冬ごもりの家(1)
冬のにおいがする。
木々の葉がみんな落ちて、ストーブをたくようになり、表に出ると刺すような寒さがやってくると感じるにおい。
ぼくは「サジ」。
「匙」ではなく「佐治」。
もし「匙」だったら料理が得意だったかもしれない。
料理は、全然得意じゃない。
(食べられればいいや)という感じで、毎食、野菜炒めと缶詰でも大丈夫。
今は、毎日、薪割に精を出している。
冬ごもりに薪貯金は絶対必要だから。
もうすぐ、オーストラリアから友達もやってくる。
ぼくたち二人は、毎年いっしょに冬ごもりをする。
つづく