見出し画像

『Tri-Ominos(トライオミノス)』について長々と書いてみる。(4) 〜 番外編:『ドミノ』の可能性を考えて、1年間書いてみる。

いつの間にか、書いた記事の数が本編と並んでしまいました。さらにいえば、考えてみたゲームルールの数は本編よりも多いという珍妙なことになっています。
なんだかんだで番外編、4回目を迎えました。ゲームルールの数をさらに突き放しにかかります。

T3(トリックテイキングトライオミノス)

マストフォロー切り札なしのトリックテイキングゲームです。
プレイ人数は3〜6人程度。
手札にするタイルの枚数は、9枚くらいとします。

1ラウンド開始前のプレイ:
プレイヤーは「宣言する数字」を決めて、手札から1枚タイルを選んで表向きに出します。

画像1

出し方ですが、宣言する数字の書かれた頂点を他のプレイヤーに向けて出します。

上の写真だと、宣言する数字は「3」になります。トランプなどのカードを置くと、わかりやすいです。

出し方は一斉に出してもいいですし、時計回り順などで出してもいいです。また、他のプレイヤーと宣言がかぶったので変更しても構いません(その辺は適当に調整してください。)

「宣言した数字」ですが、プレイヤーがトリックを獲得したタイルに書かれた数字が同じであれば、その数だけ得点します(後で例示します)。

ラウンドでのプレイ:
リードプレイヤーは、手札からタイルを1枚選んで場に出します。出し方は、頂点の1つを他のプレイヤーに向けて出します(トランプなどのカードを置くと、わかりやすいです)。これが、リードの数字になります。
他のプレイヤーはリード宣言された数字をフォローしなければなりません。

残りの2つの頂点の数字がそのタイルの強さ(ランク)になります。左(10の位)>右(1の位)の強さになります。基本的に大きい数字が強い(5>4>3>2>1>0)のですが、リードプレイヤーの出した数字が1番強くなります。

例えば、リードの数字が3の場合、強さは3>5>4>2>1>0となります。
フォローできない場合も、プレイヤーは適当な手札を1枚出さなければなりません。

リード宣言された数字を出したプレイヤーのなかで1番強いタイルを出したプレイヤーがトリックを取ります。そのラウンドで出されたタイルと、次のラウンドのリード権を得ます。

画像2

上の写真は、ラウンドプレイの例です。
下のプレイヤーが、「3」のリード宣言で、ランク「20」のタイルを出しています。
左のプレイヤーは「3」の書かれたタイルがなかったので「011」のタイルを出しました。
上のプレイヤーは「3」でランクは「32」です。
右のプレイヤーは「3」でランクは「54」です。
「3」のランクは「54」よりも「32」が強いので、上のプレイヤーがこのラウンドのトリックをとります。

ゲームの終了:

手札が全てなくなると、ゲーム終了です。タイルに書かれた数字を、各プレイヤーが宣言した得点方法にそって計算します。

仮に上の写真のラウンドの場合で獲得できる点数ですが、上のプレイヤーの宣言した数字が、
「0」なら2点、「1」なら2点、「2」なら2点、
「3」なら4点、「4」なら1点、「5」なら1点
が獲得されます。


T3のバリアント(ミゼール)

ミゼールは、通常ルールと逆に点数がマイナスになるルールです(トリックを取ると負けに近づきます)。

変更するルールですが、

◆ランクの強さ:
基本的に大きい数字が強い(5>4>3>2>1>0)のですが、リードプレイヤーの出した数字が1番弱くなります。

例えば、リードの数字が3の場合、強さは5>4>2>1>0>3となります。

◆得点方法:
トリックをとったタイルに書かれた数字と「宣言した数字」が同じ数だけ、マイナス1点獲得します。

さらに、「宣言した数字」が1つもなかった場合、プラス7点獲得します。

プラス7点とした理由:
『Tri−ominos』のタイル全体に描かれている数字はそれぞれ28個あります。その4分の1にしました。

◆1ラウンド開始前のプレイ:
宣言する数字は、全員かぶらないようにしたほうが面白いと思います。

<オプションのルール>
「宣言する数字」を2つ宣言する
ことができます。タイルの出し方は、1つ宣言する場合と反対に置きます。

下の写真の場合、「1」と「5」を宣言していることになります。

画像3

さきに書いた「得点方法」のルールにならって、宣言した数字2つともなかった場合は、重複してプラス14点獲得します。

トリックテイキング2種類ですが、テストプレイした感じではミゼールのほうが、面白い展開が多かった印象です。
基本となるルールを書きましたので、オプションルールを追加したりして、バリアントを楽しんでください。


おにぎり長天(無理矢理略して「天むす」)

天九牌(中国ドミノ)のゲーム「長天(チェーテン)」のルール(下のサイトにルールや天九牌について書かれています)で遊んでみます。

各プレイヤーには、適当な枚数を均等に配ります。

手番となったプレイヤーは、手札から1枚タイルを必ず出します。
出し方は、1つの頂点を自分に向けて出すか、他のプレイヤーに向けて出すかの、2通りあります。

さらに、タイルを出すときの縛りがあります。
右のプレイヤーの出しているタイルの左に書かれている数字が、自分の出したタイルの右側の数字が同じにならなくてはいけません。

どうしてもタイルを出せない、あるいは出したくない場合は、裏返して出します

タイルを出すときの縛りですが、裏になったタイルは飛ばします。さらに右隣のプレイヤーの表向きになったタイルの数字を見ます。

全員が手札のタイルを出したら、ゲーム終了です。

得点の計算:

