籍で午後Ⅱのテキストを追加購入する

  • 2023/3/29 TAC模試を会場で受験する

  • 2023/4/16 ST試験本番。ぜってー午後Ⅱで落ちたと思ってSTを記憶から消し、心穏やかな日々を過ごす

  • 2023/6/29 合格発表。一応見たらなぜか受かってて、会社のトイレの個室でケツ丸出しのままガッツポーズする

勉強を開始するにあたり、まずはノー勉で過去問4科目やってみて、次のような感想を持ちました。1月20日くらいのことです。

  • 午前Ⅰ(R4秋)得点率53%(60%で合格) ITパスや診断士1次情シスの遺産で一部わかるけど全体的にわからんわー。こりゃ勉強せなあかんわー。

  • 午前Ⅱ(R4春)得点率80%(60%で合格) んー、これは診断士の勉強の貯金で行けそうやな?

  • 午後Ⅰ(R4春)(記述式のため自己採点不可) こりゃ国語やな。やってみると意外にムズい。2次試験っぽくやるとうまくいかない? 与件文が長くて時間配分が難しそう。

  • 午後Ⅱ(R4春)難しすぎて書けなあああああい!!!(ハズキルーペの渡辺謙風に)

この結果を受けて、私の中の勉強の優先順位は、午後Ⅱ>午前Ⅰ>午後Ⅰ>>>午前Ⅱとなりました。

ちなみに、過去問と模範解答(午後Ⅱ以外)は公式HPから見られます。コロナでスケジュール狂ってますが、R3年以降は春、R元年以前は秋の実施です(R2年は実施なし)。

勉強時間

合計何時間やったかについては、測ってないのでわかりません。すみません。
(StudyPlusとか全然続けられない怠惰な男)

各科目具体的に何やってたかはそれぞれのパートで述べるとして、2月頭~4月上旬はだいたい平日夜に午前Ⅰか午後Ⅰ、休日に午後Ⅱのネタ探し・論文の練習をやりました。
平日夜に2時間確保して午後Ⅱの論文書くのはさすがにね……。

課金したもの

テキスト・問題集

受験生仲間、STの先輩に伺って、皆さんこれ使ってそうだったので。
オールインワンは午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱをカバーしてますが、私は午後Ⅰで主に使いました。

いきなり午後Ⅱの論文を書くのってかなりハードル高いと思います。
このテキストを前から順番に読んで、途中にあるワークを従順にやっていけば、ある程度そのハードルは解消できるかなと思います。
詳しくは午後Ⅱ編にて。

ITパスポートのとき大変お世話になったキタミ式。めちゃわかりやすいし、何よりかわいい。ただこれ信じられないくらい分厚い。押し花できそう。
今回は買ったけど使いませんでした。その詳細は午前Ⅰ編にて。

TAC模試

大阪会場で受験しました。
STの模試ってTACとiTECしかやってないと思うんですけど、iTECも自宅受験だけのはずなので、会場で受けようとするとTACしか選択肢がありませんでした(TACも実施会場少なかったような……会場の受験生も少なかったですし)。

ITストラテジスト試験は診断士試験と同じく長丁場です。午前Ⅰから受けると9時30分から16時30分までかかります。
特に、疲れてきた夕方に大ボスである午後Ⅱ(2時間で3,000文字くらい手書きしないといけない)が待ち構えていることを考えると、なるべく本番に近い環境で、休み時間の過ごし方を含めていろいろ試しておくことを強くおすすめします。
ちなみに私は、昼休みにおにぎり2個食ったら午後Ⅰで眠気を感じたので、本番ではおにぎり1個に減らすことにしました。そういう感じの調整。

採点はちょっとよくわからない感じ(というか午後Ⅱの採点難しそう)でしたが、体感することが何より大事。

必要なもの・あると便利なもの

文房具

午前の2科目はマークシートだし、午後Ⅰは書く分量もそんなありませんが、午後Ⅱからとんでもない文字数を一気に書くことになります。やっぱりシャーペンは自分に合ったものを用意した方がいいと思います。

