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降って湧いたできごとに楽しさを見いだす。


テレビに映るかも、でも映らなかった

テレビの収録に使いたいから貸して欲しい

私はminneに作品(カエルの置物)を登録して販売してる。しかし一度も売れてない。
3月のある日曜日、テレビの番組担当と名乗る人から、minne経由でメッセージが届いた。


テレビに映るかも、映らないかも

火曜日の収録で使いたい。他にも声をかけてるから使われないこともある。作品は借りるだけ。
ちょっと怪しいかも?と思ったが、思い切って連絡し、引き取りに来てもらって作品を貸し出した。


テレビには映らなかった

収録後の水曜に連絡があり使われなかったことの報告をされた。後日再び手渡しで返却してもらった。
手元には、預けたときと返却の時にもらったお土産のお菓子が残った。
預けるときと返却の時、わざわざ手土産を持ってきてくださった。お菓子の包みだった。


非日常から日常へ

数日後、収録されたテレビ放映を見てみた。なるほど使われていれば、ここのどこかで使われたのだろうというのがわかった。
手土産でお菓子をいただいたことや今回のできごとへの簡単な感想を、連絡のやりとりに使われていたメッセージに返信したが、それきり何も返事はなかった。

元々テレビに映りたくて何かしてたわけではなく、偶然降って湧いたできごとだった。だから別に映らなくても何もがっかりすることはなかった。
そもそも事前に、使われないかも知れませんが、貸してもらえますか?と説明を受けている。

このやりとりの間、日常で他にやらなければいけない、〆切りに追われた作業がいくつかあった。
あまりテレビに映ることについて、こだわって考えてはなかった。
一瞬バタバタしたけど何もなく、あっけない印象が残った。

メッセージに対して、返事をしようかどうか迷ってる間、貸し出して帰ってくるまでの間が、水曜日が終わるまでが、非日常なできごとだった。


このやりとりで得られたこと

この体験はなんだったんだろう?。終わってみて、あっけなく日常に戻って何も変わってない日常について色々考えてみた。


手土産をもらえた

日曜のメッセージに返事して作品を貸しただけなのに、お菓子をもらえてしまった。預けたときと返却の時にそれぞれもらえた。
貸さなければ、得られなかった、貸しても得られなかったかも、手渡しだからもらえたのかも?、もらえたからいいじゃない。とか考えた。


作品に注目してもらえた

放送には使われなかったけど、作品に注目してもらえたこと
売りに出してるのに今まで売れてないし、お気に入り登録もほとんどされてなかった。
注目されただけで充分やん、もう報酬を受け取れた。そう思えた。
普通にお気に入りに登録されたのより、ちょっとだけ特別なお気に入りにいれてもらえたような気がした。


善きことを想い想像できた

テレビに映ったら注目を集めて、そこから何か縁が生まれるかも知れないって期待するのが楽しかった。
映らなくても、局の人の目に留まって、何か縁ができたらいいな。って想像して楽しめた。

〆切りに追われてる日常の用事がいくつかあって、収録結果のことをあまり気にしてる余裕が無かったこと。
結果使われなかったので、それしか考えられてなかったら、ひとつの結果だけを不幸なこととして捉え、他のうまくいかないことも関連付けて不幸に思い込んでいたかも知れない。


思い切ってチャンスに手を伸ばせた

よくわからない不確かなことに、(一瞬迷ったが)躊躇無く手を伸ばせたこと。
なんだか人智を越える神がかり的な何かに試されてるような気がしてた。
結果がどうなるかはわからないけど、行動を起こさず見過ごすより、行動できたことに満足を得られた。

咄嗟のチャンスに手を伸ばせた思い切りが、他のことでも生かせるような気持ちになれた。


決意が揺らがなかった

電話でメリットの薄さについて説明され、念押しされたけど、貸すことを即答で了承できたこと。
貸し出すと一度決めた気持ちが、条件が良くなくても揺らぐこと無かったこと。

メッセージに気付いて電話をするまでの間、短かったけど濃かった、いっぱい考えて出した結論は、自信に満ちていた。


我が事のように喜んでもらえた

親と兄弟に話したら、我が事のように喜んでくれたこと。
私が小さい頃から、造形を仕事にしたいことを見て知ってるので、応援したい気持ちがあるんだろう。それが伝わってきたのがうれしかった。

もっとがんばらないといけないなと思った瞬間だった。


続けてきて良かった

ネットに上げといて(UPしたままにしておいて)良かった。結果が振るわないからと下ろさなくて(公開を取り下げしなくて)良かった。
パッとしないからとアカウント削除しなくて良かった。放置ぎみではあるけど、ずっと続けて保持しつづけてて良かった。

何年も経ってのリアクションであった。いつ反応があるかわからないので、行動を起こし、続けることの大切さを感じてる。


作品が稼いでくれた

作品そのものが売れて報酬を得たのでは無く、作品は手元に残っていてその存在があるからってことで、報酬を得たと思えた。
つまり、作品が、カエルの置物自身が働いて、利益を生んでくれたような気がした。

だから「おまえが働いて稼いでくれてありがとうな」という気持ちになった。なんとなくカエルも得意気な顔をしてるように見えた。

かいじゃりすいぎょ



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