日本未発売のアブストラクトゲーム『Katarenga』について書いてみる。
以前書いたnoteに
があります。
実は、とあるゲームを購入しようとして検索しつつ探していたら、たまたま『Abstract Games』のリンク先を知った見つけてしまったのです。
その探していたゲームこそが、2017年に発売されたアブストラクトゲーム
『Katarenga(カタレンガ)』。
『Katarenga』を作った人は、凄い
『Katarenga(カタレンガ)』を作ったのは、David Parlettさんです。
この人が凄い。とにかくレジェンドと言い切る。といってもおかしくない、なんていってられない。レジェンド確定。
作成したボードゲームは数は多くはないです。
その中の代表作として知られるのが、
『ウサギとハリネズミ』。
(原題は「Hare and Tortoise(ウサギとカメ)」)
これからして凄い。
どう凄いかって、あなた、
ドイツ年間ゲーム大賞の最初の大賞受賞作品
(1979年受賞)なのだ。
ちなみに、2016年にAsmodeeから『Around the World in 80 Days(80日間世界一周)』としてリメイクされています。
Parlettさんは、ボードゲームのなかでもプレイングカード、つまり「トランプ」においてはスーパーレジェンドと言い切ってしまう。もう大確定。
1979年に『The Penguin Book of Card Games』をまとめあげている。
この本にはトランプを使ったゲーム(派生ゲームも含めて)の紹介とルールが約500書かれています。
このような大規模のトランプゲーム集は、日本だと赤桐裕二さんが著した『トランプゲーム大全』があります。
2014年発行なので、45年前にその規模の本をPerlettさんは書き上げているのです。
ルールを集めるだけでなく、Perlettさんも多くのトランプで遊ぶゲームを作っています。その中でも代表作が『99(ナインティナイン)』。
1974年に作成した3人専用トリックテイキングゲームです。
色々書きましたが、Perlettさん本人のサイトもあります。
本人なので、自分自身の情報は詳しいです。
そのなかに『Katarenga』のページもあります。
……あ、『Katarenga』の話でしたね。戻します。
アブストラクトゲーム『Katarenga』
『Abstract Games』17号に、Parlettさんが執筆した『Katarenga』の記事が書かれています。
『Katarenga』の作成のヒントとなったボードゲームをいくつか上げています。
そのほとんどが1970年代に作られたものなので、50年間の過程を経て生まれた、といってもいいですね。
『Katarenga』の遊び方ですが、肝となる部分「コマ(ポーン)の動かし方」について説明します。
◆タテヨコ8×8の盤面を使います(盤面については、補足があります)。
盤面のマスは4種類あります。
◆各ポーンは、今いるマスの種類に応じて、動かし方が決まります。
・青はキング(タテ・ヨコ・ナナメ方向1マス前進)
・緑はナイト(タテ・ヨコ方向1マス+ナナメ方向1マスの跳躍)
・黃はビショップ
(ナナメ方向いくつでも前進だが、ほかの黃マスより先は進めない)
・赤はルーク
(タテ・ヨコ方向いくつでも前進だが、ほかの赤マスより先は進めない)
動いたマス目に、敵(相手)のポーンがいる場合、捕獲(ゲームから除外)します。
自分のポーンがいる場合は、そのマス目に移動はできません。
◆勝利条件は、
・自分のポーンを、敵のポーンのいるマス1列(盤面の1番遠いマスの列)に到達させて、次の自分の手番にまだそのポーンが捕獲されていなければ、
敵陣に攻め込んだことになります。
自分のポーンを、敵陣に2つ攻め込ませると、勝ちとなります。
・また、自分の残りのポーンが残り少なく、勝利条件を達成することが不可能になった場合は、負けとなります。
補足:
盤面は、4×4の大きさで4枚を組み合わせて使いますが、4枚とも異なる(さらに裏は表のマス目配置の反転となっている)ので、盤面の総数は3000弱パターンとなります。
さらに、『Katarenga』について書かれた上記2つのサイトには、4枚の盤面の構成が紹介(どのようなアイディアで選定したかも説明)されています。
つまるところ、DIY(自作)で盤面を作ってしまえば、購入しなくとも遊べます。
あ、紹介忘れてました。
Parlettさんのサイトの『Katarenga』について書いたページです。
読んでみると……恐るべき事がわかりました。
派生(バリアント)ゲームが10以上もありますがな!
『Katarenga』でない遊び方
『Katarenga』のコンポーネント(ポーン・盤面)を使って(『Katarenga』のポーンの動かし方を基本にしつつ)、様々なゲームを本人自ら創作して、提供しているのです。
Perlettさん、グレートですよ。
ざっと上げると、
Battle Stations(いくさば)
Big Bang(宇宙大爆発)
Central Park(中央公園)
Colorado(コロラド)
Congress(議会)
Cornered(行き倒ればったり)
Greengage(西洋スモモ)
Isolation(ひとりぼっち)
Katrominoes(カトロミノ)
Kings Cross(キングスクロス)
North West Passage(ノースウエスト通路)
Sardines(イワシ缶)
Troika(トロイカ:三目並べ)
日本語のタイトルは、ルールの雰囲気に合わせつつ、自分が勝手につけました。
その中でも2つ、コンポーネントが変則的なゲームがあります。
『Cornered』
4枚の盤面を組み合わせずに1枚単独、つまり4×4の盤面で遊びます。
『Katrominoes』
ポーンの代わりに、ペントミノ(正方形のタイルをタテヨコ5つ連結した形)12種類をコマとして遊びます。
ちなみに、このゲーム専用のペントミノはないので、大きさの合う既製のものを流用するか、自作しないといけません。
なのにこのゲーム、Parlettさんお気に入りです。
日本で輸入する代理店あるかな?
『Katarenga』はTable Games in the Worldさんでも、紹介していました。
発売されてからまもなく3年たちますが、どこか代理店になってひろめてくれないかなあ、なんて思っています。
ということで、以上『Katarenga』でした。
では。
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