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パーティー。

2017年7月から、歌のライヴ・パフォーマンスとDJでレギュラー参加してきたクラブ・パーティー「SPARCOKS...HRSM(スパロックス廣島)」。

昨年までは、広島市は鷹野橋にあったクラブ<スリム・チャンス・スタジオ>で毎月開催され、ことし2019年より同市の繁華街、薬研堀にある音戸温泉ビルの地下<音楽食堂ONDO>に会場を移して、第5土曜日に開催されています。

20年近くに及ぶ歴史をもつパーティーに、レギュラー・メンバーとして加入以降、常に楽しく参加してきました。オリジナル・メンバーのMIMUさん。ぼくよりずいぶん前に加入して、MIMUさんと共にパーティーを続けてきたMRMTさん。おふたりのDJは楽しさだけでなく、哀感やメッセージ性、そして何よりレコードというメディアと、そこに刻まれた音楽への愛にいつもあふれていて。これまでに、どれほど刺激を受けたことでしょう。

また、冗談伯爵の新曲を初披露する場としても、ぼくにとってはたいへんに貴重、かつ重要で。トラックを制作し、スパロックスで試したまま発売に至っていない楽曲は、実は結構あります。

ことしの前半は、昨年末に知り合った年下の友人、オカハラシンさんが組むバンド<ザ・ルーペズ>と共に、冗談伯爵の楽曲をカヴァーする試みに取り組みましたが、<デビュー戦>は2月、ONDOに於ける新生スパロックスのステージでした。

<前園直樹グループ>以来のバンド編成でのライヴでしたが、バンドで演奏することの愉しさ、素晴らしさ、その時に生まれる昂奮を再認識できた、最高の時間でした。

そして11月。直近の回では、宿願であった冗談伯爵のバンド編成によるライヴも実現。ザ・ルーペズとの邂逅がもたらした<バンドでのライヴ・パフォーマンス>への欲求は、思ってもみなかったほどに日々募りゆくいっぽうでしたが、晩夏には良縁に恵まれ、秋には編成が整い、晴れて初ステージを踏むに至りました。

ぼくには、同じスパロックス、同じONDOで始めるという点がとても重要で、MCでもそのような旨を喋ったような気もするのですが、我ながら珍しくこの日は緊張していて、ステージ上の記憶が随所で欠落しています。あんなに緊張したのは2008年の東京、池ノ上<ボブテイル>に於ける前園直樹グループのデビュー戦以来だったかもしれません。

冗談伯爵バンドのステージを終えパーティーも跳ねた後。昂奮に上気する有志たちが囲むお好み焼き屋の大きなテーブルに、ようやく組めたバンドでもっと様々なことに挑戦してみたい、という気持ちがあふれてしまっているじぶんがいました。そして、バンドとしての活動を含む冗談伯爵の運営と、パーティーへのレギュラー参加は、いまの心身では両立していけないことを悟っていました(そのことが露見しないよう平静を装いながら)。

そうして。MIMUさん、MRMTさん、ONDOの森脇ご夫妻に相談の上でご理解をいただき、スパロックスのレギュラー・メンバーからは脱退することとなりました。

ぼくは、エンターテインメントであるか否かは規模の大小や設備の質でなく、標榜するにあたっての覚悟で決まると思っています。有料イヴェントを続ける労苦も知っています。音楽自体はほとんど無料で聴けるいま、それでも続けている<エンターテインメント。と誇れるパーティー>が、じぶんの街にはあるか。

これまでのスパロックスはそうであったし、これからも。と、ぼくは信じています。そして、素晴らしいパーティーに救われるのは現場に集まる人々だけでなく、招聘されるミュージシャンも同様であるということ。その立場からも、スパロックスに感謝しています。

SPARCOKS...HRSMのレギュラーを退くということも、ぼくなりの覚悟。彼らがパーティーを続けるとき。ぼくはキャラヴァンを進めます。

SPARCOKS...HRSMへの、いちばん最初の出演は2015年8月。まだ東京在住の頃、冗談伯爵としてゲスト出演した当時のことは今でもはっきり憶えています。広島勢と新井俊也さんのDJ。スリム・チャンス・スタジオの雰囲気と店主岡さん。そして大いに盛り上がってくださったお客さま。すべてが素晴らしく、シングル「ピンク・シャドウ/たまご」の先行発売ともなった当夜は、冗談伯爵史上最高のパーティーのひとつとして胸に刻まれています。約3ヶ月後、広島へ引っ越してやがてレギュラー・メンバーに加わるとは、まったく思っていませんでしたが。

レギュラー加入後は、いくつかのフライヤーのデザインも担当しました。2017年9月(ゲスト:星野みちるさん。SPARCOKS...HRSM主催の特別編)、2018年5月(ゲスト:常盤響さん)、同年9月(ゲスト:カジヒデキさん)、2019年2月(ゲスト:小西康陽さん/EVEN IN BLACKOUTS/SO-CHO PISTONS/TOY-POOH-DOLLS)。

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