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身体が小さいからこそ、ポニーのトレーニングは難しいのだ。

今日のトレーニングは
ポニーのサリーちゃん!

サリーちゃんがウチに来たのは6年前。
3年前から俺の手を離れた現場にいた。

最近では、
スタッフのいう事を聞かなくなり、
乗馬コーナーでも
困った存在になっていたので、
再調教のため俺の元へ帰って来た。

馬たちが人のいう事を聞かない
その理由の中で一番多いのは
馬が人よりも強い立場に
なっていることなんだ。

馬は基本的に群れを作る動物。
馬の群れは一頭の歳をとった
出産経験のあるメスが
リーダーとなり率いられる。

群れの行動、
動く方向やスピードは、
全てリーダーが決めている。

馬と人とのコミュニケーションにおいて、
陥りやすいのが
馬が人より上位になっていることに
人が気づかないでいること。

本来の性格が大人しく
攻撃的ではない個体はベストではない。

ベストな個体とは
いかに人に対して従順なのか?
ということだ。

大人しいだけの馬は
問題を起こしていないだけで

何かあった時
逃げる、動く方向などを
自分がリーダーであると思っている馬が
人の意思を無視して決めてしまうことで、

馬が何かに驚いたり、
嫌なものが近づくことで
突然走り出す、
乗っている人を振り落とす、
馬が噛み付く、馬に蹴られる、
といった事故が起こる。

つまり、
人が本当のリーダーになっていれば、
リーダーである人が
行動を決めることになるので、

馬はリーダーである人に従い
急に走ったり
噛みついたり
蹴ってくることも無くなる。

今回、サリーちゃんは
完全に人よりも自分が上位、
群れのリーダーになっていた。

だから、疲れてくると
子供を乗せたまま走ったり、
逆に動かなくなったりしていたんだ。

そこで、サリーちゃんには
人に従うことを理解させるための
トレーニングを開始した。

やってみると、一見大人しく
可愛いキャラクターのサリーちゃんが
蹴ってきたり
身体ごと体当たりしてきたりと
激しい抵抗をしてきた。

馬のトレーニングをしていると
サラブレッドのような
大きな馬は力も強いのだが、
意外と人からの注文を受け入れやすい。

逆にポニーのような小さな馬は
気が強く、
人からの注文を
なかなか受け入れてくれない。

ウチでも、
サラブレッドとポニーを
一緒に飼っていた時、

小さなポニーがリーダーになって、
大きなサラブレッドは
子分になっていた。

これは、大きな馬は
目や耳、鼻が高いところにあるので、
早く敵を発見でき、
早く逃げることができる。

ポニーのような小さな馬は
大きな馬のように
危険を察知できないので、
敵と出くわしてしまう可能性が高い。
その時には、逃げずに闘うしかない。

この差が大きな馬には
ゆとりから来る従順さが
小さな馬は頑固さを
作ったのではないか?

だから、サリーちゃんには、
俺がリーダーで、サリーちゃんは
従う側であることを
徹底して教えるんだ。

サリーちゃんも
だいぶお利口になったけれど、

本物になるには、
本当に身体に染み込むまで
理解させるまで時間をかけて
教え込むことが必要だ。

サリーちゃんが
スタッフのみんなから
絶対の信用を得られる
スーパーポニーになれるよう
頑張るよ!

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