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UXデザイナーが作るサービスの業務フロー設計 @ UX MILK All Night

DX事業部 IA/UXデザイナーの高橋一成です。先日はUX MILK All Nightにてフローチャートを使った業務フロー設計のテーマでお話しました。当日使用した資料は下記でご覧いただけます。

30分という短い時間の中で言いたかったことは以下の2つです。

1. サービス全体から考える

クライアントワーク(受託)の特性かもしれませんが、予算をおおまかに確定させるフェーズがUX設計や開発の前段階にあります。お金の話をしているUXデザイナーをあまり見たことないですが、UX設計や情報設計の段階で理想が膨らみすぎると開発費用がふくらみます。もちろんインタビューするのも、ペルソナやCMJ作るのもお金がかかります。

登壇中はあまりお金について触れなかったですが、全体からアプローチする理由は予算とスケジュールを早めに収束させなければいけないからです。

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2. UXフロー図はアプリケーション内のことだけではない

例に書いたフローがモバイルオーダーだったため、ユーザーのアプリケーションの使い方に寄ってしまいました。もちろん実際のプロジェクトでは店舗担当者のUXフロー図も書きます。

初期フェーズではバックオフィス側のUXを軽めに考えがち(マンパワーでまわればいいレベル)です。しかし、メーカー → 店舗 → ユーザーのようなBtoBtoCサービスを例にすると、1. 店舗担当者に業務負荷がかかる。2. 習得難易度が高い。といったことが見られ、そもそもアプリケーションが使われない事態になります。そういう事態が起きないように、バックオフィス側にも目を向けてUXを検討します。

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質疑応答

セッション中、sli.doでいくつか質問をいただきましたので回答します。

ペルソナが複数いる場合は、フローチャートも変わる場合もあるかもしれませんが、ペルソナごとにフローチャートを書くべきでしょうか?

スケジュールとの相談ですね。メインとなるペルソナだけで作ってみて、メインとは異なる動きをしそうなペルソナで、かつそのペルソナがよく使うと思われるフローや機能があれば書いてもいいでしょう。
全網羅しようとすると書くことが目的になり、ゴールがわからなくなります。UXフロー図はあくまでもプロジェクトの全体像を掴むためのものと捉えていただけると良いです。


フローの中で詰めて考えるポイント、削るポイントはどうやって判断しているの?

フローや機能自体がないとサービスが成立しないものはコアになります。そこがUXを詰めて考えるポイントです。逆に、自動→手動にしても成立するものや、フロー自体がなくても特段困らないものは削るポイントです。削れるものはフェーズに合ってないとも言えます。


フローチャートに落とし込むとき、モリモリプランになりすぎないようにするための目線を持つコツはありますか?(ユーザーにとって本当に必要か?親切のつもりがかえってややこしくなってないか?など)

ユーザー(バックオフィス側も含めて)が操作を完了させるまでにたどる手順は少ない方がいいです。そのためにはシステム側での自動計算やユーザーの選択肢を狭める工夫を行います。
前の質問にも関連しますが、ペルソナを全網羅しようとするとモリモリプランになりがちなので、メインのペルソナで作ると良いです。


アクティビティ図との対比が書かれておりましたが、いきなりUXフローから書き始めるイメージでしょうか?それとも、併用するイメージでしょうか?

UXフロー図→アクティビティ図の順番です。ただし書く人が異なります。UXフロー図はUXデザイナーが担当して、アクティビティ図はSEやエンジニアが担当します。

いわゆる外部設計の分類になるため、詳細設計には向いていないでしょう。UXフロー図はプロジェクト全体の把握に利用し、アクティビティ図など従来のフローチャートはシステムの詳細を決めるために利用します。アクティビティ図を書いたあとにシステム上の制限が分かって、UXフロー図を手直しすることはあります。


この方法の限界があるとすれば、それはどんなときですか?そして、そういったときはどんな手法に切り替えた方がよいですか?

機能がモリモリになった巨大サービスでは、ステークホルダーやアクションに対する分岐も多いため、見通しが悪そうです。その場合はUXフロー図を作るのは難しそうだなと感じます。その場合に見通しが良さそうな手法は自分自身もまだ見えていません。


業務フローにユーザー画面っていうインターフェイスを列に登場させたことが斬新な点ですかね?業務フローとの違いがよくわかりませんでした。

セッションのタイトルと資料の例がユーザー側に寄ったものだったので混乱させてしまいました汗。おっしゃるとおり業務フロー?になったかもしれません。
toC向けのバックオフィス側のフローでもUXは検討できますし、toB向けの業務管理のようなシステムでもUXの検討があります。そのようなときにUXフロー図が使えますね。


さいごに

オンラインでの登壇は初でしたが、とてもいい機会になりました。三瓶さんはじめUX MILK All Nightの実行委員会のみなさんご準備ありがとうございました。今後もUXフロー図をより詳しくご紹介できるように多くのプロジェクトで実践していきたいと思います。

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