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『ブラッシュアップライフ』と安藤サクラという俳優

 『ブラッシュアップライフ』を知ったのは、放送が終了してからで、1話を観てみたら「なんじゃこれ面白ええええ」となって、huluに即加入して、ほぼ一気見。

 放送中にビッグウェーブに乗れなかったのは残念だったものの、続きを楽しみに観るのも良いけど、勢いのまま全話観れるのも楽しい!

 そんな作品がのBlu-ray & DVD BOXが昨日(2023年8月23日)発売されたということで、プロデューサーと監督のインタビューが映画ナタリーに掲載されてました。


制作中エピソードも面白い

 このインタビューの中で制作中のエピソードがいくつか語られてました。

小田 升野さんは1話を観て「近藤麻美にしか見えない」と思ったそうで、脚本を書いているときに「麻美だったらこういうときにどう思うか、サクラさんに聞いてもらえませんか」って言われることもありました。

「ブラッシュアップライフ」プロデューサー・小田玲奈と監督・水野格が制作裏を語り尽くす
https://natalie.mu/eiga/pp/brushup-life

 インタビュアーは「バカリズムさん」と呼んでいるのに、プロデューサーと監督は「枡野さん」って呼んでるのおかしいね。
 監督・脚本家・俳優と個人が大事なクリエイターなのに、積極的に他者にアドバイスを求めるって結構すごい。(自分あまりそれができないタイプです…。)

小田 あーちん(近藤麻美)、なっち(夏帆演じる門倉夏希)、みーぽん(木南晴夏演じる米川美穂)のセリフが、1つ入れ替わっても気付かないくらい“没個性”にこだわっていて。私は「それなら服とかをはっきり分けないと誰が誰かわからなくなっちゃうんじゃないの?」って思ってたんだけど、(水野ら制作チームが)どんどん逆に行くの!

「ブラッシュアップライフ」プロデューサー・小田玲奈と監督・水野格が制作裏を語り尽くすhttps://natalie.mu/eiga/pp/brushup-life

 気がつかなかったけどまじで茶系で衣装被りまくり。

小田 これは升野さん発案なんですけど、たくさんの(麻美と同じ)33歳の人たちに取材したんです。「学生時代に一番思い出に残っていることはなんですか」って聞くとたいていは運動会とか大きなイベントを答えるんですけど、根気強く取材を続けると「タイルシールっていうものがあった! ヤバい! 久しぶりに口にしちゃった!」って明らかに雰囲気が変わるものがあったりして。そういうものはきっと視聴者にも懐かしいと感じてもらえると思い、升野さんに「タイルシールとフェルトシールっていうワードが熱いらしいですよ」と伝えました。

「ブラッシュアップライフ」プロデューサー・小田玲奈と監督・水野格が制作裏を語り尽くすhttps://natalie.mu/eiga/pp/brushup-life

 こういう特別な瞬間に立ち会えたというか携われたときってマジでゾクゾクする。

水野 今回、LEDスクリーンでの撮影をしていて。そうするとインカメラVFXという技術が使えるんです。普通は、グリーンバックなどで芝居を撮ってそのあと背景映像を合成するんですけど、インカメラVFXだと(スクリーンに)CGの背景があらかじめ出ているから、スタジオで撮影したものですでに合成ができている。アメリカとか韓国ではけっこう導入されていて、大河ドラマでも使い始めている技術です。

「ブラッシュアップライフ」プロデューサー・小田玲奈と監督・水野格が制作裏を語り尽くすhttps://natalie.mu/eiga/pp/brushup-life

 何気なく新しい技術も使われてる。
 この「インカメラVFX」、いいことづくめじゃん!と一瞬思うのですが、グリーンバックだと再合成ができるけども、それができなくなるというデメリットもある。つうか合成のための背景っていつの間にかグリーンになったよね!?

安藤サクラという俳優

 奥田瑛二の娘として生まれ、母の安藤和津もタレント。
(自分の年代だとお母さんのほうがよく知られてるかも。)

 所謂二世俳優なのですが、デビューから仕事が途切れていないものの、世間に認識され始めたのは『0.5ミリ』『百円の恋』の2013年(この2つの作品が同じ年に公開されたのすごい)と思います。

 自分が知ったのは園子温監督の『愛のむきだし』だったかな!?
 まさか朝ドラのヒロインになるとは思わなかった…。

小田 準備あってこその感覚だよね。例えば現場で鼻がむずむずしたら、鼻をかむのも芝居に取り入れる。私もサクラさんとご一緒した前後で、お芝居とかテレビドラマにおける考え方が変わりました。台本がなくてもサクラさんが主演っていうだけで「ご一緒したい」って言う俳優の皆さんの気持ちがわかったし、スタッフも「次の現場にもこの感覚を持って行こう」という気持ちになれる。そういう意味で、すごい女優さんだなって感じます。

「ブラッシュアップライフ」プロデューサー・小田玲奈と監督・水野格が制作裏を語り尽くすhttps://natalie.mu/eiga/pp/brushup-life

 このようにスタッフからも俳優からも信頼が厚い安藤さんですが、自信がないタイプのようで、そういったエピソードをよく聞きます。

 でもね、安藤さんって『万引き家族』がカンヌでパルム・ドールを受賞したときに、審査委員長だったケイト・ブランシェットに同作のあるシーンについて「もし同じ演技をしたら、それはサクラのマネです。」と言わせたほどのひとなんですよ!?

 全世界から尊敬を集める、もはや俳優界のレジェンドであるケイト・ブランシェットに「真似するかも」とまで演技を評価される俳優が向いてないなら、世界中の俳優たちみんな廃業しちゃう…。

平成の歌は年寄りには「現代」すぎる

 『ブラッシュアップライフ』では、当時流行った歌が使われていましたが、個人的には「当時」じゃなくて、「現在」なんですけど!?って思ったのは自分が年寄りすぎるからでしょうか…。

 同じ日テレで、寺島しのぶのテレビドラマ初主演作でもあった『おとなの夏休み』という作品があったのですが、70〜80年代の曲が主題歌として使われていて、それは超アガったんですがね。『ブラッシュアップライフ』のそれは唯一響かなかった…。
(『おとなの夏休み』自分は結構好きだったんですけど、視聴率が低すぎて1話削られてしまった…)

 と選曲にノレなかったのは年のせいかと思って書き始めましたが、改めてラインナップを見たら、ただ単にあんまり好きじゃない楽曲だったからだった…。
 選曲がメジャーすぎる。

 そんな安藤サクラさん主演『ブラッシュアップライフ』はBOXが発売中です!(「Go to hell」のオリジナルサコッシュつきw)



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