横溝正史『八つ墓村』――エロ小説書き、本を読む#9

 ひょんなことから、ガチガチのR18小説を書き始めてしまったアマチュア小説書き。でもだからこそ、本を読まなくちゃ!
 というわけで、中断していた読書感想記事を再開することにしました。相変わらず無節操な行き当たりばったり読書、よろしければどうかお付き合いのほどを。
 過去の読書感想 →https://zsphere.hatenablog.com/


 金田一耕助シリーズをのんびり読み進めております。
 『八つ墓村』は大昔の学生時代に映画がかかっていたのを友人たちと見に行ったような気がしなくもない。もう遠い昔の話なのであまり覚えていませんが。なんか友人たちと濃茶の尼のマネしてゲラゲラ笑っていたような記憶がおぼろげにあるわけですがw

 多治見要蔵のショッキングなシーンの印象が強いわけですが、改めて読んでみると作中リアルタイムで起こる事件は毒殺が中心で、思ったほど猟奇的でもないのですね。
 その上金田一耕助もこの話では登場する機会が少なく、読み始める前におぼろげに期待していたような展開が少ないわけですが……それでも不気味な舞台、次々起こる展開と気になる逸話や情報、というような手練手管で気づいたらぐいぐい読まされてしまう辺りは、さすがの手つきという感じでございました。

 あとやっぱり、埋蔵金伝説はエンタメを盛り上げる最強カードでございますなw

 筋道だった推理を開陳して真相を順に言い当てていくみたいな展開はないわけですが、それでも最後に明かされる真相について私はまったく事前に当てられませんでした。まぁいつものことなんだけども。
 犯人もだけど、ラストでとある人物の意外な過去が明かされるの読んで、どひゃーってなりましたね……w そんなの予想できないわ。

 総じて、なんだろうな、期待してたのと違う感じの話だったけど、気付いたら楽しんで読めてしまっていた、なんだかんだ名作ってところなのでしょうか。
 学生の頃と違って、今はミステリを読むについてもパズラーや犯人当てみたいな謎解きにこだわらずに読んでるので、そういう意味でもこのタイミングで読んだのは僥倖だったかもしれない、という感じです。

 そんなところで。
 

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