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米中の企業買収

先日、GAFAMの時価総額が日本の時価総額を越えたと書いて、関西もディスり気味だと指摘を受けました!

時価総額の株価が高くても実経済に関係無いって話は流石に?だったので、説明してみます。

将来の期待値、株価が高くなればその保有株式の一部を他社の買収に利用して更なる期待値を狙います。

建玉とGDPの比較

実際の経済と金融のやり取りが乖離して居ると言われますがBIS によると今年3月の建玉は96575B$その内訳として先物は32398B$、オプションは64562B$でした。96.6兆ドルって何でしよう。

アメリカ合衆国のGDP国内総生産は2018年全体でも20.54兆ドル、単純に月割りすると 1.7兆ドルです。中国は同時期13.6兆ドルの月1.1兆ドル、

ちなみに日本は5兆ドルの月0.4兆ドル。グーグル先生によると世界でも86兆ドルの単純月割りで7.2兆ドルでした。

乱暴ですが上位三国の実経済の13倍、金融市場でやり取りされており、有り余るマネーが実経済を振り回します。

これを上手く利用するひとつの方法がM&Aになります。

実経済と乖離した株価などをレバレッジとして、実経済の買収先の企業を購入しています。

シスコのM&A

私達が習ったはるか昔の時はシスコシステムがネットバブル前に色々買っていて、注目されていました。今でも年に20件程度M&Aで購入し続けているそうです。


シスコシステムは小物の会社を購入しながらネットワークシステムを
ワンストップで提供していると当時は先進的な取り組みとして当時紹介されていました。

1999 年、KPMG Consulting の株式を 10 億ドルで取得するなど本業以外の事業もありますが、ほとんどは自社より半歩先の事業ですね。

例えば、LAN スイッチング、ルーター、企業向け Voice over Internet Protocol(VOIP)プラットフォーム WebEx、ホーム ネットワーキングなどなど自社開発を外部委託したような感じです。

1995 ~ 1996 年には、11 社の買収しています。クライマックスはWebEXを32億ドルで買収した2007年3月だと思います。昨今のテレワークで存在感有ります。

この分野で三大と名前のあがるシスコ、グーグル、クアルコムベンチャーズ、最近ではオラクルも上手いようですね。

下の本の機種にオラクルは800億ドル 140社を買収しているそうです。 敵対的な買収でピープルソフトを103億ドル、BEAシステムズを 85億ドルだと書かれています。

中国二大企業のパトロン

中国ICT二大企業はアリババとテンセントになりますが、いずれも大株主がアメリカ以外の外国企業になる点が面白く感じます。

アリババ

アリババについて以前書いた記事です。

ジヤックマーでさえ、共産党員だったので政府の関与もありそうですが、

SoftBankがアリババの大株主であることに変わりは有りません。

ソフトバンクは14年前の2000年、アリババの創業時に20億円を出資。上場前にはアリババの3割超の株式を持つ筆頭株主となっていた。

という記事が五年前にあり、先見の明にびっくりしたのを覚えています。

今回のコロナ禍でソフトバンクはデリバティブ手法を用いて先渡し契約での15億ドル調達しました。この取引に伴い、ソフトバンクGは向こう4年間、固定価格で銀行にアリババ株を売却することを約束しています。

2016年にはアリババ株に転換可能な証券を調達に用いました。銀行へは手数料の形で対価が発生するものの、資金不足を補って余りあるマネーを獲得しています。

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テンセント

対するテンセントについて以前書いた記事です。

余り知られていないけど、南アフリカの企業がテンセントの大株主です。Naspersという企業です。

テンセントに株式の半分を取得するため3200万ドル投資したのは2001年のことでした。


出典:http://bit.ly/1QT2n0M
南アフリカのNaspersという企業を知っているだろうか?1915年に日刊紙の発行会社として創業したこの会社は、ベッカーがCEOに就任する1997年までアフリカの中の大きなメディア企業にすぎなかった。しかし、ベッカーが次々と世界各地のテクノロジー企業に投資をし、中国の巨大IT企業テンセントを見出すことに成功したナスパーズの時価総額は、当時の12億ドルから、2015年には660億ドルという驚異的な成長を遂げ、アメリカと中国を除いた国の中で最も大きなインターネット企業となったのである。

ってそんなに大きな企業だったので知らすに失礼しました。

ナスパーズの一部門で同社の子会社「Myriad International Holdings」はロシア企業「デジタル・スカイ・テクノロジー」 (DST)の28.7%分の株式を保有しており、DSTはFacebookやグルーポン、ジンガなどの有名企業に出資している。中国のテンセントもDSTに戦略的投資(約3億ドル)を行っており、テンセントの株式31.17%分はナスパーズによって保有されている

三割ですかあ、凄いですよね。

テンセントはグリーと特許訴訟をしているスーパーセルの親会社で、アメリカの訴訟紛争ではテンセントがグリーと争っていると書かれているデータベースまで有ります。

ここでも孫さんのグループ?弟さんがスーパーセルに関わっていましたね。

テンセントは日本企業も買収したそうです。

騰訊(テンセント)は25日、日本のゲームソフト開発会社マーベラスの買収を発表しました。

東南アジアを中心に海外進出も進めていますね。

まとめ

今では両者とも下記の記事のように多くのアプリを提供しており、時価総額で日本企業をゴボウ抜きです。

また、買収もしまくりです。

やはり、時価総額の増大をレバレッジにしてさらに図体を大きくするフローを回します。

このひとつがM&Aです。

経済圏を拡げる活動です。

競争力の源泉は知財ではありませんですよね。



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