全日本フィギュアスケート選手権閉幕記念/女子フィギュアスケート神演技集〜2000年代
坂本花織選手の三連覇で幕を閉じた全日本フィギュアスケート選手権。
このフジテレビのビジュアルを見てもわかる(取り上げられてる選手が女子より男子の方が多い)のですが、男子フィギュアスケートの強さが半端なかったですね。
昔は男子は、世界で戦える選手が2人いればいい方という状況だったのに、今や女子を超える層の厚さです。
だって世界ランキングこうですよ!
トップ14までに日本の選手が6人もいる上、その上位3人のうち2人は表彰台落ちし、下位2名が表彰台入りするという世界で勝てるのに日本では勝てないという謎の現象が起きています。
こりゃすげえ!高橋/織田/小塚選手時代に「こんな時代はもう来るまい」と思っていましたが、そんなこと全然なかったです。
そんな興奮冷めやらぬ中ですが、女子フィギュアスケートは坂本選手の一強時代で、フィギュアスケートファンからすると「枠取り大丈夫…?」とちょっと不安になっちゃう感じ。
ということで今回は個人的にこれは神演技やった!という女子フィギュアスケート演技をフィギュアスケートファンじゃないひとにも年末年始に観ていただきたく、ご紹介させていただきます。
2010年代以降はフィギュアスケートを追いかけなくなってしもて、全然観てなかったので神演技をご存じの方、教えてください。
1980年代
伊藤みどり/カルガリーオリンピック LP
女子フィギュアスケートを変えた伊藤みどりさんの通称「サバ」。
当時サルコウなんかでお茶を濁していた女子フィギュアスケートで、ルッツを含む複数種類のジャンプを飛んだ上、後半3+3もあるいまでも「このプログラム滑れる人いるの…?」とすら思ってしまう脅威のプログラム。
アメリカの解説と観るとそのすごさがよりわかるのでこれを選びましたが
、もっと画質がいいのも転がっているのでそれも観て欲しい。
伊藤みどり/1989年世界選手権 LP
オリンピックの翌年(!)に3Aを世界選手権で初成功する圧巻の演技で当然のごとく初優勝。
みどりさんの時代到来と思いきや、世界選手権の優勝はこれ1度きり。
1990年代
オクサナ・バイウル/リレハンメルオリンピック SP
ドーナツスピンを世に知らしめたのはこの方。
LPよりこっちの方が好き。
佐藤有香/1994年世界選手権 LP
浅田真央選手のコーチとしてお馴染み、佐藤信夫先生の娘、佐藤有香さん。
みどりさんの引退で冬の時代到来かと思いきや、圧巻のスケーティングスキルを武器に、地の利で世界チャンピオンに。
バックフリップでお馴染みボナリーさんが、彼女に勝てなかったもんだから抗議(人種差別だと当時主張していた)でメダルを首に掛けるのを拒否するという前代未聞の出来事が起きました。
ボナリーさんてジャンプはすごいんですけど、スケーティング技術がいまいちでこの有香さんの演技と比べると滑りが超絶いまいち。
フィギュア"スケート"であって、ジャンプが飛べればいいっつうんじゃないんですよね。
なお、優勝インタビューで披露していますが、有香さんは英語ペラペラの才女です。
2000年代
サラ・ヒューズ/ソルトレイクオリンピック LP
当時金メダルを最も期待されてたのは実はサーシャ・コーエンだったと思うのです。ミシェル・クワンじゃなくて。
ところか優勝したのはスルツカヤでもなく、前年の世界選手権銅メダリストのサラ・ヒューズでした。
チート3+3を2回決め、大逆転で金メダルをかっさらっていったのであります。
下馬評と異なる選手が勝っちゃうのもオリンピックの面白さだと思うので選んでみました。
荒川静香/2004年世界選手権 LP
荒川さんは、日本の女子フィギュアスケート人気の狭間の選手なので、トリノオリンピック金メダルの印象しかないひとが多いと思うのですが、彼女のベスト演技は間違いなくコレ。
彼女は本人も認めているくらいかなりムラッ気のある選手で、全日本での優勝が2回とちょいと少なめ(全日本は村主さんがめっちゃ強かった)。
そんな中コーチがタラソワさんに変わったらいきなり世界選手権で優勝したもんだからビックリした。
最後のポーズを忘れてしまったという話も有名。
イリーナ・スルツカヤ/2005年世界選手権 FS
このシーズンは彼女が圧倒的に強かった!
余計にジャンプを飛びすぎてノーカンになったジャンプがあったにも関わらず優勝しちゃったくらい。
今では考えられないですが、ロシアはなぜか女子シングルで突出した選手が出てこなくて、実は彼女が初めてのオリンピックメダリスト。
今でも飛べる選手がほとんどいないLz+Loや、両足でできるビールマンなど規格外の存在でしたが、ついに金メダルは取れませんでした。
サーシャ・コーエン/トリノオリンピック SP
このショートプログラムの結果を見ても彼女が勝つことを誰もが期待していたと思うのです。
ところがサーシャはSP番長。
フリースケーティングでかならず自らその機会を手放してしまいます。
結局彼女は世界チャンピオンにもなれないまま引退になってしまいました。
ニコライ・モロゾフの一番のプログラムはコレですかね。
浅田真央/2006年スケートアメリカ SP
トリノへの出場が叶わなかった浅田さんが、バンクーバーに向けて初戦となったスケートアメリカ。
ショートプログラムからとんでもない演技を披露して、「こりゃもう誰も勝てねえな」と誰もが思ったはず。
ところがこれを最後に、ショートプログラムが足を引っ張ることが増えていき、それはあの伝説のソチオリンピックでも同じ状況に。わからないものです。
安藤美姫/2006年スケートアメリカ FS
荒川さんの風除けに利用された安藤さんは、オリンピックから1年も経たずに古巣の門奈コーチに教えを請い、初戦で圧倒的な演技を披露。
キミーと浅田さんを圧倒し、グランプリシリーズ初優勝。
トリノオリンピックとは別人かと思うような度肝を抜くぐうの音も出ない演技。
バンクーバーオリンピックの翌シーズンの無双もすごかったけど、この演技はほんとうにすごかった。
中野友加里/2009年世界選手権 FS
オリンピックの出場も叶わず、世界選手権のメダルも全日本のタイトルも獲得できなかった中野さん。ファンは相当哀しかったはず。
オリンピックプレシーズンの世界選手権で、SP/FS共にノーミスの演技をしたにも関わらず、回転不足やら何やらいろいろ引かれて、転倒などがあった上位選手の上に立てず、惜しくも4位。
会場の雰囲気も、浅田さんの表情も中野さんの優勝を感じさせるモノでしたが、メダルすら獲得できませんでした。
本日の一曲
フジテレビのフィギュアスケート中継でずっと使われているラヴェルの『ボレロ』。
クラシックファンからすると「なんでヴォーカル入りにしたの…?」というくらいお歌が入っていることに違和感を覚えると思うので変えてほしいです。
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