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ミスコミュニケーションを防ぐ質問って?

noteはじめました。

4年半ほど勤めたWeb系の会社を退職してから、自分が考えたことをアウトプットする機会が少なくなってしまったのが悲しくて、日々考えてることをまとめておくためにも文章にしておこうと思います。

先日あったこと。


先日、ちょっと用事があって西葛西に行ったので、せっかくだからいい感じのミックススパイスでも買って帰るか〜と思ってインド食材の専門店へ行ってみた。(西葛西は江戸川インド人街で有名。有吉が名誉アンバサダーになったらしい!)
いざ店の中へ入ってみたはいいけども、商品のパッケージを見てもなんて書いてあるのか分かるはずもなく…早々に諦めて店員さんに聞くことに。

「ミックススパイスってどこにありますか?」

店員さん(おそらく現地の方。以下、店)「ミックススパイスだとー、これか、これか、これー」

同じようなスパイスの中から3つ、ピックアップしてくれたけど、正直パッケージの色の違いくらいしか判別できない。

「んー。これってどう違うんですか?」

「(おもむろにパッケージを裏返して)ここに、入ってるスパイスが書いてアリマス」

「🙂(味は・・・?!)」

確かに、パッケージ裏に貼ってあるシールには原材料など日本語で表記されている…が、世の中の殆どの人は、スパイスの名前だけ見て味を想像することは難しいんじゃなかろうか。
少なくとも私は分からない。

店員さんがあんまり日本語が上手って感じじゃなさそうだったのと、スパイスがお手頃価格だったこともあって、その日は結局まぁいいかと思って適当にその中の2つを購入して店を出た。

帰りの電車で、あの返し、ちょっと面白かったな〜笑っちゃいそうだったわ〜帰ったら夫にも教えてあげよ〜なんて考えてたところで、ふと気づく。

よくよく考えたら、返答として、別に間違ってはなくない?

Q. この3つのミックススパイスの違いは何?
A. 配合されているスパイスが違います。その詳細はここに書いてあります。

間違ってない。間違ってはいないけど、私が聞きたかったのはそれじゃない感がすごい。

私は何を聞きたかったのか?

では、改めて質問の意図を分解して、もっと具体的にしてみよう。

 >「これってどう違うんですか?」

・ これ:ピックアップしてもらった3種類のミックススパイス
・ どう:どのように 味(辛さ)/匂い/色 など
・ 違う:3種類を比較して異なっている点、違いの程度

加えて、その時の私の感情、状況などのメタ情報もあげてみる。

・ あんまり辛いのは食べられないかも〜
・ エビが好き、エビカレーにしようかな
・ ココナッツミルク入れたバージョンも作りたいなぁ

うん。情報が多い!

ミスコミュニケーションの要因は、大体が情報不足

思うに、双方の開示する情報が意図の要件に足りていない時に、ミスコミュニケーションが起きやすい気がする。

前職の時を思い返してみても、「なんかこの人と話が噛み合わないなぁ。ちゃんと理解してんのかな?」と感じる相手は、普段から質問に対する答えが断片的な傾向があった。
1つ1つ確認していくので質問数も多くなるし、やりとりの時間が長なって、ようやく安心できた頃にはなんだかすごく疲れてる、なんて時も。
逆に、自分が回答する側の時は「なんでそれもっと早く言ってくれないの?そんなん知らないけど!」とプンスコしてた思い出。。。

質問した側は”それくらい考えたら分かるでしょ”と思っているし、
答える側は”そんなん言ってくれなきゃ分からない”と思っている。
実に不毛なやりとりである。

じゃあ、どうしたら良かったのか?


前置きが長くなってしまったが、結論どうしたら自分の欲しい情報が得られたのか、先のインド人(推定)の彼とのやりとりで考えてみる。

あの時、
「この中で、一番辛くないのってどれですか?」
あるいは
「エビカレーに合うのってどれですか?」
なんて尋ね方をしていれば、彼の答えも全然違ったものになっていただろう。

それは何故か?
答えの1つとして、思考の範囲が限定されるからだと言える。

誰かに聞かれた質問内容が曖昧で、数ある選択肢の中で最適な回答を求められるとき、私たちはまず「この人は何を聞きたいんだろう?」と考える必要がある。
相手の言動から察する能力が飛び抜けて高いメンタリストみたいな人とか、質問者がごく親しい人物で既にたくさんの情報を持っている場合は別として、どれだけ考えてもベストな回答ができる保証はないし、暫定解として、なんとなく前後の文脈などから当たりをつけて返答する人も多いだろう。ある意味、博打みたいなものである。
その時、回答者の性質によっては「聞かれた事に対して間違ってはいないであろう最低限の情報を開示する」方法をとる。
コレが質問の答えが断片的になるロジックなのかなと想像した。

そこで、質問内容を掘り下げて、上の例にあげた「辛さ」「エビとの相性」など何かしらの指標や選択肢を与える事により、回答者はその観点だけを考えれば良くなるので、もう一段階踏み込んだ情報を得ることができるはずである。

ただ、質問内容を具体化すればするほど、それに比例して回答の範囲も狭まってくるので、注意が必要だなとも思う。
質問内容は具体的で答えやすいが本質的ではない質問ばかりしてしまうと、「結局この人は何が聞きたかったんだ?」なんて思われかねない。それは嫌だ…!
まず大事にしたいのは、”自分が本当に知りたい情報は何なのか”を整理すること。

いい質問ができる人は本当に頭のいい人だなと感じるし、自分もそうなれるように、人に何かを尋ねる時はちゃんと考えてから質問しようと反省した一件だった。

P.S.
買ったスパイスは頂いたお土産のお返しとして人に渡してしまったので、味は確認できずじまいで終わった。
また買いに行こー。


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