見出し画像

iPhone によるパラダイムシフト

世の中の概念やモノの見方が一変する事象 パラダイムシフトが分かる図が見たいというのを見て

考えたところ、最も分かりやすいと思ったのが

iPhoneの例です。

その昔Windows95の前後で大前研一氏は

ビフォーWindows、アフターWindowsと言っていましたが、iPhoneも同じように、いやそれ以上にパラダイムシフトだと言えると思います。Windowsもパソコンが文字通り個人の所有に変わった、弁理士の仕事を大きく損ねた技術革新ですけどね。

オフィスと共に10年でサポート期間満了にして、今で言うサブスクリプションのような商売をしていました。

<iPhone以前>

iPhone 迄に私たちの持つ携帯はガラケーまで進化していました。計算機能は出来るし、画面の上に今の時刻は表示される。

それでも時計や手帳、電卓やカレンダーは個別で持っていました。

画面も小さく、別のハードとして手帳片手に一緒に作業していました。

携帯電話が出来てメールはドコモのiモードやメール機能に吸収されましたが、パソコンは欠かせず持っていた記憶です。フリーメールを馬鹿にしてniftyメアドや大学や会社のメアドを有難がっでいました。

後でも述べますが、この時、国内総生産GDP は電卓、卓上カレンダー、時刻を知るための時計、カメラそれぞれの積算になります。もちろんガラケーもバードとして積算に含まれることになります。よって物欲によりモノは売れます。
後でも述べますがGDPという指標から新たな指標に移るべきかもしれません。実状を表しきれていないです。

また、可処分時間もi-mode(iモード)でも使いましたが、着うたやゲームなど限られた遊びでした。カクカク動きをするため、本格的に遊ぶなら専用のゲーム機は、ゲームセンターのアーケードゲームだとゲーセンは健在でした。

キャリアも、このiモードを使いたいからドコモに加入する。加入したらメアドがドコモで機種変更はすれども、ナンバーポータビリティが有ってもauやボーダフォンへはキャリア移動しませんでした。

また分かりやすいのがP2○○のPanasonic製のガラケーやF○○の富士通製のガラケーがドコモからのみ販売でauやSoftBankにはなく、逆に京セラはauのみ!みたいな住み分けが有りました。

<iPhone以後>

それがiPhone が出たてはSoftBankのみでしたが、少し経てばキャリア横断的に使えるようになります。

キャリアよりアップル製のスマートフォン、いやiPhone なんです。

熱狂的なファンが徹夜してハイタッチして購入する機器って、Windows95や、ゲームのドラクエやファイナルファンタジーのカセットぐらいしか思い浮かべられないです。少なくともそれまでのガラケーには有りません。

iPhoneが生まれて時計を付けることをやめ

電卓やカレンダーはアプリの1機能に吸収されました。

もちろんそれ以前にもi-modeが有ったので、写メールもJ-PHONEが有ったから、厳密には全てアップルの力ではないです。

全てがiPhoneのおかげという訳では無いですが、今から振り返ってみると確かにエポックメイキングな出来事でした。概念としてのスマホは文字通り世界を変えました。

少し難しく言うとオブジェクト指向というプログラミング講座で良く聞く概念です。

また、そもそも携帯できるノートパソコンも有るのですが何せ重く持ち運びは容易では無かったです。

長くなりましたが右側にiPhone 前に一緒に持ち運んでいたもの。左側にiPhone に統合された機能を並べてみます。

下の図のように個別に持つモノの書いた図が、iPhoneにより統合されお役御免になりました。

画像1

右のバード並存から左のソフトウェアで吸収への移動

iPhone で何より大きかったのが画面全体を使うタッチパネルの存在です。ガラケーの電話番号を押すためのプッシュホンに文字操作も流用しても画面は小さいです。それがタッチパネルの選択位置で自在に操作を出来るようにしたので自由度が格段に上がりました。

そんなスマートフォンを携帯出来て、アプリをどんどん無料で追加し、出来ることを増やせるという正のループです。

広告を利用した無料の携帯革命はパラダイムシフトと言えると思います。

また潜在ユーザーがいても手を出せずにいた企業も、膨大な単一機種のためベンダーとして開発投資をしやすくなります。

右側にある、それまで出歩くときに持って行かなかった重たい地図や時刻表

行き先案内・ナビなどの新機能

どんどんアプリがスマホ内に増えていることが分かります。

また、毎年機種アップデートされるということは、プラットホームに合わせて改善を毎年することになります。

そして、それを使うときにかかる費用が無料のアプリという事は

GDPに現れないところが多いという事です。なんせ無料ですから。

つまり物が売れないというのはこういうところからも生まれています。ついでに自由な細切れの空き時間がスマホに取られて他の娯楽にまで向かいません。


皆さんに質問として最近、電卓を買ったのって何時ですか?

地図や電車の時刻表を買ったのって何時ですか?

