短編!地味謎ミステリのススメ!

今回私がおすすめするのは

短編地味系ミステリです。

長編壮大系なミステリ小説は読むの疲れちゃうよー!

という方、おまたせしました。

ミステリと言えば、長編壮大系、映画になっちゃうよ系な

イメージがあるんですが、

そうじゃないのもあったよ!!という

ご報告しにきました。

長編壮大系ミステリーは

たいがい、事件から始まります。

大掛かりな仕掛けをしたり、

伏線を隠したりするためにも、

話はある程度の長さが必要でしょう。

犯人を隠すためには、

多くの登場人物に

怪しい行動をさせる必要もある。

長さがあるから、一気に読まずに

少しずつ読んでたら、もう何回

あれ、こいつ誰だっけ?と

何度も前のページを読み返すはめになります。

面白い!華麗な伏線回収でスッキリ!の

代償に

はちゃめちゃに疲れる。

さくっと読んで、スッキリ感だけ味わえる

いいとこ取りミステリが

地味系短編ミステリなのです。

生まれてから現在までの25年間に読んだもので、

面白すぎてまだ覚えちゃっているものを紹介するので、

紹介できるものが、2作しかありません。

だいぶ厳選されているはずです。

では一作目。

『夏季限定トロピカルパフェ事件』著 米澤穂信

米澤穂信先生の小市民シリーズの2作目です。

しかし、今回はピンポイントなので、

シリーズの紹介なんてしません。

しかも、この本がおすすめというわけではなく、

この中の短編を激推しさせてほしい。

「シャルロットはぼくだけのもの」という短編。

登場人物の名前もうろ覚えなので省きますが、

あらすじはこうです。

女の子がケーキを買ってくるように男の子に頼み、
男の子は女の子の家にそれを届けた。
女の子が席を外している間に、
ケーキをひとつ食べていいといわれて、
男の子はケーキを食べると、
そのケーキがあまりにもおいしすぎたために、
もう一つ食べて、売り切れていたことにしようと
思いつく。
男の子は女の子が戻ってくる間に、
本来もともとあったケーキの数がバレないように画策するが、女の子は見事にそれを暴く。

事件は特に起きていませんが、

なぜか最後に華麗な謎解きを楽しめます!

登場人物は二人だけで読みやすいのなんの。

男の子側の語りで進行するので、

男の子の小細工なんかも、すべて読み手が把握できます。

全然バレる理由なんて見つからないのに

最後女の子にすべてバレるんですよ。なぜか。

ばれるかばれないか、心臓ばくばくの男の子側の

スリルを楽しみながら読んでください!

では2作目、

『九マイルは遠すぎる』著 ハリイ・ケメルマン

これは、ミステリ業界では知らない人はいないくらいの

有名作品らしいです。

にわかミステリファンの私は、知らなかったけど。

安楽椅子探偵ジャンルの代表らしいです。出典wiki

安楽椅子探偵っていうのは

現場に行かずに話聞いただけで、

事件解決しちゃうタイプの探偵もののことを言います。

コナンくんとは違うタイプですね。

これ一冊に何個か短編が収録されているけれど、

やっぱり九マイルは遠すぎるが一番面白いと思いました!

わたしの理解が正しければ、

この話のおおすじはこうです。

大学教授が
「短めの文章を適当にゆってくれたら、それに論理的な推論を導き出して見せよう」といいだし
元大学教授は、さっき小耳に挟んだ、
「九マイル歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ」という文章を提示します。
大学教授はこの文章からわかることを羅列していきます。

この短い文章から、さまざまなことがわかっていく様が

わくわくするので、そこを楽しんでほしいです。

それはともかく、教授同士の遊びがこんなだったら

ちょっと引いちゃいますよね。

ちなみに、これのオマージュ?で、

米澤穂信先生は『心当たりのあるのもは』

という短編を書いています。

これは校内放送からわかることを推理していると、

思いがけない方向に話が展開するという、

似た構成の話です。こっちも面白いです。

あれ?わたしただの米澤作品オタクかもしれない。

終わります。

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