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【怖い話】霊道が通る部屋に住んだ女性の末路

ふと思い出した。もう10年以上も前の話。
その頃、6階建てのマンションの3階に住んでいた。
ごく普通のマンションだったが、6階にある4部屋のうち、一番奥の部屋は怪しいスピリチュアル団体が借りていた。
なんでもかなりの高額でカウンセリングをしたり、訳のわからない石を打っていたようだ。

ある日、近所のBARで飲んでいると、たまたま隣に座っていた女性も同じマンションに住んでいたことが発覚した。30代の方で恰幅がよく、チャキチャキととても元気な女性だ。
6階の一番手前の部屋に住んでいるとのことだ。

「6階の奥の部屋の奴ら怪しくないです?」

と聞いたら「毎週日曜になると目が死んでいる人たちが吸い込まれていく」と言っていたので、メンタルが弱った人たちを騙してお金を巻き上げているのだろう。

ただ、話のメインはこの怪しい団体の話ではない。

怪しい団体の話で盛り上がっていたら、その女性が突然
「私、幽霊見えるんですよね。そして今の部屋、幽霊がめちゃくちゃ通り抜けていくんです。霊道ってやつですね」
と言い出した。

毎日のように霊が通り抜けていき、中にはソファで休憩したりする幽霊もいたそうだ。
裏がお墓だったからだろうか。

ただ特に怖い思いもしたことがなく、幽霊が通るくらいなら「ま、いっか」程度にしか考えていなかったそうだ。

それから1年くらい経ったころだろうか。
同じBARで飲んでいたら、ボックス席でめちゃくちゃに派手に飲みながら盛り上がっている女性グループがいた。

ほどなくしてその女性グループが帰ると、マスターが
「さっきの女性グループで一番うるさかった人、前に話してたゾンビくんと同じマンションの人だよ」
と。

全然気が付かなかった。
だって1年前よりとてつもなく痩せていたから。

さらにマスターは
「あの人ね、本当は今お酒飲んじゃいけないんだよね。末期がんで余命宣告されてるから。でも今日の様子見ている限り、諦めたみたい」
とも。

それから半年も経たない頃、その女性の訃報を聞いた。

霊道を通る霊が取り憑いたのかもしれない、とも思ったが、ただの偶然で霊道とは全く関係ないかもしれない。
でもあんなに元気でパワフルな人が1年ほどでガリガリに痩せて亡くなってしまった事実がとても怖かった。

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