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紙で遊ぶ 夜の庭(1)

「だれかこの棘を抜いてくれないかしら。」花は思いました。棘でびっしり覆われているうえに、昼間は寝てしまい、夜になるとぱっちり目が覚めるのです。そんなわけで独りぼっちのことが多いのでした。「せめて棘がなければお友達もできるのに。花はふうわりとやさしいもの。私はそんなふうに世界と関わりたいのに。」(つづく)

夜の花