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王家の紋章

まーーーたコロナが猛威をふるわせ始めていますね
夏になれば落ち着くのでは?とか言ってた時が懐かしいな

演劇界にも結構影響が出ているみたいで公演中止になってしまってる舞台もちらほら、、、かくいう私が意気込んでいたマタハリ大阪公演も中止になり途方もない悲しみに暮れておりました。
一番悲しいのは公演に携わってるキャスト・スタッフの皆様ですけどね、、
感染してしまった公演関係者の方々の一刻も早い回復お祈りします。

とはいえ!演劇は死なない!ミュージカルは死なない!
万全の対策で公演続行してくれてる作品に私は金を落とすのみ!!

ということで観てきました「王家の紋章」
この作品は実に再再演。映像で観たことはあったけど実際に劇場で観るのは初めて!映像で見るのと劇場で見るのじゃ全然違ったのに加えて今回からWキャストとして追加になった方もおり、全く新たな王家の紋章を見られた気分でした。
そう!今回Wキャストがかなり追加されていて正直誰で見るか全員迷っちゃうくらい豪華な面々だったんです。
いつもならとりあえず〇〇は固定であとは日程見て...みたいな決め方をするのですが今回ばかりはどこから絞っていけばいいのかわからない!全員観たい!
となった結果、全員観ました〜〜〜〜!!最高〜〜〜!!!
取ったチケットは2日だけでしたが運良く全制覇、本当に全員素晴らしくって誰一人諦めなくて良かったと心底思いましたので書いていこうかなと思います。

♦︎STORY♦︎
16歳のアメリカ人キャロル・リードは、エジプトで大好きな考古学を学んでいる。頼もしい兄ライアンや、友達や教授に囲まれ、幸せな毎日を送っていた。
ある日、とあるピラミッドの発掘に参加するがそこは古代エジプトの少年王・メンフィスの墓だった。ピラミッドに眠っていた美しい少年王のマスク、古代エジプトへのロマンに沸き立つキャロル。そんな中、アイシスという謎の美女が突然現れる。実はアイシスは古代エジプトの神殿の祭司でメンフィスの異母姉。メンフィスの墓を暴いたことによる祟りを起こすため、現代に現れたのだ。彼女の呪術によって、キャロルは古代エジプトへとタイムスリップしてしまう。キャロルは、エジプト人にはありえない金髪碧眼に白い肌。そして、考古学の知識と現代の知恵を持つ。やがて古代エジプト人達から、“ナイルの娘”“黄金の姫”と呼ばれ崇められる様になり、宰相イムホテップからも認められるようになるが、キャロルは現代を懐かしみ、帰りたいと願っていた。
しかし、メンフィスから求愛を受けるようになり、強引で美しい若き王メンフィスに反発しながらも心惹かれてゆく。だが、キャロルの英知と美しさにほれ込み、彼女を奪おうとするヒッタイト王子・イズミルなど、2人の間には数々の困難が立ちふさがる。果たしてメンフィスとキャロルの運命は――。

(王家の紋章・公式HPより)

本ミュージカルは日本の少女漫画が原作となった日本のオリジナルミュージカル。
2.5次元ものといい(観たことないけど)本当ジャパンは漫画やアニメの世界を舞台上で表現するのが上手いなあと感じます。ものによるかもしれないけど
少女漫画という文化に馴染みのない私ですが普通に舞台作品として楽しめました。
というのもこの作品人間模様が本当に面白い!
基本的に登場人物ほとんどの行動動機が「愛ゆえに」です。もうこの作品サブタイトルつけるなら「王家の紋章〜愛ゆえに〜」だろ、と思っちゃうくらい。
みんな感情に真っ直ぐなんですよね、変に狡猾な奴とか居ないのでダイレクトに思いが伝わってくるしとにかくわかりやすいです。
愛ゆえに人を殺すし、愛ゆえに人も攫います。面白いですね。
あと古代エジプトで繰り広げられる愛憎劇は見応えがとにかくすごいです。普通の少女漫画と違ってスケールが全く違うので戦争まで発展します。
舞台が全く違うからこその感情の揺れ動きなんかも良いんですよね。

