STUDIO PREBOが製作した『えんとつ町のプペル ボードゲーム』騒動について、長々書いてみる。
ここ最近にわかに、自分が以前書いたnote
へのアクセスが増えていました。
あら、なんででしょうね。面白いこともあるもんだ……程度でした。
先週は『ドミノ』についてのnoteを書きすすめていました。その最中、Twitter経由でタイトルにある
『えんとつ町のプペル ボードゲーム』のルールが
ハイパーロボットに似ている
という情報を知りました。
この情報をうけた自分の反応ですが、購入しようかと検討してました。
その後、Twitter一連の反応を受けて、製作者であるSTUDIO PREBO(以下、PREBO)がとった行動が、あまりにも斜め上すぎて、思わぬ方向へ展開してしまいました。
結局、『プペル−ボードゲーム』(以下、このように略します)ですが、自分は買えなかった(検討しすぎて時間がたち、品切れになってしまった)のです……。
今回の騒動について、(TGIWの記事が出た時点では)書くつもりがありませんでした。まだ、騒動の途中だと思ったのでもう少し様子をみようかと。
しかし、ちょっとした気付きがあり、結局書くモチベーションが立ち上がってしまいました。ほかの書きたいことを差し置き、優先順位をあげます。
では、自分なりの考えを書いてみたいと思います。
【注意】
この後、本当にいろいろと書いていますので、単純にPREBOさんはこの騒動に対してどうすればよかったのかを知りたい方は、この下の見出し欄の最後の項目「おそらくベターな行動」をクリックして、飛ばし読みしてください。
話の前段階:アラームクラスター
Twitterからの「このゲーム、あれとそっくり。ぱくりじゃない」という情報の発信を発端にした騒動ですが、似たような例としては『チーキィ』があります。
ただ今回の騒動は、『チーキィ』とはちょっと事情が異なるところがあります。
『チーキィ』はクラウドファンディングを開始してからの騒動です。
当然ですが、制作サイドからは、『チーキィ』がどのようなものか、どのような商品展開をするかなど、積極的に情報をあげていました。
それゆえ、批判側は何が問題なのかの情報が拾いやすく、批判する側のツイートも、問題点や理由など伝えやすかったと思います。
『プペル −ボードゲーム』は、ゲームマーケット2020春のカタログもしくは、PREBO自身の通販サイトなどの情報が出てからの騒動と推測します。
製作側からの情報は、カタログもしくは、通販サイトの写真(ルール説明書など)しかなかったと思われます。おそらく、想像やら憶測やらしないとならない仮定の情報が多くなっています。
その結果、批判側の情報はどうなったのかというと、
批判する内容があまり進展しないまま、
批判側のツイートが増え続ける
ことになってしまいました。
しかも、炎上かというと、多分異なります。言うなれば、警報機が警報機に反応しているアラームクラスター(警報集団化)とでも名付ける状態ではなかったかと思います。ツイート数は多いのに、内容的には1つ2つしかないという状態だったと思います。
本来であれば、製作者側から、制作した意図や、酷似していると言われる『ハイパーロボット』との相違点など伝えて、その後の反応をみて動向を考える流れかと思われますが、PREBOさんは
正直、説明不足
のまま謝罪し、価格95%OFFで販売ということになりました。まあ、一方的な幕引きとも捉えかねないことをしてしまいました。
補足:
ただし、もう1つの情報『えんとつ町のプペル』に対しての批判……というか枝葉的なデマのようなツイートもあったかとと思います。
この件については、あえて触れません。
『プペル-ボードゲーム』のルールの基となるボードゲーム
ゲームルールが酷似していると言われているボードゲームとして『ハイパーロボット』があげられました。
このことについて、PREBOさんは明言していません。
いや、明言した方がいいと思います。
そんな訳で、自分の方で『プペル-ボードゲーム』のルール作りのモデルとなったボードゲームを3つ予想したいと思います。
1つ目は、批判されている通り、『Recochet Robots(ハイパーロボット)』です。
残り2つですが、『ハイパーロボット』をモデルしたボードゲームになります。
2つ目は、『Mutant Meeples(ミュータント・ミープルズ)』です。
このゲームのコマは、ロボットではなく、特殊能力を持ったミープルになります。
『プペル-ボードゲーム』のルールに反映されているのは、
・ダイスに描かれたイベント(ミープル同士の交換など)
です。コマがミープルなのは……まあ、たまたまでしょう。
3つ目は、『Micro Robot(マイクロ・ロボット)』です。
『ハイパーロボット』と同じAbacus社から出ており、『ハイパーロボット』のバリアントルールも付属しています。
『プペル-ボードゲーム』のルールに反映されているのは、
・ダイスで行先を決める。
です。
確かに、大元は全て『ハイパーロボット』につながりますが、かといってゲームルールが酷似というほどの創造不足とは言い難いと思います。
『1829』からの追加ボードはパクリですか?
