せまゲー生半可集(21)~SHRINE 不偏ゲームで接続ゲーム
前回の記事はこちら。
今回はまたせまゲーに戻ってきます。
実はすでに紹介しているものもある
今回紹介するせまゲーは、不偏ゲーム(Impartial Game)で、しかも接続ゲーム(Connection Game)です。
といいつつも、実は以前珍ぬの記事でも紹介したものがあります。
Bill Taylor(ビル・テイラー)さんが考案した『Chameleon(カメレオン)』と『Triskelion(トリスケリオン)』です。
『カメレオン』は、2色のコマのどちらを置いても良いHexのヴァリアントゲームです。
双方のプレイヤーは、同じアクションができるので不偏ゲームです。
『トリスケリオン』は、2色のコマを置く順序が決められています。
3人のプレイヤーは、同じアクションで縛られるので不偏ゲームです。
面白いことに、BoardgamegeekのGeeklist「"Impartial" 2-player Combinatorial games」に、これらのゲームは外れています(『トリスケリオン』は3人プレイだから、それはそうか)
ループ系接続不偏ゲーム
今回紹介するのは『SHRINE(シュライン)』。
2017年にAlek Erickson(アレック・エリクソン)さんが考案したボードゲームです。
『Chameleon(カメレオン)』と『Triskelion(トリスケリオン)』は、コマを置いて盤面の端辺を接続することを目的としましたが、『シュライン』はコマを置いてループで閉じた陣地を完成することを目的とします。
このゲームの特徴の1つは、盤面です。
3色で塗り分けた、カイロ五角形のマスです。
2人専用ゲームとなります。
そのほかに使用するコンポーネントは、3色(赤・青・白)のコマがそれぞれ50個程度です。
プレイヤーは、交互にマスに石を置きます。
ただし、石は3色あり手順ごとに赤→白→青→赤→白→青→……と決められています。
加えて、
✕ 同じ色のマスに同じ色の石は置けない。
✕ 辺で隣接するマスにある石と同じ色の石は置けない。
縛りがあります。
辺で隣接するコマ同士は連結しています。
連結したコマを辿って一巡りできたものが、ループとなります。
ただし、ループをつくっただけでは勝利とはなりません。
ループの内側に、赤・青・白のマスが最低1個以上あるとき、そのループはSHRINE(シュライン:寺院)を完成したとして勝利となります。
さらに、複数のループがつながったものは(複数の穴がある)ひとまとまりのループとして扱います。
ひとまとまりのループでSHRINE(シュライン:寺院)を完成させれば勝利となります。
そうそう、重要なことを忘れていました。
コマは双方プレイヤー共通です。
区別はありません。
つまり、自分の手番でちょうどSHRINEを完成させたプレイヤーが勝ちとなります。
・数手先の手番でのコマのローテーション
・SHRINE完成までの手数
・ループ内部にコマを置くSHRINE阻止の防御策
などなど、アトサキの調整に悩まされるでしょう。
勝敗が決まるケースはもう1つあります。
SHRINEが完成しないまま、盤面にコマが置けなくなってしまった状態で手番となったプレイヤーは、負けになります。
マスの特徴
『SHRINE(シュライン)』の3色のマスですが、非常に特徴的です。
それぞれの色が辺で隣接しているマスは、
青:青2マス+白3マス
赤:赤1マス+白4マス、もしくは、
白5マス
白:赤3マス+白2マス、もしくは、
赤2マス+白2マス+青1マス、もしくは、
赤1マス+白2マス+青2マス
となります。
マスの数は、
青:36マス
赤:20マス
白:68マス (合計124マス)
となかなかの偏りです。
極端なケースですが、例えば赤のマス全てにコマを置いてしまうと、絶対にSHRINEはつくることができません。
その一方、辺に接するマスに3色のコマを置くことで空きマスを確定することができます。
盤面コレクション
『SHRINE(シュライン)』の入手方法ですが、商業版がありません。
なので、コンポーネントは各自で自作・用意します。
盤面はBoardgamegeekのimageなどを印刷しましょう。
ところで、『シュライン』の盤面ですが、考案者のAlekさんはカイロ五角形マス以外の盤面(正六角形・正方形のマス)も作成しています。
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