あとこの作品何が良いって楽曲が良いんですよねえ
楽曲を手掛けたのは「エリザベート」や「モーツァルト!」などの大作ミュージカルで知られるシルヴェスター・リーヴァイです。
この人の曲もまーーわかりやすいというか、名前書いてある?ってくらい聞くとすぐわかります。メロディーが印象的な楽曲が多くて一度聞いただけでもなんとなく旋律が頭に残るんですよね。
感情表現が巧みなのもそうですし、何よりオーケストラをフルに使った壮大な音楽の数々は聞いていてとにかく気持ちがいい。場面場面がよりドラマチックに演出されていて本当に音楽が作品と一体になっているのを感じます。
これを生で浴びるとまた、ああ観たなあ...って感じがしてすごい好きなんです。

さて書きすぎる前にキャストの皆様に触れてまいります。
古代エジプトを治める若き王、メンフィス役は浦井健治くん海宝直人くん
初演と再演は浦井くん一人でメンフィス役を務めていました。
浦井くんは映像で見てたそのままの姿があってなんか感動してしまった...もう今年で40歳と思えないくらい中身はちゃんとした少年。冷酷さの中にある未熟さや純粋さまでもがしっかりと感じられる、個人的に浦井くんのメンフィスはきっと何もかもを思い通りにして育ってきたおぼっちゃまメンフィスという感じです。
対して海宝直人くん、今回の再再演で追加された新メンフィスです。
海宝くん自身はミュージカルで見たことあったかな...?というくらいあまりご縁がなく、今回すっごい楽しみにしてた一人でした。
いやもう知ってたけど歌が凄すぎて度肝抜かれたよね、高音の伸びが半端ない!
あとあの甘いマスクで冷たい眼差ししてんの良いよね〜ずっと見てられる。
海宝くんメンフィスはあまり少年らしさがなくてむしろ王としてかなり完成してる、けど人間として大事な何かが欠落してしまっているメンフィスという感じでした。キャロルと出会ってからはいろんな表情を見せてくれるし愛を自覚してからの感情の揺れ方もすごく良い。
この二人は全く違うメンフィス像なので見比べると面白かったです。それぞれ好みも分かれそうで全女子の意見をぜひ聞いてみたいところですね。

そしてキャロル役は木下晴香ちゃん神田沙也加ちゃん
ミュージカル界を代表するヒロインお二人です。
木下晴香ちゃんはもーーとにかく安定感がすごい。圧倒的ヒロインでした。
古代に飛ばされてからずっとお顔が戸惑っているのが可愛らしい!
ヒロインとしての安定感はあるのに作品毎にいつも違うヒロイン像というか表情を見せてくれるのが楽しくて仕方ない女優さんです。
もう才能の人よね...可愛くて歌もうまくて芝居もできてって何?それはみんなメロメロになるわよ
そして神田沙也加ちゃん!この人も私的には圧倒的ヒロイン。
でも沙也加ちゃんの演じるヒロインてすごく芯があるというか、なんていうかな、人としてすごく良いなって感じるんですよね!
自分がこの人の周辺人物だったら間違いなく付いていきたくなる、サポートしたくなる、そんな人だなあと感じます。圧倒的人望ヒロインよねそうなると。
守ってあげたくなる可憐さの中に間違いなく強さがあるのですごく惹かれます。

そしてうっかりキャロルに惚れちゃう王子イズミルは平方元基くん大貫勇輔さん。この二人が一番キャスト決める上で迷ったかもしれない...
平方くんは初演からずっとイズミルをやってますが、もうねビジュアルが殺人的に良いんですよ。これは映像見た時からずっと思っていたので生で見たらヤバイかもしれないとは思ってました。
案の定とんでもなくカッコよくて事ある毎にオペラグラスで御顔を追ってしまいました。個人的に平方くんには今後堕ちる予定はないと思ってたんですがこの時ばかりは本当に危なかったです。
あと歌声もめちゃくちゃ良いんですね...イズミルのロックナンバーが死ぬほど似合います...
対して大貫さんは今回初ですね!今までは宮野真守さんが演じてらっしゃいました。
大貫さんはロミジュリで死を見てからその表現力の強さと美しさに虜になってしまった人です。今回も指先に至るまですべての動きが美しくてもうたまらんでした。
なんていうかとにかくエレガントです。芝居も体の動かし方も目線の送り方もすべてがエレガント...
ちょいちょい見せる流し目の色気が半端じゃなくて釘付けにされましたね...
あと個人的には平方イズミルよりもう一歩こじらせてるイズミルって感じがして好きでした。ラドゥーを見てから劣情マンにすぐ惚れますね私ね