記憶にないというか、最近の人だと下手したら存在は知っているが触ったことも見たことが無いというのも普通に有りそうです。

また、シュンペーターの新結合という話もスマートフォンというプラットフォームの中で連携が容易になり、つまりGPSとインターネットと時計が一緒に使えるのでナビ、乗り換え案内、出会いアプリ、次々と生まれています。


よくある間違いとして、通信速度が徐々に上がり5Gでも急速につながるようになったところも良い点ではありますがあくまでインクレメンタルな徐変なので

これはパラダイムシフトではありません。

Appleのアプリストアは、世界のアプリ内の売り上げの30%の手数料と、アプリストア内での広告によりプラットホームを運営しています。

こんなのi-modeの日本のみの世界からしたらパラダイムシフトです。

まとめ

そもそもパラダイムシフトとは

科学史家トーマス・クーンの科学革命という本の中で提唱した理系の概念です。

万有引力の法則 -りんごが落ちる事から ニュートンは計算によりものの動きを予測する術を獲得しました。

神の御導きから自然法則へのパラダイムシフトがニュートンにより起こりました。つまり規則性のある科学が求められることになります。神はサイコロを振らないのです。

相対性理論 - アインシュタインは理論によりニュートン力学が及ばない量子力学の端緒を開くことになります。

ニュートン力学から新たな微小世界や光の速度不変など新たなフィールドへの移行しました。微細化は半導体やナノ技術などで役立ちます。猫の話にもあるように、神はサイコロを振るようになります。

パラダイムシフトとはオセロの白一面を、ひとつの黒ゴマでひっくり返してしまう一手のようです。

iPhone 以前のバード全盛期から、ソフトウェア主体のiPhone 以後への変革はパラダイムシフトと言えます。

iPhone を法解釈で良く使われる主体、客体、時期、手続きで今まで書いた事を整理して対比してみます。

画像2

上で書ききれていない標準化されたソフトウェア制作過程やAPI、後から進化できるインストールやOTAなどもiPhone 以後の違いです。

iPhone のエコシステムに関わる人が増え、モノが売れないことになり、金がアップルストア経由でアプリ制作者に渡される。

画像3

iPhone 前後での変化は後から見たら、パラダイムシフトとは言えないでしようか?

画像4

筆者の所有するiPhone 以後当時の遺物

パラダイムシフトの後には追従するモノが現れます。

グーグルは対抗してアンドロイド端末を作成し、電卓は会計処理など一部を除いて役目を終えました。

写真はiPhone の後継機種と珍しいアンドロイドの初期端末と遺物です。

この時期、キャリア各社は囲い込み、取り込みのため端末ゼロ円や極低額の使用料で勧誘していました。そこで買ったのが初期のアンドロイドです。

一回りして高額になっていることを期待w


アップルからの訴訟

まとめた後で恐縮ですが知財が無いので少しだけ。

パラダイムシフトを起こしたアップルはアンドロイド、それも最も売れるサムスン電子を訴えます。

アンドロイド端末のSamsung、Galaxyシリーズはアップルからスマートフォンのタッチパネルで訴えられます。使われたアメリカの特許はこれ

5,946,647 data tapping

6,847,959 Siri-style unified-search

7,761,414 asynchronous data synchronization

8,046,721 slide-to-unlock image

8,074,172 auto-complete

アップル⇒サムスン電子のUSでの訴訟特許 訴えたのは今では一般的な内容です。

サムスン電子側はSFの未来動画を用いて潰そうとしました。でもアップルにあえなく惨敗しています。

第一段は陪審団の巨額賠償評決→一部見直し。9.3億$
ITC(国際貿易委員会):2013/8/1差し止め無

第2弾はサムスン電子のスマホ1台40$です。

アップルはサムスンが『猿まね』(slavishly copy)・「目にあまる執拗なコピー行為(flagrant and relentless copying)」と主張しており撤回しない限り泥沼になりました。

次のパラダイムシフト

iPhone が凄いとパラダイムシフトだと書きましたがさすがに技術進化も早くて後ろから追われています。

Appleのアプリストアはアプリ内の売り上げの30%の手数料がかかるため、アプリストアにはひとつのスーパーアプリを入れて中ではミニアプリがいくつも存在するモノが現れています。テンセントやFacebookなどが有名です。

良く見るLINEにある、タイムラインやLINEチケット、LINEマンガなどなどは本来なら別々にインストールするモノがひとつのアプリの中に含まれるようになっています。

また端末自体も進化しています。

しかしスマホからウエラブルな端末やVR眼鏡への移行はパラダイムシフトとは行かないと見ています。

じゃあ何かと敢えて言われたら、次のパラダイムシフトは宇宙だとみて各社動いています。

これまで夜空を見上げる対象が、宇宙旅行や惑星探査、惑星移住まで話が出るのは大きな影響です。

スペースXやブルーオリジン、ホリエモンも北海道で動いています。

さて次のパラダイムシフトに当てて一儲け。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?