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映画感想:MIDSOMMAR

ここ数年で見た映画の中で個人的に1番好きな映画かもしれないミッドサマー。

大学生の5人組がスウェーデンのお祭りに参加しにいき、恐ろしい体験をするという、あらすじだけをみるとよくある設定に思えるのですが、OPから随所に散りばめられている伏線の数々や、明確な怖さというよりじわじわとした怖さだったり、意味がわかると怖いタイプの映画かなと思います。パニックホラー系の映画ではありませんでした。あらすじを読んだだけの時はてっきり殺人鬼に追い回される映画かと思ってました・・。

この映画の醍醐味は随所に散りばめられている伏線を考察することなのかと思いますが、いかんせん考察が得意な方じゃないので1回の鑑賞では伏線に気付く事もなく、そのまま映画を見て終わりました(笑) 観賞後、公式ホームページにある考察を読み再度鑑賞!個人的に好きなところはいかに人間の視覚、脳みそが不確定かというところ。多分、鋭い人は1回目で色んなことに気づくかもしれないですがわたしは全然でした。

ミッドサマーを見てアリアスター監督を知り、監督の前作「ヘレディタリー継承」も観ました。ホラー色としてはこちらの方がミッドサマーより強いけど、またしても脳みそが騙されました。意識してみると気づかない方がおかしいくらい目立っているのに初回では全く気づかず、こちらも同じように考察ブログを読んで色んなシーンの伏線に気づかされました。気づいた人たち本当に凄すぎます!そして気づいてしまったが故にあまりの怖さと気味の悪さに数日間安眠できませんでした。

この無意識では気づかないくらい背景に溶け込んでいるものだったり、ミッドサマーもヘレディタリーも北欧神話や、悪魔崇拝についての知識が必要な点も個人的には好きです。随所にその知識が散らばっていて、なんてことないシーンだったりするのに、意味がわかると映画の面白さが倍増するのがお得感があっていいです。また、何度でも見返したくなる映画でもあります。

ラストシーンに関しても個々で解釈が違うのも好きな理由の一つです。その人の感じ方や価値観で映画のラストがハッピーエンドにもバッドエンドにもなるのが面白いです。個人的にはハッピーエンドかなとは思います。

この点ではレオナルド・ディカプリオのシャッターアイランドとすごく近い映画なのかもしれません、あの映画もラストの解釈は人によって違うし、映画の中でも沢山の伏線がありました。ただ、シャッターアイランドはある程度伏線についての解説やネタバラシが映画内でありましたが、ミッドサマーはそこに触れていないのがまたクールでいいです!伏線に違和感を感じさせることなく、当たり前のものとして置いていて、映画を見て“それ“に違和感を感じる人は調べて考察していくだろうし、何も感じない人はそのまま映画を見るだけ、映画ひとつとっても人と人の違いが出ていて面白いです。人気が出る理由もわかるし、わたし自身もとても好きな映画の一つとして今後ずっと忘れないと思います。ただもやもやする点は、逆に明確な答えがないため正解がわからないのが残念ではあります。監督はどんな意図があってこの構図にしたんだろう、このシーンにしたんだろうという疑問が疑問のまま終わってしまう箇所もあります。

ただ、そう言ったもやもやを除いても近年稀に見る良作なので、もっと沢山の人に見てもらい、ミッドサマーの話をしたいのですが、悲しいかな身近にホラーが得意な友達がいないため勧めても誰も見たがりません・・。

7月16日まで期間限定で有料配信をしていますので、もしこの拙い文章を読んで気になった方がいてくれたら是非ミッドサマーを見て欲しいです。個人的に1回目はなんのネタバレもなく見て、考察ブログを見てどれだけの伏線に自分が気づけたか答え合わせするのも楽しいかと思います。そして、解説、考察を読んだ上での2度目の鑑賞を!


最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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