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プッシュポップを盤面にして、アブストラクトゲームのルールを試しに考えてみる。

この記事はアブストラクトゲーム Advent Calendar 2022の19日目の記事として書かれました。

はい、どうも。
珍ぬと申します。
3年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ250本以上書いてしまいました。


プッシュポップとは?

プッシュポップとは、下のAmazon商品のように、シリコンでできたたくさんの突起をポコッっと押して、いじくり倒す物体です。

100均でも売られていますし、たくさんの類似品、模造品があります。

そのなかで、商標登録されている正規品、Foxmind社の『Go Pop!』があります。
日本の輸入代理店はドリームブロッサムです。

サイトの情報を見ると、2013年に「Last Mouse Lost」で販売され、そのあと「Pop It」そして『Go Pop!』と変遷をたどったようです。

『Go Pop!』のラインナップから、注目したいのが、六角形型の「HEXO」とよばれるものです。

ほかの類似品とは、かなり異なる形状をしております。
このように、ポップ部分を囲った正六角形の枠が、1辺3マスに敷き詰めた合計19マスの構造となっております。

なんと見事な盤面なのでしょうか!


「Go Pop HEXO」はよい

更に素晴らしいのは、サイズです。

まず、ポップ部分の突起ですが、約直径15mm(0.6インチ)です。
プッシュポップについて書かれたさまざまなブログを拝見すると、100均などで購入した、フェルトボールなどを凹ませた突起に入れて遊んだりしています。

まあ、この辺は類似品とも共通しています。

特記すべきは突起を囲う外枠です。
外枠の六角形の対角線の長さが、約25mm(1.0インチ)なのです。
なので、そのサイズの球をのせるとピッタリハマってくれます。

さらに積むことだってできちゃいます。


これで、『Pylos』『Upperhand』『Shibumi』などの四角錐に球を積むアブストラクトの三角錐・六角錐版ができる?!
かも知れませんが、六角形盤面だとちょっと積み方に癖があるので一筋縄ではいきません。

左:球を4個組合せた中央に、
右:球を置くことができます。

とはいえ、こんな素晴らしい出来合いの盤面には、なかなか出会えません。
ポップ部分の突起をうまく使ってみると面白いのでは、と思いました。

球を用意してみる

ということで、この盤面を使ってゲームのルールを試作してみます。
そのために、ちょっとコマを作ろうと思いました。
2色半々に色分けした直径15mmの球です。
そのような代物はなかなか見つかりません。
で、探してみるといいものが見つかりました。

木製の半球じゃないですか!
色を塗って接着すれば完成です。
試作なので、着色はポスカで適当に塗ります。
接着はなにか簡単にできるものを探してみます。
両面テープも考えましたが、15mmのサイズだと小さすぎて見当たりません。
結局、「HOLD GUM」にしました。

小さくちぎって円板に整えて、接着しました。
仮止め程度でいいと割り切れば、十分に役立ってくれました。


テキトーなつくりの
球でございます。


ゲームを試作してみる

最低限のコンポーネントを用意したので、2人で遊ぶアブストラクトゲームを考えてみます。

まず、盤面の特性を確認してみます。
ポップ部分の突起は2種類の状態、凸状態と凹状態です。


左:ポップ部分が凸状態
右:ポップ部分が凹状態
パッと見、よくわかりませんが……

ゲーム中、盤面全体を移動(裏返すとか)しないようにします。
すると、凸から凹の状態変化は、指で突けばできます。
逆に、凹から凸への状態変化は、できません。

なので、ゲーム最初の状態は、すべてのマスのポップ部分を凸状態にしておくことにします。

凸状態のマスでできることですが、2種類用意してみます。
1)先程検討した、凸から凹の状態へ変化させます。
2)球を置きます。
 ただ、球なので位置が固定しませんので、中立の扱いにしておきます。

凹状態のマスでできることは、
3)凹んだポップ部分に、球を自分の受け持つ色を上にして置きます。
 このとき、凸状態のマスに置いた球を利用したいので、隣接している凸状態マスにある球を移動することにします。

左:2)のアクション。球のおぼつかなさはポップ部分が凸なので。
右:3)のアクション。隣接しているマスにある球を、
自分の色を上にして凹にハメます。


手番でできることは、この3つだけにしておきます。

さて、ゲームの勝利条件です。
なにせ19マスで狭い盤面ですので、連珠などのn目並べは無理かな、と思いましたが、

困ったときの『Yavalath(ヤバラス)』頼みです。

一直線に4目並べると勝ちだが、一直線に3目並べると負けのルールです。

今回は、1目減らして、
一直線に3目並べると勝ちだが、一直線に2目並べると負け、とします。


上の列:黒が2つ、マスを1つとばして並んでいるので、勝ちでも負けでもありません。
中央の列:黒が3つ並んでいるので、勝ちです。
下の列:白が2つ並んでいるので、負けです。

さらに、自分の手番でアクションができない場合、負けとします(これによって、勝負は引き分けになりません)。

……むむむ。
これって、ゲームになってるの?

試遊してみる

試しに遊んでみました。
面白いかどうかは、一旦置いておくとして。
ゲームとしては、一応、それなりに成り立ちそうです。

【プレイ例】
※ 凹状態のマスに球が置かれている場所は、わかりやすいように赤丸を加えています。

1)
プレイ終盤です。黒の手番です。


2)
中央のマスの凸を凹にします。

3−1)
次の次の手番で、球を移動させて3目並べるのが狙いです。

3−2)
一方、白は黒の狙いを阻止しようとすると、白が2目並んでしまい負けになってしまいます。
結局、黒が中央のマスを凹にしたことが、勝利を導きました。

戦略としては、球の並べ合いだけではありません。
球を置いたりマスの凸を凹にする手数も限りがあるので、相手の手番で何もできなくするように、手数の計算も考慮になると思われます。

締めとおまけ

ということで、アブストラクトゲームの試作でした。
タイトルを決めていませんでした。
プッシュポップと「Yavalath(ヤバラス)」を足して割って『Poplath(ポプラス)(仮)』としておきます。

ついでのおまけです。

今回使用した「Go Pop HEXO」は、100均のダイソーで購入できる「ガラスタイル」2cmサイズが、



マスの中にきれいに収まります。
タイルも何色かありますし、これでまた何かアイデアが生まれるかも知れません。

次回の20日目は、Kanare_Abstractさんです。
お楽しみに。

では。

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