ミュージカル「マリー・アントワネット」を観た

考えてみたら、コロナ禍になってから初めてのクンツェ&リーヴァイのミュージカルを観劇。去年、中止になった「エリザベート」も近い将来観れたらいいな。

花總まりさんのマリー・アントワネットが素晴らしかった。今後、日本にこの人ほど高貴な役がぴったりあう舞台女優さんが誕生するのだろうか、と思うくらい「王妃」だった。断頭台に向かう姿が美しくて泣いた。笹本玲奈さんの方が、胸に迫るシーンもあったりするのだけど、私が舞台芸術との出会いが雪組トップ娘役の花總まりさんから始まっていることもあり、ついつい思い入れを持って観てしまう部分がある。

笹本さんも花總さんも2幕は涙なしには観れない。前回よりも、白髪になってからラストにかけてが鬼気迫るものがあった。周りの人も泣いてた。

フェルセンの田代万里生さんの「遠い稲妻」が大好きで。声質とこの曲が素晴らしくあっている気がする。再び聞けてよかった。

ルイ16世のソロ、ランバル公爵夫人のソロは胸にひたひたと伝わってくる。

また、バスティーユのところから「正義」が揺らいで行く感じが表象し、裁判のシーンでマルグリットの中の「正義」は明確に揺らぐのだけれど、ラスト観客に委ねられる。それが現在の過剰報道、SNSでのデマなどとも重なり、すごく身近に感じる。

大学生の頃、30代40代の女性一人客が平日マチネ公演の帝劇のミュージカルなどで号泣しているのを、寂しい人なのかな、とか大変失礼なことを思っていたけれど、今はそれがすごく贅沢で幸せなことだと実感できる。今日の観劇はとっても豊かな時間だった。

大好きなミュージカルを観るために、私は馬車馬のように働いているのかもしれないな、とも思う。好きなものに触れる時間は大切。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?