(1)
頂点を自分に向けたタイルの頂点の数字の合計と、頂点を他のプレイヤーに向けたタイルの頂点の数字の合計を、それぞれ出します。
(1−1)
合計の大きいほうから合計の小さい方をを引いた数が、マイナス点となります。
(1−2)
2つの合計が同じだった場合は、頂点を自分に向けたタイルの数と頂点を他のプレイヤーに向けたタイルの数とくらべて、少ない数だけプラス点となります。
(2)
裏向きに出したタイル1枚に付き、マイナス3点です。

(1)(2)それぞれ計算した結果が、そのゲームの得点となります。


プレイの例:

画像4

2人で8ラウンドプレイした場合です。右プレイヤー→左レイヤー→右レイヤー→…の順で、上から下にタイルを並べています。
◆1番右上が、開始のタイルです。左のプレイヤーは、右プレイヤーの「2」を受けて出しています。それを受けて右プレイヤーは、次に「0」を受けて出しています。
◆4ラウンド目の右プレイヤーは「5」を受けてタイルを出さずに、裏にして出しました。左プレイヤーは「5」を受けて出します。
◆各プレイヤーの点数ですが、
左プレイヤーは、裏にしたタイルが1枚なのでマイナス3点。
上向きの頂点タイルの数字は2+2+0+2=6、
下向きの頂点タイルの数字は0+3+5=9、なのでマイナス3点。
合計マイナス6点
右プレイヤーは、裏にしたタイルが1枚なのでマイナス3点。
上向きの頂点タイルの数字は3+5+2=10、
下向きの頂点タイルの数字は4+1+2+3=10、なので、
少ない枚数のほうでプラス3点。
合計0点。

お詫び:5ラウンド目の右プレイヤーの出したタイルの置き方が間違っていました。時計回りに120度回しておく(5が右の位置にくる)と正しいプレイになります。ごめんなさい。


Big Point-Ingenius(ポイント絶好調)

ボードゲーム『Big Point』と『Ingenius(頭脳絶好調)』2つのルールを参考にして、「サイコロなしのすごろく」で遊んでみます。

準備:

タイルをひとつなぎにして、すごろくのように進む道をつくります。
一方の端に、1~5の数字コマを置きます。もう一方の端はゴールになります。

プレイヤーには、1枚づつ下のようなシートを配り、ゲームの経過に応じて記録していきます。

画像5

丸のところにチェックを入れて、それぞれの数字の個数を数え上げるための、簡単な記録用紙です。
たとえば、メモ用紙に数字を描いて、正の字でチェックしても構いません。

プレイヤーの手番:

プレイヤーは、どれか1つのコマを、
A:同じ数字の書かれた1番近いタイル
B:「0」の書かれたタイル
まで、ゴールに向かって動かします。ただし、Bの動かし方に制限があり、Aのタイルより遠いタイルには動かせません。
タイルは取り除き、数字コマを空いた空間に置きます。

動かしたあと、動かしたコマの数字(Bの場合は「0」)を右側の欄に記録します。
それと別に、残った2つの数字を左側の欄に記録します。

追加手番:
記録した結果、左側の欄で、数字0~5を1つづつチェックできた(6種類1組にできた)場合、さらにもう1回追加手番が与えられます。

ゴール:
記録したあと、数字コマがこれ以上進めなくなってしまったどうかチェックします。そのようなコマがあった場合はゴールしたことになります。2つ以上同時にゴールするコマがある場合は、よりゴールに近い数字コマが、先にゴールしたとします。5個の数字コマがゴールすると、ゲーム終了です。

ゲーム終了:
得点を計算します。

左側の欄:
◆数字6種類を1つづつ1セット 1つに付き1点。

右側の欄:
◆「1」〜「5」の数字について、
 1番先にゴールした数字コマの数 1つに付き1点。
 2番目にゴールした数字コマの数 1つに付き2点。
 3番目にゴールした数字コマの数 1つに付き3点。
 4番目にゴールした数字コマの数 1つに付き4点。
 5番目にゴールした数字コマの数 1つに付き5点。

◆「0」の数字は、各プレイヤーの獲得した数を比べて、
 数が1番多いプレイヤー 1つに付き5点(同数の場合は4点、3点…と下がります)
 その次に多いプレイヤー 1つに付き4点(1位同数のときは、人数に応じて下がります)
※以下同様にして得点されます。1点より下がる場合は、全て0点とします。

合計して、1番点数の多いプレイヤーが勝利です。

動かし方の例:

画像6

スタートの状態です。頂点と底辺を接すように並べるとわかりやすいです。

画像7

「3」のコマを動かしました。右側の欄には「3」、左側の欄には「4」「5」を書きます(取り除いたタイルがなにかわかるように、左側においています)。

画像8

「2」のコマを動かしました。右側の欄には「2」、左側の欄には「3」を2つ書きます(「2」の書かれた1番近いタイルへ移動しています)。

画像9

「4」のコマを動かしました。右側の欄には「0」、左側の欄には「1」と「5」を書きます(「0」の書かれたタイルへ移動しています)。

(以下略)

ひとまずの締め:

3種類のゲームを(トリックテイキングはバリアントも)考えてみました。『Tri-Ominos』のタイルは、様々なルールを引き起こす可能性を相当秘めていますね。
もうちょっとルールを考えてみてもいいのですが、来週は本編の『ドミノ』にふれる予定ですので、またの機会にします。

ではでは。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?