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「BLUE RAIN」

こんばんは。
久しぶりの観劇記録でございます!!
まだまだ油断のできない世の中ですがやっとこ万全の対策をした上での舞台上演がちょこちょこ復活してまいりました!
(さっそく来週に控えていた私の公演は突然中止になりましたが....)
本当にいつ何の舞台が中止になるかわからない今、観劇できるということに多大なる感謝を抱いて...全身全霊で観劇してきました!

実に4ヶ月ぶりの観劇、その記念すべき第1作目は
博品館劇場にて上演されたミュージカル「BLUE RAIN」。
これは情報解禁されていた時からずーーっと気になっていたミュージカルでした!
なぜここまで気になっていたのかというと、この作品実は
日本でも大ヒットとなった韓国ミュージカル「SMOKE」を手掛けた作家、チュ・ジュンファ(作演出)&ホ・スヒョン(音楽)コンビによる作品だったからです!
もうSMOKEといえば私、私といえばSMOKE!と自分で言っちゃうくらい大好きでのめりこんだ作品なので今作も観ないわけにはいかない!
ということで初日のチケットをバッチリ取って観劇してきました!! 

1997年、ユタ。強欲な富豪、ジョン・ルキペールが殺害された。
犯人と目されたのは、父と反発し12年間家に戻っていなかった長男、テオ。
弁護士となった次男のルークはこの事件の真相を追ううちに、殺害現場から大金が消えていたこと、兄テオの恋人・ヘイドンがジョンの愛人になっていたことなど、兄に不利な証拠ばかり見つけてしまう。
現場で倒れていたルキペール家の家政婦・エマはテオをかばうも、新しく入ったばかりの使用人・サイラスらの証言も、テオが犯人であることを示しているようだ。
この事件の真相は……そして次第に浮かび上がる、家族の相克。
彼らが抱える憎しみの行方は……。
(ミュージカル「BLUE RAIN」公式HPより)

というのが本作BLUE RAINのおおまかなあらすじです。
SMOKEと比べるとわりと正統派な推理ドラマという感じがしますが、
それだけで終わらないところがさすがと言うべきところです。
この推理劇、ジョン・ルキペールを殺した真犯人を探す過程も面白いのですが
その中で明らかになる家族の過去や軋轢。
SMOKEでもあったような人間の感情が露わなりぶちまけあう場面もやはり見応えがあって一瞬でこのストーリーに引き込まれました。
音楽も本当に良く!登場人物の心情に寄り添うような柔らかな旋律が奏でられたかと思えば感情のぶつかり合うシーンでは一気に攻撃的に表情が変わる。
物語自体はSMOKEと比べるとかなりわかりやすくシンプルなものにはなっていますがそれに色付ける楽曲達が世界観を更に素晴らしいものにしていてもうとにかく好き。それしか言えない!!

さてSMOKEは3人劇の舞台でしたが今回は6人劇。
それを演じるキャストの皆様も本当に素晴らしく!!
最高の題材を最高の人材で実現してくれた!と心の底から感じられました。

物語の中で一番の犯人候補として上がる男、テオ役は吉野圭吾さん
もう私この人大好きなの...1789でアルトワ伯爵見てからもう虜なの...。素敵...!
とはいえあの時とは違って今回はかなりワイルドめ。恋人の夢を叶えるために縁を切ったはずの父親に手助けを求めたり、あまりの憎しみに我を忘れて人を手にかけそうになる部分もめちゃくちゃ等身大の人間らしさがある。
そして歌声が相変わらず素敵〜〜!感情大爆発で歌う部分の迫力もたまらないし、何より柔らかく歌う場面の高音がもうセクシー極まりない!!
この方は永遠に応援して行きたい方の1人でございます....!

そして被害者のジョン・ルキペールの次男でありテオの弟であるルーク役、
こちらはダブルキャストだったのですが私は佐賀龍彦さんで観ました。
佐賀さんといえば男性4人のユニットLE VELVETSのメンバーです。
もうこの人は何がすごいって圧倒的歌唱力ですよ...力強い歌声が会場内の空気という空気全部に響いてとんでもない厚みで身体中にドカーンと届いてきます。
過去どこかでこの人のGranadaを生で聴いて殺されかけた記憶があります。
そんな圧倒的歌声をお持ちの佐賀さん、この作品の感情がぶつかりまくるシーンにとっにかく映えます...!6人の歌声が合わさってもなおガンガンに響く歌声にはもう圧倒されるばかりでした。
ルークはニューヨークの弁護士でいわゆる勝ち組です。探偵役のような立場で真相を引き出し物語をどんどん展開させていくのですが、そんな彼にも負の部分があったりなかったり...事件の真相を探る探偵役でさえちゃんと容疑者候補になっているあたりこの作品の凄さが滲み出ております。

