LLM技術が革新する教育現場:生徒と教員が得る利益と注意点についての考察

どうも、こんにちわ。ライフイズテックのokuzonoです。
GPT-4の登場により本格的に教育現場での活用を検討する声もちらほら耳に入ってきている中、Edtech企業CTOとして色々検討する上で具体的な利用イメージや気を付けるべきポイントなどを整理したいと思い本記事を上げました。

ライフイズテック社でも学習におけるLLMをベースとしたAI活用を検討している状況ですが、どういう利点を得られるのかと同時に配慮する点や気をつけるべきことなどを雑感程度にまとめていきたいと思います。

まず、簡単に活用に関するイメージです。

AI活用イメージ

課題研究やレポート作成

調査や分析に役立つ情報を提供し、学生が課題研究やレポート作成を効率的に行うことができます。

受験対策

生徒が自身で持っている問題集や過去問などの解説、模範解答。今後の学習マイルストンや学習計画の作成など、受験勉強をサポートすることができます。

授業準備

教員は、授業の計画や教材作成を効率化できます。また、AIによる情報収集と最適化を通じて、最新の学術情報や事例を授業に取り入れることができます。

クラス管理

生徒の学習状況を把握し、個別の学習支援や進度管理を行うことができます。これにより、教員は効果的なクラス管理を実現できます。

このようにLLM技術を主体とし、教育現場において生徒と教員の両方にメリットを提供する可能性が高く、また、市場としての期待値も高まってきている現状があります。
ですが、デメリットや注意点も存在するため、適切なバランスで活用をしていかないと学習すべき意義や意味が損なわれるリスクや学びに対する意欲を低下させてしまう懸念も多く存在することも確かです。
あくまでもAIを補助ツールとして位置づけ、生徒と教員がそれぞれの立場で効果的に活用することで、教育の質を向上させることが期待できます。

ここからは、生徒及び教員が得られる便益と注意すべきポイントなどをまとめていきます。

生徒の活用事例

質問への回答サポート

生徒が疑問や質問を持った際に、AIを活用して解答を得ることができます。これにより、自己学習の効率化や理解の深化が期待されます。
生徒の活用に関しては大半がこの利用を想定されており、現状でもAI学習系のサービスは存在している状態になります。
結果を言語として認知可能な状態でフィードバックできることはこれまでのAIサービスとは明らかに異質な状態となるので便益としては大幅に上がる可能性も高いと感じています。

言語の幅を広げた学習

GPT-4などのLLM技術は多言語対応が可能であり、生徒は外国語の翻訳や文法による解釈などが可能となります。これにより、効果的な他分野の学習や多くのナレッジに触れることが可能になり学習コンテンツの幅が拡張されます。
合わせて、用語や知識補完もすることが可能な面。

【生徒のメリット】

  • 自己学習の効率化や理解の深化が期待できる。

  • 学習時間や場所に制約がなく、柔軟に学習が可能。

【生徒のデメリット】

  • 過度にAI依存することで、独自の思考や判断力が鈍る可能性。

  • プライバシーや著作権等の法的・倫理的問題への配慮が必要。

【生徒が気をつけるべきポイント】

回答を鵜呑みにしない

生徒は、AIから提供される回答や情報を鵜呑みにせず、自分で確認・検証することが重要です。批判的思考力を養い、正確な知識を身につけることが求められます。

適切な範囲で活用する

AIは有益なツールですが、過度に依存してしまうと、自己学習や問題解決能力が低下する恐れがあります。生徒は、Aを適切な範囲で活用し、自分自身で学びに取り組む姿勢を重んじることが重要です。

コミュニケーション能力を磨く

学習をサポートするツールですが、対人コミュニケーション能力は磨けません。生徒は、AIに頼らずに友人や教員と積極的にコミュニケーションを図り、相談や議論を交わすことで人間関係を築くことが重要となります。

教員の活用事例

課題の添削・フィードバック

AIを使って、生徒が作成したレポートや課題の添削・フィードバックを行います。これにより、教員の負担軽減と、生徒への具体的な改善点やアドバイスが提供されます。

副教材等の簡易的で副次的なサポート教材作成

教員は、既存教材と合わせて生徒の学習レベルや理解度に合わせた教材をAIを利用して作成できます。これにより、個別のニーズに対応した教育が実現されます。

【教員のメリット】

  • 添削・フィードバックの効率化や負担軽減が期待できる。

  • 個別対応が容易になり、生徒の理解度や学習効果を向上させる。

【教員のデメリット】

  • AIの導入による教員の役割や評価基準の変化への対応が必要。

  • AIが提供する情報や教材が必ずしも適切でない場合がある。

【教員が気をつけるべきポイント】

AIとの協働を意識する

教員は、AIと協働しながら教育を行うことが可能となります。例えば、提案される教材やアプローチを参考にしつつ、自身の専門知識や教育経験を活かして、最終的な教育内容を決定することが必要となってきます。

生徒のデータプライバシーを保護する

活用する際、生徒の学習データや個人情報が扱われることがあります。教員は、データプライバシーに配慮し、適切な管理と取り扱いを行うことが求められます。

AIの限界を理解し、適切に対応する

LLM AIは高い知識レベルを持っていますが、完璧ではありません。利用の際は、限界を理解し、適切な対応を行うことが重要です。例えば、提供する情報に誤りがある場合や、生徒にとって適切でないアドバイスが含まれている場合には、教員が自らの主観や専門知識を活かし、適切な指導を行うことが求められます。

まとめ

AIの広がりは、教育現場において生徒と教員の両方に大きなメリットを生み出すことができるようになってきますね。
どの分野もそうですが、AIの活用による効用は莫大なものとなってくるため社会インフラそのものである教育現場での活用は即座に推進すべきだということは間違いありません。
ですが、間違った利用や懸念を理解しない活用を進めた場合、本来の学習目的そのものが達成できなくなることも予想されるため、適切な利用を行なって学習に適用していってもらいたいと思います。

それでは、良いAIライフをお過ごしください!

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