コロナに感染しました。

タイトル通りです。私は、コロナウイルスに感染しました。ワクチンは2度打っていますし、感染対策をして、飲み会などもしていませんし、正直なところまさか自分が感染するとは思いませんでした。

このようなことを記事にするのはどうなのかとも思いましたが、それを隠さなければいけない、周りの目が気になってしまうような今の現状を変えたいということと、同じように感染して辛い思いをされている方にあなただけじゃないよ、大丈夫だよと小さくてもメッセージを送りたいことから書きました。もし不快な思いをされた方がみえましたら、申し訳ありません。

今回は、感染してからの症状や療養生活についてや私自身の今の思いを伝えたいと思います。

感染発覚

自宅療養生活を始めて、4日目になります。はじめは、喉の違和感を感じました。冬の時期ですし、乾燥して声がでなくなったことがこれまで何回もあったので、今回も同じことなのかなと思っていましたが、次第にいがいがとした痛みに変わっていきました。ネットで「コロナ 喉が痛い」と調べると、オミクロン株の症状は喉の痛みから始まる方がたくさんみえると知り、不安に思ってきたので病院にいきました。

病院の先生に、喉をみていただくと、「この時期によくある喉の炎症ですね。乾燥していますから。冬はよくありますから大丈夫です。しかし教員をしてみえますから、一応抗原検査だけしておきましょう。」と言われたので、ほっとしました。やはりいつも冬になる喉の乾燥だと安堵しました。病院に行くまで、コロナだったらどうしよう、中三の担任をしていて、進路懇談が控えているし、入試間近の生徒がたくさんいて、私が休んだらたくさんの生徒や先生方に迷惑がかかるし、ただでさえ生徒たちは不安なのに、不安をあおるようなことをしたら申し訳ない、それだけはいやだと思ってたので。

抗原検査は、反応の精度がPCR検査より弱く、少ないウイルスではほとんど陽性にはならないそうです。鼻の中にぐっと綿棒のようなものをつっこみ検査してもらいました。15分後に検査結果がでるそうで、窓から風がびゅんびゅん吹いている部屋で凍えながら、「頼むから陰性になって…」と願いながら待っていました。

先生が検査したものを見ると、焦って電話をかけはじめました。あとから保健所に連絡したとわかったのですが、その状況を見て私は「終わった…」と。そして先生が私のところにくると、「陽性です。」と一言、抗原検査の陽性結果を示しながらおっしゃいました。「保健所には登録してあります。同居されているご家族も今日からお家で、外出せずに過ごしてください。今後保健所から連絡が入ると思いますので、暫くお待ちください」とお話されました。そのとき平熱だったのですが、今後上がってくるだろうと解熱剤だけ処方され、家に帰りました。

陽性とわかると、涙があふれてきました。どうしよう。私が陽性になることでどれだけの人に迷惑をかけるのだろう。私の学級、教科担任のクラスは集団検査になるだろう、そうしたら入試に行けなくなってしまう子が出てくるのではないか、職員室でマスクはつけていたが、話していたし、先生方も集団で検査になるのではないか。私が休んだら、ただでさえ感染者や濃厚接触者、検査対象者が増えていて人手不足の厳しい現状の中、私がやるべき仕事をしていただかなければならない、さらに先生方の負担がふえてしまうと、迷惑かけすぎる自分が嫌すぎて、正直、きえたい、いなくなりたいと思いました。考えれば考えるほど涙が止まらず、学校にすぐに電話したのですが、泣きながら「申し訳ありません、陽性になってしまいました」と連絡しました。その時の感情はつらすぎて、言葉では言いようがありません。

症状の変化

そんな状況の中始まったのが、自宅療養生活です。現在の国の方針によると、発症から10日間は外出しないことになっています。ただし、残り3日間で何も症状がなければという条件はありますが。病院から帰り、ベットにうずくまりながら、何度も泣きました。頭の中で、申し訳ない気持ちと今後どうすればいいのかただわからず、ぐるぐるそれがかけめぐるだけです。感情が落ち着かない中、次第に熱が出てきて、その日の夜には38度まで出ました。頭も痛くなってきました。保健所から連絡はありましたが、明日専門的な方から連絡があるということを聞いただけで、今後どうすべきかはわからない中、一日目が終わりました。

二日目、起きると喉の痛さや咳がひどくなり、鼻づまりによる呼吸のしにくさという症状が新たに出てきたものの、熱は37.5と微熱になってきました。まだえらい状況だったので、ベットで横になりながら一日を過ごしました。学校からは何度も、保健所からの連絡はないのかと電話がかかってきましたが、なかなかかかってこない中、保健所も大変な状況になっているのだなと思いました。夕方に保健所から連絡があり、重症になるリスクはないのかや、現在の体調、これまでの行動について、濃厚接触者になる人はいるのかなどを聞かれました。マスクをせず、15分以上1m以内で会話していたら濃厚接触者にあたります。夫しかいませんでした。夫は都市部で営業の仕事をしています。毎日たくさんの方と出会いますので、そこで感染して家庭内感染が起きたのではないかということでした。夫はどちらにせよ私の濃厚接触者ですので、検査はせず、同じように家に10日間過ごし、外出をしないようにと言われました。