仮に、ゲームルールが全く『ハイパーロボット』と同じだとします。
それでも、パクリである、とするといろいろな反例があげられます。
すでにタイトルに書いてしまっていますが、鉄道をテーマとしたボードゲームの代表ともいえる『18XX』シリーズがあります。
『1829』はそのなかで一番最初の作品です。そのゲームルールをベースにしつつ、「追加の地図(ボード)」が数多く制作されました。
つまり、最初の『1829』以降はすべてパクリになります。
なぜなら、『プペル-ボードゲーム』のゲームボードは、『ハイパーロボット』そのままではない「追加の地図(ボード)」ですから。
ちなみに、今回の騒動の中で、「パクリではない」というツイートが少ないのは、いちいちそんなことツイートする気がないから、だと思います。
結局のところは、PREBOさんが説明すればよい話なので。
……だから、こんなnoteを書いている自分は、相当の酔狂なのです。
パクリ発言は全然して構わない
とまあ、2つほどですが、自分なり「パクリとは言いきれない見解」を書いてみました。参考になれば幸いです。
また、「パクリだ」とツイートなり発言をするな、とも思いません。
そのような批判に対して制作者はどう受け止めるのか、その振る舞いを引き出しているのだから、全くの無益ではない。その程度です。
ボードゲームを95%割引にする目論見?
今回の騒動での最大の問題は、
希望価格の95%引で、販売する。
というお詫びの仕方です。
あるひとは、「転売屋」に流れて売りさばくのでは、という危惧もしています。
別のひとは、『ハイパーロボット』のイメージを下げる意図的なキャンペーンだ、とも訝しがっています。
いやはや、いろいろ憶測されます。
自分(おそらく大方)の見解ですが、
在庫を持ちたくないから
ではないかと思います。ただ、本当にそれだけだとしたら、こんな怖いことよくできたな、と思います。
品切れ後の対応
PREBOさん自身で通販サイトを作り上げました。
どうやら予約分の個数に達する注文があったようで、現在(4月12日時点)品切れになっています(1番左の商品です)。
で、商品ページも開けます。
実はこのページで気になっているのは
「再入荷お知らせ」
です。
この表示があることを踏まえると、追加分の増販するつもりだ、と考えるひとも少なからずいるでしょう。
では、一体いくらで販売するつもりなのか?
……正直、購入者は不安どころか不審になってもおかしくありません。
今回のお詫び対応により、『プペル−ボードゲーム』に対する不審だけではなく、
PREBOさんに対する不審
へ、騒動の焦点が切り替わってしまった、かも知れません。
おそらくベターな行動
とまあ、いろいろと書いてみました。結局のところ、1番しくじったと思うのは、
自分たちだけで解決しようとしたから
だと思います。
お詫びの文を読むと、PREBOさん自体にそんな傾向がありそうです。
では、本来どうすべきか。自分なりのベターな対応を考えてみたのですが、例えば、
『ハイパーロボット』を輸入販売したことのある
ニューゲームオーダーやジーピーに相談する。
だと思います(仮にしているのであれば、お詫びとともに報告すべき事実です)。
あるひとは「ライセンスを取ったのか?」というツイートをしていましたが、その足がかりにもなると思います。
『ハイパーロボット』を新品で買おうとすると、6000円前後になると思います。一方、同系列(パズル要素)のボードゲームに『ウボンゴ』がありますが、新品でも4000円程度になります。
2つ並べると、『ハイパーロボット』は(金銭面で考えると)購入しづらいかも知れません(サイトを見ると、販売商品リストから外れていますので、あまり売れてなかったかも知れません)。
その事情を踏まえて、ポジティブに考えてみます。
『プペル−ボードゲーム』は、定価のままでも
『ハイパーロボット』の廉価版的役割として、
ABACUS社へ逆提案できるかも知れません。
……まあ、そこまで上手く行かないでしょうが、商機と捉えれる可能性も全くないわけではないでしょう。
とりあえず、『プペル−ボードゲーム』が予約注文した方々へ出荷されるのが、4月下旬予定です。
若干、日数もありますし、PREBOさんはそろそろ経過報告をしてもいいかなとも思います。
……ということで、締めに入ります。
正直、推敲しながら書いては削りの繰り返しで、読みづらい記事になっていそうです。みなさん申し訳ないです。
冒頭にも書きましたが、あえて勝手に「騒動」としました。そして、まだまだ解決していない中途段階だとみます。
PREBOさんは、これからがチャンスだと思いますので、踏ん張っていただきたいと思います。
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