テオの恋人ヘイドン役は水夏希さん
この方は今作で初めて拝見したのですが宝塚の元トップ男役さんだと...!観劇当初はそれ知らなくて、すごく女性らしくて素敵な方だなあと思ってたのでびっくり!
男役時代すんごいカッコ良かった人がで今麗しいお姿で女性役やられてるのを見るとみんな魔法か何か使ってるのかな?って毎回思います。凄いですよねマジで
ヘイドンもまたすっごく怪しい人物なんですよね〜、だけどテオへの想いは本当に真っ直ぐで。この人、どっちだ...?って感じでしたずっと
お芝居も1990年のアメリカ西部という時代風景にすごく似合っていて、かつ歌声もとても伸びがあって素晴らしくて!!
圭吾さんとのデュエットには聞き惚れずにはいられませんでした。

お次はルキペール家に仕える家政婦エマ役は池田有希子さん
正直この方が観たくてチケット取ったと言っても過言ではない!SMOKEで拝見してからゆっこさんのお芝居が本当に大好きなのでこの作品の上演、そしてゆっこさんの出演は本当に本当に嬉しかったです!
SMOKEの紅はどこかミステリアスな部分があったけど、それに比べると本作のエマは人間味&人間味。
役柄的にもテオとルークの母親的存在、それぞれに優しく寄り添う様はか細く繊細だけど確かに心強さを感じる暖かさがある。こういう役が似合う〜素敵〜〜!!
すっっごく良い人に見えますが(良い人なのですが)、この人もちゃんと容疑者候補の1人です。怪しさを感じる場面もあって物語を面白くしています。
ゆっこさんのお芝居はすごく観客に伝わりやすいかつ、よりよく見ると見えてる以上に深い感情表現を忍ばせている感じがしてすっごい好きです本当に!

そしてルキペール家の新米使用人サイモン役は木内健人くん
この方も昨年のSMOKEで度肝を抜かれた1人なのでとっても期待していました!
今回もとっっっっても凄かったです!!!この人は本当に表情で見せるのが上手いですよね...、SMOKEの時も木内くんの演じていた海は他のどの海とも違う、独創的な海だったのをすごく良く覚えています。とても感情的、多彩な表情を見せていてダイレクトにその感情が入り込んでくる感じがするんです。
今回の木内くんもそりゃあミステリアスで!忠実な使用人役なのですが何を考えているのかイマイチ掴みきれない、そしてふとした瞬間に見せる表情に本当にゾワっとする。もうとにかくお芝居が好みすぎます!
そして歌も素晴らしい〜〜伸びのある歌声に魅せる表情、こんなん好きにならないわけない。カッコいいだけじゃないのが本当にズルイです、素敵....

最後は今作における被害者であるジョン・ルキペール役の今井清隆さん
レジェンドが出てしまったという感じ。流石としかいえない演じっぷりでした!
ルキペールがどんな人間だったか、と一言で言うとしたらクズ オブ クズ。
他人はおろか家族のことすら1ミリも顧みない自分中心に世界廻りまくってる人です。こんなこと言っていいのかわからないけど殺されても不思議じゃないレベルのクズ男です。だからこそ誰にでも動機がありすぎて「誰が犯人かわからない」状態が展開されるにはうってつけの被害者でした。
被害者なら作中あまり出てこないのでは...?と思われるかもしれませんが、全然そんなことはないのです。ルキペールはテオやルークにとって恐怖の象徴であったり憎悪の対象であったため度々2人の前に幻影として現れます。
死んでなお人間を脅かす圧倒的恐怖の存在。清隆さんのルキペールマジで怖かったです。こうある意味ズンと構えていて威厳(と言っていいのか)のある役マジで似合いますよね、存在感が正直桁違いでした!
ルキペールはある種物語の中心を担うので幻影として以外でも回想シーンやストーリーテラーとしても出てくるのでかなり登場回数は多いです。すっごい嫌なやつなんだけど癖になっちゃうのは間違いなく清隆さんパワー...凄いです本当

SMOKEはかれこれ10回くらい観ましたが今作は結局1回しか観れませんでした…でもすっごい面白いし曲もいいので繰り返し観たいなあ…と思っていたらなんとDVD発売するとのことなので即予約しました!
韓ミュどんどん映像化してくれてて嬉しいです。
最終陳述も待ってますよ……!!

さて久しぶりに舞台を生で観劇しましたが、本当に良いものですね舞台って...
その舞台の迫力だったり、開演前や終演後の劇場の雰囲気だったり、なんなら劇場への行き帰りの時間だったり...生身で感じるとやっぱこれだなと思います。
実際にこの空気を感じて改めて舞台から力を貰ってるなあと感じました。
もう観劇してから2週間以上経ってますが私は変わりなく元気です。というのも本作を上演するにあたって会場側がすごくたくさんの対策をなさってくれたからだと思っています。もちろん観客の皆様もたくさんの気遣いと協力をなさってました。
まだまだ大変な時期ではありますが早く安心して上演できる日が戻ってきますよう、一つでも多くの作品が皆様の元にしっかり届くよう、願うばかりです。

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