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雪組の和希そらが素敵なご縁を結んでくれた-「夢介千両みやげ」「Sensational!」

3月の終わり、花曇りの宝塚。

今年も桜咲くこの季節に宝塚大劇場に来られた。

「夢介千両みやげ」「Sensational!」春の陽気にうってつけの素敵な時間を過ごす事が出来た。マスク越しではあるがクスクスっと笑えて温かい気持ちになるお芝居、中村一徳先生の持ち味であるアップテンポでオシャレなショーの2本立て。この客席に居られて良かったなぁ~とても幸せな時間だった。今まで雪組を見た中で一番良かったと言っても過言ではない。

雪組と私の距離を和希そらが近づけてくれた。

雪組の和希そらが素敵なご縁を結んでくれた。

宙組ファンの私としては、和希そらが雪組に組替えと聞いた時は寂しく思った。花組で星風まどかさんを見た以上に、美風舞良さんの声を聞いた時に「あれ?花組…そうか…そうだよねぇ」と不思議な気持ちになった時を思い出した。あおいさんの歌声は花組でも変わらず健在で頼もしかったけれども、雪組を見たら「和希そらはもう宙組には居ない」と言う現実を突きつけられそうな気がしてちょっと寂しく思った。長年見慣れている「宙組のそらちゃん」だもん。あおいさんの声を聞いた同じ現象が雪組の和希そらを見て感じるのかもしれない。ちょっと怖かったけど、始まってみれば全くの杞憂であった。杞憂も杞憂、何でそんな余計な心配をしてたのか?馬鹿馬鹿しくなる程「雪組の和希そら」が素晴らしかったのだ。

夢介千両みやげでは、スリの少年・三太役。”スリ”の”少年”って設定で「やっぱり和希そらだもんね」「ですよね~」と納得してしまうよね。宙組でも十八番だし期待通りの役だったんだけど期待以上だった。ダテに長い事やってないと言う余裕も見えたし、培ってきたものを雪組の和のお芝居に落とし込んでいた。(全くなかった訳ではないけど)和物が少なかった宙組出身でいきなり和物デビュー。ライナスや藤九郎を思い出すし、その身のこなしに夢二を思わせたり、それらを経ての三太だと思いながら見ていた。ところで、お銀と三太は同期なんだよ?(笑)ちゃ~んと年齢差を感じる所も良かったな。

見慣れた歌声が、あのダンスが、あの和希そらが居た。ソロでセンターでめっちゃ踊ってる!朝美絢様と並んでる!雪組の路線スター様達と並んでる!更に雪組デビューにしてトップスター様こと彩風咲奈様と踊ってる!ありがてぇ...ありがてぇよ、はじめましての中村一徳先生なのにちゃんと和希そらの良さを分かって下さるなんて!(中村暁先生の方はあるんだよね)

和希そらの十八番・コンテンポラリーダンスもあったし、その自慢の歌声も聴かせてくれた。何故だか宙組時代以上に伸びやかで、以前は有り余るパワー!!のような、持て余すモチベーションを力でしか表現する術を持たないみたいな感じだったのね。今回は優しく包み込むように響き渡る感覚だった。持て余すパワーをちゃんとコントロールして、絶妙な力加減で客席をまるっと包み込んでくれるような。大人の包容力って奴?そらちゃんの新しい魅力を見た気がする。

ところで、私はTwitterで大騒ぎしてしまったが、雪組娘役さんにとてつもなく素敵な方に出会ってしまったのだ。

100期の希良々うみさんと言う。

愛称はともかちゃん。このともかちゃん、お芝居では美人局のお芝居が艶っぽくてそりゃ夫婦でグルになるよね~と納得する美貌で驚いた。夢介との絶妙かつ憎めない絡み、悪事に手を染めても旦那さんを愛している。とても印象的な役だった。幕間に「あの美人局は誰だ?」とパンフレットを開き、100期の希良々うみさんだと知った。慌ててショーの出番もチェックし一生懸命ともかちゃんとオペラグラスで追った。歌よし!ダンス良し!なんだけど、その美貌は必死に追わなくても探さなくても見つけられる程輝いていた。

今までさ、申し訳ないけど夢白あやちゃん以外の場面では持て余してたんだよ...夢白あやちゃんは大好きな娘役さんの1人で、宙組出身と言う事もあるけど、アスリートのような彫刻のような強さがあるのに、宝塚の娘役らしいエレガントさを持つ。なので、夢白ちゃんの場面はロックオンしてたけど、他の場面ではオペラグラスを下ろして全体を俯瞰していた。夢白ちゃん以外の娘役さんって殆ど存じなかったし、見てなかったんだよね...素敵だなって思っても名前分からないし...(野々花ひまりちゃん位か)

そんな私がともかちゃんに出会ってしまった。ツイッターランドの片隅で「ねぇねぇ何で雪組にこんなに素敵な娘役さんがいた事今まで教えてくれなかったの~!」と叫ぶと、やっと気づいたか~!!と言う声と共に、ともかちゃんの色々な事を教えて頂いた。

和希そらと同じ岡山県出身。それだけでなく同じダンススクールの出身。そして2人とも「尊敬する恩師に一文字頂き」和希そら・希良々うみとして雪組の舞台に立つ。その恩師は天希かおりさんと言い雪組時代の名ダンサーとして活躍された方。これらはネット上のお優しい皆様のお知恵により授かったものだ。お優しい皆様どうもありがとうございました。

大騒ぎの数時間前、大劇場に向かう途中で音楽学校の前を通った。翌日、合格発表を控えた周辺ではTVカメラのリハーサルを行っていた。明日は一日中その話題で持ち切りになる。桜の開花と共に関西の春の風物詩だなぁと思いながら横切った。

そして、希良々うみさんと出会った翌日、芸名の一文字を頂いた恩師のお嬢さんが音楽学校に合格したとの知らせを聞いた。宝塚、何処までも繋がってる…と鳥肌が立った。それもこれも和希そらが結んでくれたご縁として110期お披露目の際まで覚えておきたいと思う。

雪組の和希そらが好きだ。

トップコンビの「さききわ」こと、彩風咲奈さんと朝月希和さんのコンビも好きだし、そらちゃんのおかげで雪組への解像度がぐっと上がった。ともかちゃんや夢白ちゃんも居る。楽しみが沢山増えた。大劇場は出来る限り毎回観に行くしご縁があれば別箱もね。

これからは、雪組の和希そらを応援したい。明るい気持ちで劇場を後にした。