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アドバイスされるのが苦手だった

 アドバイスをされるのが苦手だった。
 
 まだ挑戦をしてもいないうちから
 「こうした方がいいよ」
と、注文をつけてくる自称経験者に、うんざりしていた。

 自分で挑戦をしてみて、自分がこれだと思った方法を試して、自分で失敗がしたい。あなたの手柄にはしたくない。
 抜けきらない自己中心性。アドバイスが苦であることの根っこある、不純なもの。

 教員になりたての頃、先輩の先生から、アドバイスを貰った。
 「教室のルールは決めておいた方がいいよ。私語禁止、とか」

 ふん、ルールで支配するというのは、法家の考えで、そんなものは、邪道だ。とくで感化し、導いてこそ、本物の教師だ。と、青臭い考えを抱いていた。教育実習の余熱で調子づいていたのもあった。アドバイスは、無視した。

 半年後、教室はカオスになっていた。

 アドバイスをされるのは、今でも苦手。だけど、苦々しくも、そういうもんか、と承知する。

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