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良い決算とは?決算を見るときのポイントを解説します!【例外についても】

投資を始めたばかりの方は、「決算のチェックの仕方がわからない…どこを見ればいいの?」という方が多いと思います。

私もそうでした。

株式投資、特に、グロース株投資において四半期ごとの決算確認はとても重要です。

最低限チェックが必要な項目は、覚えれば簡単なので、ぜひマスターしてください。

グロース株は「良い決算」を出し続ける限り、保有し続けてOKです。

悪い決算を出した瞬間に売ってください。

良い決算を出し続ける優等生銘柄は、テンバガーの有力候補です。

広瀬さん(じっちゃま@hirosetakao)直伝の「良い決算」の条件は以下になります。

1. 売上高がコンセンサス予想を上回る
2. EPSがコンセンサス予想を上回る
3. ガイダンスがコンセンサス予想を上回る

予想を上回ると記載しましたが、予想と一致した場合もOKと判断してよいです。

今回の記事の要約は以下になります。

・決算とは企業の成績表であり、優等生を見極めて手放さないためにチェックする
・良い決算とは「売上高」「EPS」「ガイダンス」が市場予想を上回ること
 ⇒注目の優等生銘柄を紹介
・悪い決算は「売り」だが、例外もあるので内容を精査する必要がある

気になったという方は、最後まで読んでいただけると幸いです。

そもそも決算とは?~決算をチェックする目的を解説

決算とは3か月ごとの業績をまとめたものです。
上場企業はこれを1年間に4回発表する義務があります。(日本やアメリカの場合)

株式投資において決算を確認することはとても大切なことです。

ただし、バリュー株投資とグロース株投資では、決算の解釈の仕方が異なります。

ここでは、グロース株投資の話をします。

グロース株投資においては、四半期ごとの決算が「売買判断」の指標になります。

グロース株には未熟な企業が多く、赤字経営となっている会社が多いです。
そんな赤字を出している企業の株を買うのは怖いですよね。
そこで、その会社の株を買ってよいのか判断する材料になるのが決算です。

グロース株はその名の通り成長している企業なので、将来的にテンバガーになる可能性を秘めています。

どういう銘柄がテンバガーになり得るのかというと、良い決算を出し続けることができる企業です。

良い決算の条件は、「売上高」「EPS」「ガイダンス」がコンセンサス予想を上回ることです。

コンセンサス予想とは、その企業を研究している各証券会社のアナリストが出す予想の平均値です。

アナリスト一人ひとりの予想はあてになりませんが、その平均値は市場予想となり、重要な意味を帯びます。

その企業を分析するアナリストの数は、企業ごとに全然違います。
より多くのアナリスト予想を集計しているサイトから情報収集するのがベターです。

グロース株投資の鉄則は、決算が良ければ『買い』、悪ければ『売り』です。

決算がコンセンサス予想をクリアし続ける限り、その株は保有しつづけること。

短期的な株価の上げ下げに惑わされないこと。

良い決算を出し続ける会社は、上下を繰り返しながら、テンバガーになる可能性があります。

良い決算を出し続けることはとても難しく、テンバガーになる株はほんの一握りです。

これはアップルのチャートです。

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画面の都合上2001年からの株価しか示すことができませんが、アップルの株価は2001年から現在までに約400倍になっています。

その途中では上げ下げを何度も繰り返していますが、保有し続けることが大事であったことがわかります。

つまり、短期的な株価の上げ下げに惑わされないために、決算を確認するのです。

良い決算の条件とは?~必ずチェックすべきポイントを解説

これまでに決算を確認する目的を解説してきました。

では、良い決算の条件は何なのか。

記事の冒頭でも説明しましたが、良い決算の条件は以下になります。

1. 売上高がコンセンサス予想を上回る
2. EPSがコンセンサス予想を上回る
3. ガイダンスがコンセンサス予想を上回る

私の決算分析記事を読んでいただくとわかりますが、「予想を上回る=Beat」、「予想と一致=Met」、「予想を下回る=Missed」と表現します。

上記の良い決算の条件では、予想を上回ることが良い条件と記載していますが、一致した場合もOKと判断してよいです。

ここで重要なポイントですが、四半期ごとの決算では、「Non-GAAP」や「Adjusted」などと記載された数値をチェックするようにしてください。

それがなければ、会社が発表している「GAAP」の数値をそのまま使用してください。

「GAAP」とはアメリカの会計原則のことです。
このGAAPには、ストックオプション費用など、アナリストが予想できないものが含まれます。

そういった特殊要因を排除した数値とコンセンサス予想を比較しないと意味がないので、「Non-GAAP」を確認するようにしてください。

話は脱線しますが、1年に一回、年次報告書を確認することも大事です。
その際は、GAAPの数値を確認すればOKです。

では、なぜ悪い決算を出したら売らないといけないのでしょうか?

