せまゲー生半可集(18)~最もこぢんまりしたフェアリーギャモン?
前回の記事はこちら。
標準的ルールをベースにした、さまざまな盤面サイズのバックギャモンがあるよ、という話でした。
一応、一番小さいサイズとして8マスの「Microgammon(マイクロギャモン)」。
ダイスが1個であれば6マスの「Nannon(ナノン)」があります。
今回は、それより小さいゲームを考えてみます。
正直、無理です
今一度「Maicrogammon(マイクロギャモン)」をおさらいします。
・盤面のマス数は10
・コマの数は、各プレイヤーにつき5個
・使用するダイスは、出目が1と2のみ(裏表判別できるコインで代用可)
です。
引用先の資料に、以下のコメントがあります。
ちょっとだけ説明すると、バックギャモンは自分の手番でダイスを振って出た目の数だけ、自分のコマをその数の先のマスへ動かします。
ただし、相手の駒が複数(2個以上)あるマスには移動できません(相手に移動を防御されている、ともいえます)。
こまかく付け足すと、コマの移動は相手の駒が複数(2個以上)あるマスを飛び越えることができます。
つまり、1しか出ないダイスだと、コマの移動をするときにマスを飛び越えるなんてできません(2以上ないとそんな動きできません)。
ルールを一部変更しないと、ゲームになりません。
はい。
2面ダイス「1と0」
ひとまず、問題は先延ばしにして、ほかの部分から体裁を決めていきます。
前回紹介した、さまざまなサイズのバックギャモンには、ある規則があります。
バックギャモンの盤面のマスの数は24。
2個のダイスを振って、どちらも6が出ればさらに2倍のボーナスがあるので、(6+6)✕2=24。
手番でコマが進めるマスの最大数=盤面のマスの数
です。
『Nannon(ナノン)』では、サイコロを1個しか振らないので、コマが進める最大数は6です。
盤面のマスの数も6個になっています。
今回考える盤面のマス数は、「マイクロギャモン」のさらに半分、4です。
コマは各プレイヤーに3個としておきます。
ダイスは、出目が「1」と「0」の2面のものを2個用意します。
これにより、手番で出せるダイスの出目は、
0と0 1と0 0と1 1と1
の4通りです。
ゾロ目は2倍のボーナスで、4つ進むことができます。
もうひとつ、コマがゴールできる条件も考えます。
通常のバックギャモンのルールだと、「盤面上にあるすべての自分のコマが、ダイス1個だけでゴールできるマス(つまり、ゴール手前の1〜6マス)にいなければならない」です。
それにあわせて、ゴールできる条件は、「すべてのコマが盤面の一番端のマスになければならない」とします。
上の図では、白のコマは全て一番端のマスにあるので、ゴールの条件をみたしています。
赤のコマは、端から2番目のコマを1つ進めれば、ゴールの条件をみたすことができます。
では、後回ししていた問題を考えていきますか。
矛と盾
あらためて、後回しにしていた問題とは何か。
・1しか出ないダイスだと、コマの移動をするときにマスを飛び越えるなんてできない(出目が2以上ないとそんな動きできません)。
通常のバックギャモンのルールで、出目が1しかないダイスを使うと、
お互いのコマが邪魔して
互いに進めなくなって、引き分け
で、ゲームになりません。
じゃあどうしようかと。
まずは一番単純に考えてみると、
自分のコマが移動したマスに
相手のコマが何個あろうが、一緒にいる。
です。
しかしそうすると、別のルールの対処も必要になります。
そのルールは、ヒット(いわゆる、相手への攻撃)です。
相手のコマが複数あるマスに移動はできませんが、相手のコマが1個しかないマスには移動することができます。
しかもその際、相手の駒はマスから外さて、盤中央の仕切り(バー)に置かれてしまいます(このコマは、次回の手番以降、盤上に復帰させることが最優先となりますが、詳しい説明は割愛)。
で、変なことを考えました。
相手のコマが何個あろうが、
全部まとめてヒットしてしまう。
……矛盾してますな。
本当に矛盾、最強の矛vs最強の盾です。
あれ、待てよ?
コマに2種類の役割を持たせて切り替えることができたらどうか?
矛:
(攻撃)相手のコマがいるマスに移動すると、相手の矛のコマを全部ヒットする。
(防御)相手の矛のコマが止まると、ヒットされてしまう。
盾:
(攻撃)相手のコマがいるマスに移動すると、そのまま止まる。
(防御)相手のコマに、ヒットされない。
ようするに、ヒットが発生するのは双方のコマが矛のときです。
コマの裏表に「矛」「盾」をかいておけば、どちらの役割かは判別できます。
ところでコマの役割の切り替えですが、ここでダイスの登場です。
0のゾロ目が出た場合、(コマを動かすことはできないが)盤上にあるコマ1個を選んで「矛」から「盾」に、または「盾」から「矛」に切り替える。
とします。
切り替えるコマは自分と相手、どちらでも構わないとしておきます。
ゲームの展開をイメージしてみます。
ゲーム開始時は、すべてのコマは矛の状態です。
↓
何らかのきっかけで、徐々にコマは「矛」から「盾」に切り替わる。
↓
攻撃されないので、ゴールしやすくなる。
↓
すべてのコマがゴールしてゲームが終了する。
ゲームの体裁はなんとなく整いそうです。
面白いかどうかは、微妙ですね。
ともかくゾロ目を出さないとゲームが膠着します。
ゾロ目が出る確率はまさに半々なので、ギャンブルゲームに近いかもしれません。
ひとまずこのゲームを『ホコタテ・ギャモン』と名付けておきます。
締め
ということで、「マイクロギャモン」よりもサイズの小さいフェアリーギャモンを作ろう、という試みでした。
あらためて、バックギャモンのゲームデザインの完成度の高い構成美に惚れ惚れします。
次回は未定ですが、なんか書きます。
では。
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