そしてメンフィスの姉であるアイシスは新妻聖子さん朝夏まなとさん
この二人も相当迷いましたが結論二人とも見て本当に良かった!
新妻さんは初演と再演ではキャロルを演じていた方。今回アイシス演るの?!と知ったときはもう楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。
新妻さんは王家の紋章の原作愛がとにかく凄いらしい。私は原作は読んでいないのですが新妻アイシスが出てきた瞬間、あっ本物だ...と思わざるを得ませんでした。
それくらいの迫力とオーラ。美しさと恐ろしさが同時に存在していて、もう貫禄がとんでもないです。歌えば会場中を突き刺すような鮮烈な歌声。本当に以前ヒロインやってらっしゃいました?と思っちゃうくらいの良〜〜い悪女でした。
そしてまあ様こと朝夏まなとさん、こちらも本当に素晴らしかった!!
今までまあ様て退団後はそれこそヒロイン役でしか見た事なかったのですが、この妖艶な女が死ぬほど似合っててもうとにかく大好きでした。
やっぱりもともとトップ男役だったのもあってオーラがすごいんですよね、どこで何をしていても目を惹く力がありますし舞台上の空気を作るのもすごく上手い。
あとアイシスって言葉の回しが独特なところがあるんですが、まあ様が話すとすごく自然に馴染んでいてそれにもびっくりした。
初演は濱田めぐみさんが演じていたアイシス、これも凄かったけど今回の二人もとんでもなく凄い。見応えたっぷりでしたわ!

さてここからはシングルキャスト。
キャロルの兄、ライアン兄さん役は植原卓也くん
この人もなーーんか目を惹くんですよね。ライアン兄さんは古代エジプトではなく唯一ずっと現代にいる人です。ある日突然消えてしまったキャロルを探し続ける妹思いの人です。基本報われてません。
私この人の芝居好きです!繊細とかいうよりは結構ダイナミックというか客席の遠くからでもよくわかる芝居をされる方だなあといつも感じます。言葉を選ばないとちょっとクサい芝居をするのですがこれが異質な世界観にすごくよく馴染んでいて好きだなあと感じたんですよね。褒めてますからねこれ
この先どんな役やられるのか結構楽しみな方です。

イムホテップ役の山口祐一郎さん
もう圧倒的...圧倒的でございました。今をときめく若手(っていうほど若手で固められていた訳でもないけど)を後ろからしっかり支える重鎮、もう安心感が半端ないです。
この方が出てくるシーンは他のキャストの皆さんもすごく良い表情をされてます。
あと歌ったときの響き方がケタ違いすぎましたね...冗談じゃなく劇場に君臨する神なのかな?と本気で思ってました。

すでに書きすぎていますがここからは個人的気になった方を!

セチ役の坂口湧久くん
セチは今まで工藤広夢くんていう感情ダンスオバケがやっててもーーそれはそれは大好きだったので今回変わったのは最初ぴえん🥺って思ってましたが、、、
坂口くんのセチめっっっっちゃくちゃ良かったんですう、それはもう広夢くんがやってたときと同じくらい芝居とダンスに胸打たれまくりました。
なんていうか坂口くんの芝居ってすごく親近感が湧くというかキャラクターを近くに感じるんですよね、そこでもう感情移入がヤバイし、セチといえばメンフィスの後ろでソロダンスをするのが印象的で大好きなんですがもうそこの表現力もめちゃくちゃ凄いんですよね。あーーもう最高のセチでした本当に
ちなみに坂口くんは2017年に「SHE LOVES  ME」という舞台で拝見してすごい良かったのを覚えてます。ずっとその事が記憶に残ってたけどその後は特に舞台は見ておらず...ある時「ロザリー」という舞台でたまたま再会した!と思ったら次は帝劇で舞ってたのでもうなんというか感慨深かったです...親の気分でした...
これからも応援したい役者さんです。

ミュージカル「王家の紋章」は帝劇での公演を無事完走。おめでとうございました!
9月からは福岡の博多座でその幕を上げます。
本当に何回見ても良い舞台です。舞台としてすごく力強い作品です。
一人でも多くの方のもとに届きますよう心よりお祈りしています!

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