悪い決算を出す理由は、2つ考えられます。

1.経営陣が良くない
2.環境の悪化

2つ目の環境が悪化していた場合、企業がどれだけ努力しても、それには限界があります。

環境の悪化とは、例えば、政策によりその分野に対する規制が厳しくなるとか、強力なライバルが登場するなどです。

つまり、悪い決算を一度出した会社は、その後も悪い決算を出し続ける危険性があるのです。

グロース株はその成長に期待を込めて、かなり割高な価格で取引されています。

悪い決算を出すと、その期待値の分だけ株価は急落することになります。

そのため、悪い決算を出した銘柄はすぐに処分するようにしてください。

ちなみに、一度悪い決算を出した会社でも、その後2回以上続けて良い決算を出せるようになれば、再度その銘柄を買ってよいそうです。

良い決算を出し続ける優等生銘柄に投資して、一緒にテンバガーを手にしましょう!

2021年5月16日現在、注目している優等生銘柄は以下です。

アップル(AAPL)
マイクロソフト(MSFT)
アマゾン(AMZN)
アルファベット(GOOG)
フェイスブック(FB)
ズーム・ビデオ(ZM)
オクタ(OKTA)
クラウドストライク(CRWD)
ドキュサイン(DOCU)
ユニティ・テクノロジーズ(U)
ズームインフォ(ZI)
エヌシーノ(NCNO)

良い決算の条件をクリアできていなくてもOK?~例外について事例紹介

これまでに「悪い決算は売り」と説明してきましたが、必ずしもそうとは限りません。

アナリストが予想できない特殊要因により、コンセンサス予想を下回ることがあります。

そういった場合は決算の内容を精査する必要があります。

わかりやすい時は、コンセンサス予想と数値が大きく異なっているので、それで何かがおかしいことに気づけます。

ちなみにですが、予想を大きく上回っていた場合も特殊要因が発生している可能性があるので、内容を吟味してください。

例外のケースについては難易度が高く、私もまだ勉強中なのですが、いくつか具体例とともに説明します。

◆GAAPの数値しか発表されず特殊要因が排除されていないケース

アファームの2021年第3四半期の決算を例に説明します。

発表された決算の内容は以下になります。

売上高:$230.7 million vs コンセンサス予想 (7):$198.21 million ⇒ Beat
EPS:$ (1.06) vs コンセンサス予想 (7):$ (0.29) ⇒ Missed

プレスリリースを読むと以下の記載がありました。

Net loss for the third quarter of fiscal 2021 was $247.2 million compared to $85.6 million in the third quarter of fiscal 2020, and includes the increase in stock-based compensation following the IPO as well as a $78.5 million adjustment to reflect the change in fair value of the contingent consideration liability associated with our acquisition of PayBright Inc., driven by changes in the value of our common stock
(出典:アファーム プレスリリース)

太字で示した部分が特殊要因になります。

ストックオプション費用の増加などが純利益に含まれるという記載があり、この部分はアナリストが予想できないことです。

こういった場合は、コンセンサス予想と比較できません。

そのため、「EPS」が予想を下回ったから「売り」と判断するのではなく、残りの「売上高」と「ガイダンス」を手掛かりに売買の判断をします。

◆ガイダンス売上高は予想を上回るが、EPSは予想を下回るケース

これについてはいろんなパターンがありますが、本当に悪い決算という場合もあります。

例外のケースについては、オクタとエヌシーノの決算を例に説明します。

まずは、オクタの2021年第4四半期の決算です。

発表されたガイダンスは以下です。

Q1/2022
売上高:$237 – $239 million vs コンセンサス予想:$237.29 million ⇒ Beat
EPS:$ (0.21) – $ (0.20) vs コンセンサス予想:$ (0.07) ⇒ Missed

FY2022
売上高:$1.08 – $1.09 billion vs コンセンサス予想:$1.07 billion ⇒ Beat
EPS:$ (0.49) – $ (0.44) vs コンセンサス予想:$0.01 ⇒ Missed

これについては、広瀬さんが以下のようにYouTubeLiveで説明されています。

オクタのガイダンスが悪かったのは、ものすごくブレーキを踏んで、わざと低めに出しているから。65億ドルの大きな買収なので、これから統合経費などが出てくるし、いま思いっきり営業に力を入れて大きくなった新会社としてバーンと行こうとしているから。
(出典:広瀬さんYouTube (2021/3/5) 『雇用統計について』)

この場合は、「売り」ではなく「買い」と判断されていました。

次にエヌシーノの2021年第4四半期の決算です。

発表されたガイダンスは以下になります。

FY2022
売上高:$253 – 255 million vs コンセンサス予想:$247.34 million ⇒ Beat
EPS:$ (0.26) – (0.24) vs コンセンサス予想:$ (0.19) ⇒ Missed

これについては、広瀬さんが以下のようにTweetされています。

「エヌシーノ、中身良いです!」
「新規受注がすごい。」
「それが直ぐ売上高に立つわけではありません。」
「22年度EPSガイダンス低いのは無視して!」
「日本の金融機関向けネットセミナー、1100人もの参加者があったみたい。この手の専門性の高いイベントとしては大成功。」
(出典:じっちゃまTweet _2021/4/1)

以上、紹介した3つの例のように、単純にコンセンサス予想と比較するのではなく、しっかりと決算の中身を精査することで、予想を下回っても無視してよいと判断できるようです。

正直、このあたりの判断は難しいですね。

ですが、自分で判断できるようになりたいところです。

一緒にレベルアップしていきましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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