FOMCについて(2021/11)
11/2-3に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)において、FRB(連邦準備理事会)は市場の予想通り、テーパリングを発表しました。
政策金利(FFレート)に変更はありません。
FRBはCOVID-19パンデミックにより停滞した経済を回すために、市場に現金をばらまいていました。具体的には、米国債を毎月800億ドル、米住宅ローン担保証券を毎月400億ドル購入していました。
11月からこの資産購入の減額(=テーパリング)が始まります。
米国債の購入額を毎月100億ドル、米住宅ローン担保証券の購入額を毎月50億ドル減額します。(COVID-19により経済が急激に悪化するようなことがない限り)
つまり、2022年の6月には市場へのばらまきは"0"になります。
テーパリングの次は、利上げが待っています。
利上げとは、FFレートを引き上げることを指します。
現在のFFレートは0.00~0.25%です。
パウエル議長は、テーパリングの開始は間接的に利上げの開始をシグナルするものではないと明言しています。
利上げの開始にはより厳しいストレステストを実施し、それをクリアする必要があると考えています。
CME FedWatch Tool は30日物FF先物の価格データを基に、FOMCでの政策金利変更確率を表示するツールです。
確率が70%を超えると、信頼性が高いと言われています。
これによると、2022年中には政策金利が1~2回引き上げられるのではないかと市場参加者が予想していることがわかります。
FOMC後の会見では、「市場は来年1~2回の利上げを行うと予想していますが、どうですか?」という質問に対して、パウエル議長は以下のように答えています。
「今回の会合の焦点は、利上げではなくテーパリングであった。我々は今、利上げの開始時期ではないと考えている。雇用の面でも、労働参加率の面でも、雇用の最大化を達成するにはまだ課題が残っている。現在のペースで雇用が回復していけば、来年下半期までに雇用の最大化を達成する可能性はある。」
最後に、デルタ株が猛威を振るった影響でアメリカの経済は一時スローダウンしましたが、現在Covid新規感染者数は減少してきています。
このまま感染者数が減少していけば、雇用は戻ってくると思われます。
来年の下半期には、利上げが実施されることを想定しておいたほうが良いと思われます。
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