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木陰(こかげ)をデザインする

木陰(こかげ)は言葉のままでは木の影そのものです。
日常の使う言葉では直射日光の日差しの当たる暑い場所から避暑をする場合によく使うのではないでしょうか?

緑陰(りょくいん)という言葉もあります。
高木が数本植生し、広がった枝葉で日の光を遮り影の集まり地面で細やかな木漏れ日が差す程度にとなる場所を涼しげな言葉で
緑陰といいますね。

木陰や緑陰は単なる木の影ではなく心地よい空間づくりをすることで、言葉の響きだけではなく、より気持ちの良さや心の癒しも感じる事が出来ます。

1枚目 ウェルシーズン雑木③200825_copy_2880x1620

『雑木の庭』では、落葉種・常緑樹を植え付けますが、里山の樹木は落葉樹が季節感もあり、多めに使用されます。

『雑木の庭』では、人の生活する高さの範囲は幹や枝が主たる視界に入り、少し高い3m位の位置に葉が少なめに茂るというイメージです。
その面では落葉樹にそのような樹種が採用されています。

葉色や落葉による季節感を出すように落葉樹を7~8割、常緑樹を2~3割などすることが多いです。冬の庭の寂しさや目隠しをしたい場所などに少し常緑樹を入れ込みます。

木陰のデザインは庭のどの場所で試してみましょう。

まずは玄関回り。玄関前の空間で高木などを植栽し緑のたまりがあると、空気も冷ややかで玄関から屋内に暑い空気が流れ込まない作用をもたらします。

駐車場の少し脇にあると車付近に影を落とし車内の熱を冷ましてくれます。むっとした車内や日光によりハンドルが熱くなることもよくありますが、そんなちょっとした悪条件を防いでくれます。

2枚目 庭風景2020夏②200806_copy_1404x2496

庭の建物側や窓際の配植では、建物側から庭側に木の枝葉が伸びるように位置取りすると窓から部屋に直射日光が入る量を調節できます。

特に夏の室内の温度上昇をやわらげ温熱環境を良好に保つ作用があります。
また壁面に影が覆われ壁面の断熱や建物全体の温度上昇抑制にも役立ちます。
屋内の部屋の温度上昇も抑えられ、エアコン利用の際など省エネルギー化を促進します。

冬季は落葉樹であれば葉がないので、寒い朝に暖かい日の光がやわらかに差し込み温かみを感じます。

春には窓際では貴重な日光により、ポカポカした陽気を感じます。

庭の隣家との境界側の壁やフェンス際から建物側に向け少し傾け植付ける。

高木を数本植え付け少し空いた庭空間に緑陰が作り出せるとプライベート感が演出でき、そこにベンチやテーブル&チェアを置いて緑陰の下でおうちカフェが楽しむこともできます。

3枚目 木陰デザインホームページ用①

いろんな木陰デザインがあります。
庭の木陰が織りなすくつろぎ空間や癒しの空間がつながっていくと周辺も含めいい空間が広がりますね。地域全体がエコな空間に変わっていくのです。

個人の家の空間も家と庭のデザインが調和していれば、さらに居心地のよい暮らしが生まれます。
まずは一本の雑木から、そして木陰をデザインしながら、くつろぎのある空間を創りライフスタイルそのものを育てていきましょう。


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