気になっていた、学校のことについては何も触れられず、濃厚接触者の定義に値する方は、学校にはいないということで、集団検査や学級閉鎖はしないという方向になりました。迷惑をかける形にはならなかったのですが、逆に不安に思われる生徒や保護者が出てくるかもしれないと、そのことも私の中で不安な気持ちが高まりました。しかし、もうなってしまったものは仕方がないし、周りには何度も謝りながらも受け止めるしかありません。卒業まで、残り少ない日々だったのに、こんな形になって、生徒にも申し訳ないし、考えるほどため息が出てきます。

3日目は、熱は37,4~5を行ったり来たりして、咳がひどくなってきました。咳をするたびに胸や喉が痛くなるため、咳はしたくないけれど出てしまうような症状です。これまで食欲がないわけではなかったのが幸いで、おかゆやうどんなどを食べてすごすことができたので、少しずつですが回復してきたかなと思います。

4日目の今日は、だいぶ体調が回復してきました。熱は37、0と下がってきました。本調子ではないですが、できることはしていこうと思いますし、家でできる仕事はこれまでもメールで送っていただきやっていますが、もう少しやっていこうと思っています。

周りの方への感謝

このような状況下ですので、外出して食料や薬など必要なものを手に入れることができません。実家の家族には何度も助けてもらいました。正直なところ「申し訳ない」が先立つのですが、母は「いいの、なりたくてなったわけじゃないし、つらいのはあなたでしょ。今は周りのことは考えなくていいんだよ。迷惑かけるとか考えなくていいんだよ。」と言ってくれました。アイスやのど飴、作ってくれた料理、薬、飲み物…たくさんのものを家の前に届けてくれました。そのやさしさが心にしみました。

学校でも同じでした。仕事において大変迷惑をかけているにも関わらず、「授業はやるから大丈夫だよ」といってくださったり、学級の様子を伝えてくださったり、電話やメールをしてくださったり、わざわざ家まで必要なものを届けてくださったりしました。学級の生徒も「先生大丈夫?心配です。休めるときは休んでね。また明るい笑顔を見ることを楽しみにしています。絶対大丈夫」などと温かいメッセージをノートに書いてくれていて、先生が送ってくださいました。これだけ迷惑をかけているにも関わらず、言葉や行動がすごく優しくて、感謝しかないと思いました。

迷惑をかけてしまう、申し訳ないという気持ちでいっぱいでしたが、こんなにも周りの方は温かいのか、助けてくださるのかと。改めて、つながりの大切さを感じました。

「助けて」といえる社会に

今の日本社会すべてとはいいませんが、ツイッターなどをみていると、コロナに感染し、申し訳なくてつらくて迷惑かけてしまう、どうしようというような悲痛な声が挙げられているのもよくみます。気持ちがすごくわかりました。

自分が違う立場だったら、「あなたは悪くないし、むしろ病気になりつらいのだから、ゆっくり休んでね、大丈夫だよ」と言いたいと思いますが、いざ自分になると、周りはどう思うんだろう、迷惑と思われるんじゃないか、コロナになったやつが悪いとか思われるんじゃないか、すごく、すごく怖くなりました。「迷惑かけたくない」や「周りの目」が先にきてしまう状況が少なからず、今の日本にはあると思います。

社会保障や社会福祉にかかわることを、今公民の授業や、受講している講座の中で学んでいます。コロナのことに限らず、介護をはじめ、日本の様々な課題も同じではないかと思います。根底に「迷惑をかけたくない」「助けてといえない」「助けてもらう、迷惑をかけることは恥ずかしい」というようなものがあると思います。それは私の中にもありました。

これまでは、困ったときはお互い様だから「助けて」と自然と言い合える社会になるといいのにと私なりに考えて思っていたのですが、いざ自分事になるとそんなことは言っておれませんでした。でも、改めて大事なことだなとも思いました。迷惑なんかじゃないし、大切な一人だから頼っていいんだよと言ってくださるように、周りの方は支えてくれました。逆に、孤立という日本の社会課題もなんとかしたいし、居場所、つながりが大切なキーワードになると思いました。改めて、互いに支え合える、支えてくれるような人とのつながりがある、そんな社会を創りたいです。心から思いました。

今も、感染してつらい状況にある方も見えると思います。ゆっくり休まれてください。早期の快癒を祈っています。私も自分の体調が回復できるように、もうしばらくゆっくり休みたいと思います。


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