私は持って重たいペンや握るところが芋虫みたいになってるペンが苦手なので、こちらの鉛筆シャープ0.5mmを診断士2次試験に続いて使用しました。ヨドバシカメラ梅田の文房具売り場で安くで買えたし、軽くて細くて硬くて好き♡

なお、ITストラテジスト試験では、診断士2次試験みたいに蛍光ペンやマーカーは使えません。
(机上に出していいものとして、黒鉛筆orシャーペン以外の筆記具は認められていない)
ほんとは午後Ⅰとかでマーカー使えたらいいんですけどね、、、

Googleドキュメント

別にGoogleドキュメントじゃなくてもいいと思いますが、デジタルな形で午後Ⅱの論文を編集・保存できるものがあるとよいと思います。がっつり編集するときはPCでやって、ふと思いついたときにスマホで見直したり修正できたりするといい感じ。
詳しくは午後Ⅱ編で書きますが、2時間で3,000文字を手で書く練習は必須として、それとは別で論文自体をブラッシュアップしていく過程は、紙でやるよりデータでやった方が効率いいと思います。切ったり貼ったりしまくりますし。
(私は紙に書いた論文を、見直しがてらキーボードで打ち込んでた)

私は勉強仲間と論文の相互レビュー(後述)も行っていたので、Googleドキュメントの共有機能・コメント機能が大変便利でした。

勉強仲間(午後Ⅱの論文を読んでくれる人)

診断士2次試験には答案を相互にレビューし合う勉強会という文化がありますが、午後Ⅱの論文も他人の客観的な目で読んでもらうのが大事だと思います。
私もなるべくそういう機会を作るようにしてました。
たとえば、受験仲間の方が開催してくださったtwitterのスペースで過去問の互いの論文をレビューしたり、相互フォローの方にお声がけして過去問の相互レビューしたりとか、そういう感じです。
私自身、自分じゃわからない欠点を指摘してもらって、とても勉強になりました。また、人の書く論文に指摘を行うことで、その内容が自らの戒めにもなり、さらに自分の論文を改善していくことができました。

論文に限らず試験全般の細かい情報交換もできましたし、何よりモチベアップにもなります。
SNS等活用して早めに勉強仲間見つけてください。

なお、私はネット弁慶なので上記のようなムーブができましたが、一匹狼さんは採点サービス等の活用も検討すればいいと思います。

ITに詳しい知人

いや、何をアホなことを言うてんねんと思われるかもしれませんが、非ITガチ勢の我々には、ITガチ勢の知見が必要になるタイミングが必ず来ます。

具体的には午後Ⅱです。
公式HPで公開されてませんが、解答用紙には論述用のマス目以外に、「論述の対象とする構想、計画策定、システム開発などの概要」というページがあります(さっきご紹介した午後Ⅱのテキストには載ってます)。
ここには論文のネタとなる会社の業種や人数規模なんかを書くんですが、その中に、
・システムの形態と規模(クライアントサーバシステム or Webシステムとか、サーバとクライアントの台数とか)
・総工数(人月)
・総額(百万円)
という項目があります。適当に書けばいいというものではもちろんなく、論文の内容と整合させなければなりません。

……これ、自力で書けます?
私はもちろん全然書けませんでした。
いや、1人月いくらとか知らんし、サーバ1台いくらとか知らんし、書こうとしてるシステムにサーバ何台要るのかわからんし……。

そんなとき、勉強仲間のITガチ勢の方に相談に乗っていただきました。サーバ1台1億円とか、1人月1百万円とか、餃子1日百万個とか、そういうだいたいの相場を教えてもらいました(あくまで当時の試験対策上の話、実際それくらいなんかどうかは知らん)。
そのあたりを相談できる、実務を知っている方を何とか見つけるのが大事だと思います。SNSでつながってる人や、友人知人、職場の情シス部門の人とか。

なお、このあたりは私に質問されても答えられませんので、あらかじめお断りしておきます。ごめんなさい。

何からやればいいのか?

まずは過去問やりなはれ。

次回は、非ITガチ勢にとって実は鬼門の午前Ⅰについて書きます。

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