ホテル療養3日目

マットレスの質が良いお陰か、このところぐっすり眠れている。
日付が変わる頃に寝て、朝7時に叩き起こされる。なのにすっきり目覚めている。快眠だ。今日は心なしか喉の調子もいい。痛いのは痛いので龍角散が手放せないが、それにしたって快復の感触があるのは良い。

3日目にもなると、道具の不足が目立ってくる。何より痛いのは洗濯機だ。一応洗剤は頼めば貰えるらしいが、どのみち手洗いになる。干す場所もないので、乾燥にもひと苦労である。
爪切りもない。どんどん爪が鋭く伸びていき、このままでは切れ味抜群の刃になってしまう。ウルヴァリンだ。ホテル療養をしているとウルヴァリンになるのだ。きっと退室日になったらX-MENが迎えに来るのだろう。楽しみだ。だけど俺はアベンジャーズの方が好きだ。アメコミ組織という括りで言えば、シニスターシックスの方がもっと好きだ。

もうひとつ気付いたことがある。洗面所の鏡が縦に長すぎて、おしっこする時にちんちんとおしっこの両方が鏡に映る。呆けた面した自分がおしっこしている場面を見るのは、なんとなく凹むし惨めになる。
しかし俺はおしっこの出が悪いので、座ってするわけにはいかない。そもそも男の尿道は立ってする前提の構造になっているのだ。だから俺は立つ。
しかし立つと、俺のおしっこの全てが鏡に写し出される。この葛藤を抱えて俺は生きている。

全く関係ないが、センター分けの男はここぞの場面で頼りにならんと思う。

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