【りとぐり#13】続・“a”ってどんな時に使う?【ランダムの “a”】
こんにちは。Hello!
今日は,前回の続きで,不定冠詞 “a”のもつ意味を紹介していきます。
前回の内容を覚えていますか?
前回説明した “a”の意味は,
そのものの1つの具体的な「形」をイメージして見ている,そして
1つしっかり揃っていると言うことを表す。
というものでした。では,もう1つのもつ意味です。それは,
1. “無数の○○からランダムに取り出す”のが “a”!
いわゆる,ランダムの “a”の側面です。
上の画像の説明の通り,名詞にaをつけるのは2つの条件が揃った時となります。
① 形として丸ごとそれが1つ揃っていること
②「無数の○○からランダムに取り出した」1つであること
となります。例文を見て下さい。
There is a tree in the yard in the park.
(公園の中に1本の木がある。)
ここでの “a tree”,木が1本あるのを伝えていますが,もちろん伝えた人も伝えられた人も,形として1本の木がしっかり頭に浮かんでいます。これが前回の内容。
そして,ランダムな木1本,ということを伝えています。
伝えている方は,何かしらその木の特定のイメージがあるでしょうが,聞く方も含め「あ,あの木ね」と双方が分かっていて,特定できるものにはなっていません。
聞いている側は,「1本の木」というイメージはできるものの,あーいう木かも,こーいう木かも,とあくまで一般的な木を思い浮かべるまでにしか至らず,頭の中にはランダムな木が出てきただけです。「無数の○○からランダムに取り出した」1つ,とはそういうことです。
では,少し上級編ですが,その下の英文を見てみてください。
A Mr.Sato came to see you.
(佐藤さんって方があなたに会いにきてましたよ。)
さて,間違った文ではありません。
固有名詞(人名や地名の特定なものを表す名詞のこと)に見えるMr.Satoですが,なんと不定冠詞の “a”がついているではありませんか。なぜでしょう。
2つの条件をしっかり吟味すると,間違っていないことに気付けます。
まず①。形として丸ごと1つ。これは大丈夫でしょう。佐藤さんがバラバラになっていることを想像はしないと思います(笑)
そして今日の内容②ですが,この英文の佐藤さんが実は特定されていない佐藤さんである,ということなのです。
「あの」佐藤さん(双方知っている佐藤さん)ではなく,佐藤さんと「いう方」。
少なくとも伝える側は「名前だけは聞いたけど知らない人だな」,って感じなのです。なので,特徴をしっかり伝えて,ほらほらあの佐藤さんだよとは言えず,
「ひとまず名前だけは名乗っていった…佐藤さんって…方」,ランダムな佐藤さん像をひとまず出現させて伝えているだけなので,こういう風に A Mr.Satoという表現もあり得るわけです。
2. 初出の場合の “a”
このことが分かると,いわゆる “初出のa”の概念がよく理解できます。
桃太郎English ver.の冒頭部分を載せてみました。お爺さん(old man)の部分に注目です。
Once upon a time, there lived an old man and his wife.
(昔々あるところに,お爺さんとお婆さんが住んでいました。)
このように始まります。
語り手は,物語の舞台上に,1人のお爺さんをあげていきます。聞いている人の頭の中に,「①形として完全な丸ごと1人のお爺さん(笑)」が出てきました。しかも,物語の冒頭,初出です。なんだかよく分からん爺さんがポンと現れたよ。に過ぎません。ここでは,「②ランダムなお爺さん」な訳です。だから “an old man”となります。
次の文では,状況が変わりますね。「そのお爺さんがね…」と続くので…
Every day, the old man would go to the mountain …
(【その】おじいさんは山に,…)
です。先ほどのお爺さんが,と,話し手,聞き手の間でお互いに確かめ合った彼が「その」お爺さんとして出てくるので,今度は “the old man”とa ではなく theがつく訳です。
いかがでしたでしょうか。
もう一度, “a”がつく場合の状況をまとめると,
① 形として丸ごとそれが1つ揃っていること
②「無数の○○からランダムに取り出した」1つであること
です。状況を整理して,色々な英文の “a”がなぜついているのか考えるようにして自分でも作文で使っていくと,正しい使い方に慣れていけると思います。
次回は,今回も最後に登場した “the”の世界を紐解いていきましょう。
質問や内容のリクエストなどあったら,ぜひコメントでお寄せ下さいね。待っています♪
今回も最後まで読んで頂き,誠にありがとうございました。
↓の記事では,これまでに書いた英文法についてのまとめ記事が文法項目ごとに整理されています。まだ少ないですが,英語学習頑張っている人は参考にして下さいね。
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