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天使の分け前

ウイスキーの熟成が進むにつれて減ってしまうことを「天使の分け前」と言うことはご存じの方も多いだろう。実りは誰かと分け合わなければという意味をウイスキーの熟成に込めたのだろう。

「最近の若い者は」は何千年も前から言われているそうだが、最近は少々勝手が変わってきたように思う。経済の成長を実感して喜んでいた時代の人は「所有」にこだわる。しかし最近は「共有」で如何に無駄なく、みんなに分配をいき渡らすことが出来るかを考えるようになってきた。

そんな世の風潮の中で、僕に言わせれば「最近の年寄りは」だ。コロナ自粛のギリ前の連休、遠出した時の高速パーキングのお昼時に元気なミドル~ハイであふれた食堂。老夫婦がカウンター席をひとつ空けながら自身の席の所有をアピッていた。

僕らがどんぶりを持ってうろうろしていても誰も席を詰めようとはしない。若い人ならちょっと詰めて「どうぞ」みたいなシーンはよくあるのに。まったく最近の年寄りときたら!だ。

実りが増えたら足りてない人に分けてあげられる世の中は、ハイエイジャーの人達が元気がなくなるまで訪れないのか、などと思ってしまった。実際コロナで(ひょっとしたらそれ以前から)、追い込まれた人の鬼気迫る訴えは聞いていて本当に心苦しくなる。

年を取ると体が動きにくくなり何をやるのも面倒臭くなる中で、きちんとやることはどんどんしんどくなるが、きちんとやり続けてカッコよく生きていきたいと、苦しいからこそ自分に言い聞かせて心のアンチエイジングをやっていきたい。

独り占めしないで出来るだけでいいからみんなに分け前だね。天使ならきっとお返しをくれるよね!

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