デザインシンキングと知財
英語ではDesign Thinking(以下、デザイン思考)を習いましたが用途が難しいですね。
使われる領域はUI/UXつまりユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスらしいのですが…
バズワードのAX,BX,CX… UX
巷にあふれるUI/UXってWebデザインと思ってしまう部外者の私としては、
スマホなどの画面遷移や、そこで表れる画面表示の使いやすさや、サクサク感は、それは大事だと思いますが、どんなところが
ユーザI/Xなのかイマイチ腹落ちしていません。何が今までと違うんでしょう?
混乱する理由として、実在するアドベのA、ビジネスのBなどと組み合わせ説明するなど、UI/UX以外にも多数有ります。
例えば、ユーザで無くてカスタマーのCI/CXとかになると、それぞれの違いが分かりません。
加えてデジタルのDでDI/DXとか、もう商売のため?各社付け放題に思えるのです。
ガチャで大当たりのEX、 外貨のFX は無いですが、何か考えると面白いかもしれないですよ!
このようなICT分野でデザイン思考は使われ効果を発揮するそうなのです。いわゆる集団での発想法ですね。
デザインのフォーマット
しかし、デザインが芸術家の作るような絵や彫刻のようなものや職人の工芸品のように思っていますが、これをフォーマットに沿って作ったら出来ると言うのは、なにやら芸術を馬鹿にしているようで何かモヤモヤが残ります。
前例のないことをフォーマットに沿って作るので、芸術ではないビジネスのデザインなら出来ない訳では無いのは理解しているつもりなのですが、、、
ちなみに知財は昔からデザイン思考に注目していて、下記は有名です。
特許庁のデザイン経営の資料
https://www.jpo.go.jp/resources/report/sonota/document/kokusai_kenrika/h29_03.pdf
特許庁の調査ではデザイン思考したら製造業が儲かったという話もありますが、これは明らかに因果関係が逆に思えます。
お金が有るから新たな施策も練れる
余裕があるからデザインにまで色々かけられる
という流れで、これを持ってデザインシンキング、今回のデザイン思考が利益に貢献するというロジックが納得出来ません。
あと、読んでいて思ったのが、デザイン≒意匠という日本の感覚では無く、
Designには新しいサービスや、ビジネスモデルなどもう少し大きな概念が入っています。
モノつくりからコトつくりと言ったキーワードもここと関連するのかもしれませんので、この点で齟齬が発生しているように思います。
<デザイン思考の一例>
ちなみに歯磨き粉の自立型チューブの開発と普及が代表例として上がっていました。
寝かせて置く口が小さな従来型から、逆に立てかけるために蓋が大きくなり、容器の内側も歯磨きペーストが落ちやすくするためすべすべにし粘度も下げる。
こういった一連の流れがデザイン思考の成果だそうです。
そういえば、最近、わさびやニンニク、生姜のチューブも似たような形になっていますね。
このチューブに外気と接触させない新鮮な醤油の密閉構造を加えてより良い構造を目指しています。
各社の新しいことを組み合わせてさらに良いものを作っていると言えそうです。
Design Thinkingの概要
さてやっと言いたかった社内でDesign Thinking(以下、デザイン思考)の講習がありましたので備忘録です。
デザイン思考の肝は顧客満足をどのように顕在化するかだと思います。下記の図はペルソナのカスタマージャーニーです。
日本語で書くと今回注力したい対象者の一連の行動を観察、書き出しして課題を抽出し、これを解決するための方法を考えることになります。
色々在るのでとりあえずデザイン思考の5つのフェーズの概要のみ書き出します。
Spark (始動)
プロジェクトのチームビルディングの方法
マイルストーンを決めてどのようにプロジェクトを進めるか、骨子を決めてしまいます
Understand (理解)
ユーザーのニーズと問題の背景を理解するためのガイドラインのツールを見ました
ペルソナ(メインターゲット)を設定してどのような行動をとっているのかを見ていきます(調査計画をたて情報収集を行う)
Imagine (想像)
潜在的な解決策は多数あります。その中で可能性を秘めたアイデアを想像しながら選択するまでの流れ
“どのようにしたら我々は~できそうか?”というストーリーをいくつも作ってみてその中から選択します
Test Drive (検証)
プロトタイプなどでアイデアを具体的なものにし検証する
最もリスクの高い仮説でロールプレイングを行い荒を洗い出します
Reflect ( 振返り)
学んだことの振返りと、 次の反復サイクルにどのようにしてフィードバックするか
というフレームワークで教えてもらいました。
初動
時間の関係で「Spark (始動) 」のみもう少し紹介すると
Team Setup
チームの目標/価値/ルールとを定義
Problem Framing (課題の概要構成)
問題を5W2Hなどで記述
ステークホルダーマップ
影響度の興味のマトリックスを作成しキープレーヤーをどう満足させるのか考えます
ナレッジギャップ
各スペースに、 ユーザー、背景,ビジネスの知っていること/知らないことを埋めます
プロジェクトキャンバス
いままで決めたことを一度書き出します。
ということで初動をルーチン化しています。
残りの4つも同様にツールだらけで、
これによりブレスト活動の最初の一歩を踏み出しやすくする効果はありそうです。
知財とデザイン思考
知財は開発と製造、営業をつなぐことが出来ます。開発内容を出願するために言語化したり、知財を活用するために営業と組み合わせます。よって知財担当はファシリテーターとしての役目を果たせます。
また、内部の話し合いだけでなく、会社の外部ともつなぐ仲介者になれる立場だと思います。実際にオープンイノベーションや休眠特許の売却などなど外部とやり取りも多いですしね。
せっかく習ったので知財によるデザイン経営、出来ます!というポジティブな思考になって、頑張って進めようと思います。
今回は経営学の組織の記憶の理論、チームの認知体系をデザインシンキングからみてみました。分野の違う組織内の専門家が集まって交流するとき、共通の基盤として認知されていればスムーズに進めれそうですね!
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