お地蔵さんは私の夢の中に現れて言いました。
「あなたのお父さんの重荷は消えました。
地蔵としての私の勤めも終わりです。
そういえば、長い間忘れていたのですが、
かつて私は遠い北の国の王子でした。
これから、友だちのツバメが待っているところに帰ります。
ツバメ。かわいいですよね。
あなたにもツバメはやってくるでしょう。
もし、寒空にツバメを見かけたら
どうか優しく見守ってあげてくださいね。」
目が覚めたあとも誰かがそばにいるような気がして
私はしばらくあたりを見回していました。
(幸せなおじぞう 最終話 おわり)