5/5無観客配信公演終了

演奏家集団「石塚組」の定例公演として予定していた5/5の公演、無観客配信公演として終了しました。おかげさまで当日のリアルタイムでも公演後のアーカイヴ配信でも多くの方にご覧いただくことが出来ました。応援チケットやクラウドファンディングの申し込みも多数いただき、そのお気持ちの一つ一つが本当に嬉しい印象に残る公演となりました。
公演のアーカイヴは以下からご覧になれます。当初の予定では生配信は1カメラの固定のはずだったのですがカメラマンの平舘平さんが撮影からスイッチング、配信まですべて一人でこなす神業で中継の映像からカメラワークを加えた形にしてくれました。現在さらに編集を施したディレクターズカット版の作成とDVD化へ向けて作業を行っていますのでそちらもどうぞご期待ください。
演奏家集団「石塚組」定例公演～オペラハイライト特集～【昼の部】
演奏家集団「石塚組」定例公演～オペラハイライト特集～【夜の部】

本番を間近に控えた4月23日に出された緊急事態制限は客席定数の制限で開催できた前回に比べてかなり厳しいイベント開催規制が加わり、都の要請は「原則無観客での開催」という事で、発表が金曜日の夜だったことや「原則」の取り扱い含めてよくわからない点の多い発表だったこともありイベント業界は大混乱に陥りました。多くのイベントが週末のうちに開催延期や中止を発表し、プロ野球までもがこの要請を受けて無観客を決断する中で、正直「三度目の延期」という事も覚悟しなければなりませんでした。
しかし週が明けて会場の伝承ホールから「(原則)無観客での開催に限って施設使用を認める」との知らせが入り、この企画がもともと収録を目的として動いていたこともあってなんとか「無観客配信による開催」という形をとることが出来ました。無観客という事はその時点で売れていた150枚以上のチケットを払い戻さなければならないことや施設使用料の減免はない(むしろ配信を追加したことで経費は増える)中で、収支のことを考えれば「延期」と言う方がダメージは少ないのはわかっていましたが、多くの出演者、スタッフが関わるこの公演はこれまで二回の延期を経る中で、毎回どうしてもスケジュールが合わなくて参加できなくなってしまうメンバーがいる事態を乗り越えてきました。また当初の公演から参加していたメンバーにとっては既に1年以上も稽古を重ねてきたこの舞台を形にしたいという想いを優先した無観客の決断でした。
しかし配信になったことで、本来は渋谷まで観に行くのはちょっと難しいという遠方の方や様々な理由で外出を控えている方にもリアルタイムでご覧いただくことが出来ました。さらに多くのチケット購入済みのお客様から払い戻しを辞退するお申し出をを受けるとともに、無観客に伴い設定した応援チケットやもともと行っていた収録のためのクラウドファンディングにも多くの申し込みをいただき、本当に多くの方に支えられているのを実感した公演となりました。

コロナ禍以降、演奏家は本当に多くの方々の支援によって活動を続けさせていただいています。今回のように個人的な支援から公的なものまで支援をいただく度に「我々はこれを受けるに値する活動が出来ているのだろうか」と自問自答する日々でした。演奏も、レッスンも、合唱の仕事も何もできない状態で助けてもらうばかりでよいのか、自分が生きていくためだけならばもう何か別の仕事を選んだほうが良いのではないか、そんな思いにも苛まれる日々を送ってきました。しかし今回配信公演を実現できたことで、直接見ていただく舞台には及ばないかもしれませんが、多くの方に音楽をお届けすることが出来て、そして喜んでいただけたことが何よりもうれしく、主催者として本当に苦労して開催したかいがあったと思っています。この一年間多くの機会を失ってきたメンバーたちの渾身の演奏をみても本当に開催してよかったと思っています。
今回の無観客配信開催にあたってはとても多くの方のお力をお借りしなければなりませんでした。演奏会開催の実績はそれなりにあるのですが流石に今回の公演は自分一人の手には余る部分が多く、たくさんの人に手助けしていただきながらの公演でした。そしてそのすべての方々が自分と同じく「観てくださる方に音楽の魅力をお届けしたい」という想いで関わっていただいたことに深く感謝しています。配信後も大変反響が良く「本当は払い戻しするつもりだっだけど配信を見て気が変わった」と新たにご辞退のお申し出をいただいたり、既に購入されているのに新たに応援チケットを追加して下さったり、確実に成果のある動画が残せたのではないかと思っています。今後これをさらに完成度を高めた作品として残すため映像作成のためのクラウドファンディングは引き続き実施しています。
演奏家集団「石塚組」定例公演クラウドファンディング
こちらではDVD進呈や出張演奏のリターンもご用意していますのでご検討いただければ幸いです。

最後に今回配信にあたって大変お世話になった別組ファルケ/アルフォンソ役の平岡基氏作成による当日休憩時に流されたCMをご紹介いたします。3分ほどの動画の中に我々の想いが込められた名作です。本当にたくさんの方々に「ありがとうございます」の気持ちを込めてお送りします。
https://youtu.be/ClC7RRqtFNs